はじめに


 

 

 

本編はここからどうぞ →→→ プロローグ

 

【お知らせ】

・4/30 『大人の余裕が尽きるとき 石神・難波』を公開しました。

・4/24 『加賀 Season2 カレ目線』を公開しました。

・4/20 『加賀 Season2 エピローグ』を公開しました。

・4/9 『加賀 Season2 ふたりの卒業編』を公開しました。

・3/26 『特捜×公安コラボストーリー RIVAL ~背中合わせの捜査線~』を公開しました。

・3/24 『夜の学校はキスorミッション』を修正しました。

・3/22 『Season1 加賀』を修正しました。

・3/15 『潜入捜査は蜜の味 ~演じて暴いて抱きしめて~』を公開しました。

・3/10 『キミとの約束、果たします ~総選挙2016公約達成』を公開しました。

・3/2 『Sason2 加賀 ヒミツの恋敵編』を公開しました。

 

 

 

 

ようこそ。Sato’s Roomへ。

管理人のサトコです。

 

ボルテージ様の恋人は公安刑事を愛しすぎたが故のブログです。

ていうか、完全自己満足ブログです。

故に諸注意事項もあります。

というわけで、以下の諸注意事項をよく読んで、納得してください。

 

 

まずはこちらから‥

【自己紹介】

名前:サトコ

年齢:30代

性別:女

職業:主婦

趣味:ゲーム(乙女ゲー・モンハン・ドラクエ‥‥他)

 

 


 

 

【注意事項】

一、基本的に30歳以上のキャラしか興味ありません。

 

一、年下に興味なし。

 

一、あまりにもひどい誤字脱字、文章の間違いは修正して記載していますが、基本的に丸写しなので、

「あれ?これ漢字間違ってね?」とか「文章おかしくね?」とかいう文句は受け付けません。

 

一、管理人は乙女ゲーにおいて、出会いから両想いになるまでの過程が好きなため、

両想いになってからの、GDGDな恋愛‥からの結婚‥からのほのぼの家族話‥には一切興味がありません。

 

一、途中でアプリ自体に興味を失くす可能性もあります。

 

一、その際はご了承ください‥‥

 

一、都合上、日付が前後して公開されることがあります。

 

一、時折本文最後に管理人のツッコミが入ることもあります。

 

 

 

以上、まだ増える可能性もありますが、とりあえずの注意事項です。

最初に言った通り、ただただ私の自己満足のブログですので、よろしくご理解お願いします。

 

愛でとろける3日間 3話


 

DAY3 :欲求不満を埋める夜

 

【学校 廊下】

いつも通りの毎日が続く中、ひとつだけ普段と違うことがあった。

 

(‥加賀さんと、なかなかふたりきりで会えない‥)

(いや、そんなこと言ってる場合じゃないんだけど)

 

事件が相次ぎ捜査捜査の日々で、加賀さんは1ヶ月ほど、家に帰ってきていない。

 

(車の中で一晩中張り込みしたり、本庁や学校に泊まったり‥)

(たまに寮監になってるから、そういうときはベッドで寝られるみたいだけど)

 

サトコ

「加賀さんの身体も心配だし、それに‥」

 

わがままを言ってはいけないと、もちろんわかってはいるけど‥

恋人らしいことが何もできないのは、やっぱり寂しかった。

 

(せめて、何か手伝いできることがあればいいのにな‥)

(捜査だけじゃなくても、加賀さんのプライベートを支えられるような)

 

加賀

おい

 

サトコ

「はあ‥でも、私にできることなんて限られてるし」

「そういえば、ちゃんとごはん食べてるかな‥また野菜ばっかり残してるんじゃ」

 

加賀

‥‥‥

‥テメェ

 

ガッと後頭部をわしづかみにされて、メリメリと指がこめかみに食い込む!

 

サトコ

「ぎゃっ!痛い!加賀さん、頭蓋骨がミシミシ言ってます!」

 

加賀

呼んだらすぐ返事しろ

 

サトコ

「分かりました!気を付けます!だから離してください!」

 

ようやく解放してもらえて、頭を抱えながら加賀さんを振り返った。

 

サトコ

「お、お疲れ様です‥どうしたんですか?」

 

加賀

受け取れ

 

渡されたのは、加賀さんの部屋の鍵。

 

サトコ

「え‥」

「こ‥これって合鍵ですよね‥!?」

 

思わぬプレゼントに、声を潜めて問いかけてみる。

 

加賀

今だけだ

‥テメェにしか渡すつもりはねぇがな

 

サトコ

「それって‥」

 

<選択してください>

A: 自由に出入りしていいの?

サトコ

「じ、自由に加賀さんの部屋に出入りしてもいいんですか?」

 

加賀

今だけって言っただろ

俺が必要な時だけ、入るのを許してやる

 

サトコ

「必要な時って‥」

 

加賀

今回は、部屋の掃除と洗濯だ

 

(やっぱりそういうことか‥1ヶ月帰ってないなら、相当荒れてるだろうしな‥)

B: 私の部屋の合鍵もいる?

サトコ

「わ、私の部屋の合鍵もいりますか!?」

 

加賀

いらねぇ

 

サトコ

「ですよね‥」

 

(合鍵なら、寮監室にあるもんね‥)

 

加賀

それより、掃除と洗濯しとけ

 

サトコ

「やっぱり、雑用のためだったんですね‥」

C: 掃除しろってこと?

サトコ

「‥部屋の掃除をしろってことですか?」

 

加賀

洗濯もだ

 

サトコ

「ハイ‥」

 

(きっと、そういうことだろうと思ったけど)

 

(はあ‥私は加賀さんの家政婦じゃないんだけどな‥)

(でもこれも一応、加賀さんの役に立ってるんだよね!願ってたプライベートのサポートだし!)

 

無理やり自分を納得させつつも、何故かなんとなく釈然としない。

そんな私の気持ちに気付いたのか、加賀さんが少し屈んで私の耳元に唇を寄せた。

 

加賀

今夜は、部屋に帰る

 

サトコ

「っ‥‥」

 

わざと耳に触れるように、私の髪を耳にかける。

唇が微かに耳たぶをかすめて、そのまま離れていった。

 

加賀

‥綺麗にしとけ

 

サトコ

「は、はい‥」

 

(それは、部屋を‥?それとも、私を?)

 

意味深に笑うと、加賀さんは私に背を向けて廊下を歩いていく。

でもしばらくは加賀さんの低い声が耳に残り、その意味を考えて身動きが取れない私だった‥

 

 

 

【加賀マンション】

その夜、合鍵を使って加賀さんの部屋にお邪魔した。

家事をこなしながら、加賀さんの帰りを待つ。

 

(何時に帰る‥とは言ってなかったけど、そろそろかな)

(食事の支度も掃除も終わったし、あとはこれを洗濯すれば完了!)

 

部屋に散乱した洗濯物を集めていると、ソファに脱ぎ捨てられたシャツに気付いた。

 

サトコ

「危ない危ない、これだけ洗濯し忘れるところだった」

「はあ‥やっと今日、加賀さんと触れ合えるんだ」

 

最後に加賀さんと抱き合ったのは、頭からいきなりシャワーを浴びせられたあの夜だ。

あれから急に忙しくなり、学校で顔を合わせる以外は話すことすらできなくなってしまった。

 

(この1ヶ月、寂しかったな‥)

(仕事だし、加賀さんが一番大変なのはわかってるから、そんなこと言えなかったけど)

 

持っていたシャツを、ぎゅっと抱きしめる。

微かに煙草の香りがして、まるで加賀さんに抱きしめられているようだった。

 

(ちょっとだけ、着てみてもいいかな)

(洗濯が終わるまでの間‥ほんのちょっとだけ!)

 

服の上からでも加賀さんのシャツはぶかぶかで、袖も丈もかなり長い。

 

サトコ

「この1ヶ月の寂しさを、これで充電しよう」

「あ~、なんか元気出て来た!洗濯しようっと!」

 

 

【玄関】

洗濯を始めて少しすると玄関のドアが開く音がして、急いで出迎える。

 

サトコ

「加賀さん、おかえりなさい!」

 

加賀

‥‥‥

 

一瞬、加賀さんが笑った‥ような気がした。

 

サトコ

「‥加賀さん?」

 

加賀

尻尾振って出迎えとは、少しは犬って自覚が出て来たか

 

サトコ

「いや、犬の自覚はないですよ‥!」

 

(でも、さっき‥確かに、ちょっとだけ笑ったよね)

(もしかして、こうやって出迎えて、少しは喜んでくれてる?)

 

でもそのあと、私を見たまま、なぜか加賀さんは立ち止まったままだ。

 

サトコ

「どうかしましたか?」

 

加賀

‥着るなら、それ以外は全部脱げ

 

サトコ

「はい?」

 

首を傾げたけど、すぐにその態度の意味を理解する。

 

(しまった‥!加賀さんのシャツ、着たままだ!)

 

サトコ

「こ、これはですね‥」

 

加賀

‥‥‥

 

サトコ

「すみません‥!寂しくてつい‥」

「こ、これもちゃんと洗濯しますから!」

 

慌ててシャツを脱いで、背中に隠す。

笑って誤魔化しながら、さっきの加賀さんの言葉がなんとなく引っかかった。

 

(‥着るならそれ以外全部脱げ、って‥どういうこと!?)

 

加賀

なんだ

 

サトコ

「い、いえ!えっと‥ごはんできてますよ」

「それとも、先にお風呂入りますか?」

 

加賀

どっちでもねぇ

 

短く答えると、加賀さんが私の手首をつかむ。

そしてリビングでもバスルームでもなく‥まっすぐに、寝室へと向かった。

 

 


 

 

 

【寝室】

寝室に連れ込まれると、そのままベッドに押し倒される。

 

サトコ

「加賀さっ‥ま、まだ洗濯が終わってないんです!」

 

加賀

あとでいい

どうせ、そのシャツも洗うんだろ

 

私が持っていたシャツを見て、加賀さんが不敵に笑う。

こっそりシャツを羽織っていたのを思い出して、頬が火照った。

 

サトコ

「加賀さんの煙草の香りがしたから、つい」

「その‥匂いに包まれて、抱きしめられてるみたいな気持ちになって」

 

加賀

‥‥‥

 

サトコ

「最近、全然触れ合えてなかったので‥すみません、ほんの出来心で」

 

加賀

欲求不満か

 

サトコ

「よっ‥!?」

 

<選択してください>

A: そういうことになります

サトコ

「そ、そういうことになります‥」

 

恥ずかしかったけど、加賀さんに隠し事は無理なのですぐに観念した。

加賀さんが、妙に納得したようにうなずく。

 

加賀

発情期なら仕方ねぇ

 

サトコ

「お願いですから、その言い方はやめてください‥」

B: そんなわけない

サトコ

「よよよ、欲求不満なんて!そんな‥」

 

加賀

図星か

 

サトコ

「はい‥」

 

いつものように尋問されて、あっさり自白した。

C: 寂しかったんです

サトコ

「だって、寂しかったんですよ‥」

 

加賀

‥‥‥

 

サトコ

「もう、1ヶ月も放置プレイで」

 

加賀

お預けもできねぇのか、うちの犬は

 

(『うちの犬』か‥ふふふ‥)

(‥いやいや!今の、喜ぶところじゃない!)

 

サトコ

「‥加賀さんは、そんなことなかったですか?」

 

加賀

あ?

 

サトコ

「私と会えなくて‥その‥よ、欲求不満とか」

 

加賀

さあな

‥どう思う?

 

試すような聞き方に、返事が出来ない。

 

(捜査で忙しかったし、きっと寂しいなんて思ってもらえなかっただろうな)

 

私の手から、加賀さんが自分のシャツを持っていく。

 

加賀

主人の服で遊ぶとは、躾が足りねぇな

自由にさせてる間、ずいぶんと羽を伸ばしてたじゃねぇか

 

サトコ

「そんなことないです。加賀さん流に言うなら‥ご主人のことばっかり考えてましたよ」

「私は、加賀さんだけに忠実な犬ですから‥なんて」

 

(ちょ、ちょっと調子に乗りすぎたかな‥?)

 

加賀さんが、私に強い視線を向けた。

一瞬で唇を奪われて、手から離れたシャツがベッドから落ちる。

 

サトコ

「‥欲求不満は、加賀さんのほうじゃ」

 

加賀

‥‥‥

 

何も言わず、私を見つめたまま加賀さんが服の裾をめくるように手を差し入れる。

中で指先がうごめき、既に熱を帯びているところに触れた。

 

サトコ

「ぁっ‥」

 

加賀

‥かもな

 

私の身体に熱を灯して翻弄しながら、加賀さんがささやく。

 

加賀

だから、こんなに抱きてぇんだろ

 

サトコ

「え‥」

 

加賀

じゃなきゃ、鍵なんざ渡さねぇ

 

(そんな言い方、ずるい‥)

(もしかして‥掃除とか頼んだのは、口実だったの‥?)

(でもそれって‥私は特別なんだって、思っていいんだよね)

 

嬉しくて、そっと加賀さんの背中に手を回す。

まるで味わうように私の肌に触れていた加賀さんが、少し身を起こした。

 

加賀

テメェが脱がせろ

 

サトコ

「え‥?」

 

加賀

欲求不満なんだろ?

解消してやるから、疲れた主人に尽くせ

 

(ぬ、脱がせるって‥加賀さんの服を、私が?)

(さすがにそれは、恥ずかしいっ‥)

 

困り果てて何もできずにいると、加賀さんが再び、指先で肌をなぞる。

焦らすようにじわじわと私を追い詰めたかと思うと、不意にその温もりが消えた。

 

サトコ

「え‥」

 

加賀

うまくできたら、続きをしてやる

 

意地悪な言い方にも、反論できない。

 

(‥どうしよう、恥ずかしいんだけど)

(最近、全然一緒にいられなかったから‥本当はもっと触れて欲しい)

(加賀さんも、そうなんだって思って‥いいんだよね)

 

おずおずと、加賀さんのシャツに手を添える。

ボタンをひとつずつ外す私に、加賀さんは今にも舌打ちしそうな表情になった。

 

加賀

さっさとしろ

 

サトコ

「す、すみません‥慣れてなくて」

「あと、緊張で‥手が震えて」

 

加賀

こっちは1ヶ月待たされてんだ

これ以上、まだ主人にお預け食らわせるつもりか

 

サトコ

「お預けにしたのは、私じゃないですよ‥」

 

いつもは抗議するとすぐドスの効いた声で脅されるのに、今日はそれがない。

そのかわり、もたもたしながらもシャツを脱がせた私に触れるだけのキスをくれた。

 

加賀

いつまで待たせる

 

サトコ

「れ、練習しといたほうがいいですか?」

「でもそれには、加賀さんに練習台になってもらわないと」

 

小さく笑うと、再び加賀さんが手を服の中へ滑り込ませた。

 

加賀

上等だ

特別に、手取り足取り教えてやる

 

サトコ

「あっ、待っ‥か、加賀さんっ‥」

 

めくられて露わになった肌に、加賀さんがキスを落とす。

いつものように強引ではなくて、まるで慈しむような優しい口づけだった。

 

加賀

他の奴を練習台にしやがったら、ただじゃおかねぇ

 

サトコ

「そんなこと、しませんっ‥」

「‥けど、できれば優しく教えてほしいなと‥」

 

加賀

テメェ次第だ

 

それ以上は言葉を許してもらえず、加賀さんが触れるだけのキスをくれる。

でも舌先で唇をなぞられて、口を開けろと促された。

 

(今日の加賀さん‥なんだか、普段よりも‥)

 

微かに口を開くと、ごく自然に絡み合った舌を軽く吸われる。

 

サトコ

「んっ」

 

唇を合わせながら加賀さんは、私がボタンを外したシャツをじれったそうに脱ぎ捨てた。

 

加賀

‥他の男に、じゃれついたりしてねぇらしいな

 

サトコ

「え‥?」

 

加賀

俺以外の奴の匂いがしねぇ

 

満足げに、加賀さんの手が私を夢中にさせようと動き出す。

ふくらはぎから太ももへ、なぞるように指先を伝わらせる。

 

サトコ

「っ‥ぁ‥」

 

加賀

我慢するんじゃねぇ

何度も言わせるな

 

サトコ

「だ、だって‥恥ずかしいんです‥」

 

加賀

言ってもわからねぇなら、また別の場所で躾してやる

テメェは、ギャラリーがいたほうが燃えるらしいからな

 

(まさか‥電話で室長に聞かれたかもしれないときのこと言ってる!?)

 

サトコ

「あ、あれって結局、どこまで聞かれてたんですか‥!?」

 

加賀

さあな。室長に直接聞け

 

サトコ

「聞けるわけないですよ‥」

「それに、うっかり煙草の匂いが移ったらまたお仕置きされるし」

 

加賀

わかってるじゃねぇか

 

下着の上から追い詰めるようになぞられて、甘い声を我慢することができなくなる。

加賀さんが私の肌を味わう音が部屋に響いて、耳を塞ぎたいほど恥ずかしい。

 

(でも、すごく大事にされてるのがわかる)

(いつもそうだけど、今日は、特に‥)

 

肌を合わせるだけで、加賀さんが私を求めてくれているのを感じられた。

感触を確かめるように、そして私がつらくないように、加賀さんがゆっくりと身を沈める‥

 

サトコ

「っ‥‥!か、加賀、さっ‥」

 

加賀

1ヶ月我慢した褒美だ

 

サトコ

「あ、ぁっーーー」

 

揺さぶられて声をこぼす私を、加賀さんが満足げに見下ろす。

離れていても抱かれていても、いつだって加賀さんに翻弄されているのだと知った夜だった。

 

 

 

その夜も更けたころ‥‥

 

 

 


 

 

愛でとろける3日間 2話


 

DAY2 :互いの匂いをうつして

 

【屋上】

ある日のお昼休み、鳴子と屋上でお弁当を食べ終え、たわいのない話に花を咲かせていた。

 

鳴子

「それで千葉さんがね、東雲教官に睨まれたらしくて」

 

サトコ

「うわあ、気の毒‥あの冷たい目で蔑まれたんだろうね」

 

鳴子

「うん、ゴミを見るようなあの目でね‥」

 

お弁当箱を片付けたとき、ふと煙草の香りを感じて振り返る。

少し離れたところで、室長がゆったりと煙草をふかしていた。

 

サトコ

「室長、お疲れ様です」

 

難波

おー、お疲れ。飯か?

 

鳴子

「学食も飽きたので、今日はお弁当を持ってきたんですよ」

 

難波

手作り弁当か。いいなー、おっさんにも作ってくれよ

 

冗談まじりに笑う室長と鳴子が楽しそうに話しているのを、ぼんやりと眺める。

 

(室長の煙草の香り、加賀さんのとは少し違うな‥銘柄が違うから当たり前だけど)

(それにしても‥)

 

この間の電話のことを思い出すので、なんとなく室長の顔を直視できない。

 

(どこまで聞かれたんだろう‥?まさか、私の声まで‥!?)

(いや、でもさすがにそれなら何かお咎めがあるはず‥)

 

だけど、室長のことなので、『バレなきゃいいだろ』とでも言いそうだ。

 

(そもそも、あの日私と加賀さんが一緒だったことも、本当なら室長は知らないはずだし)

(ここは、ボロが出ないように少し距離を取って‥)

 

難波

そうそう、氷川

 

サトコ

「は、はい!」

 

難波

この間の休み、邪魔して悪かったな

 

サトコ

「!?」

 

難波

そんなつもりなかったんだけどな~急いでたもんだから

 

サトコ

「い、いえ‥」

 

(この間の休み‥って、絶対、あの日のことだよね‥)

(『そんなつもりなかった』って、どういう意味!?ままま、まさか‥)

 

鳴子

「サトコ、どうしたの?真っ赤になったかと思ったら、今度は真っ青だよ」

 

サトコ

「い、いやあ‥そんなことは‥ハハハ‥」

 

慌てて首を振り、さりげなく鳴子の後ろに隠れる。

どうやら室長は、あの日私が加賀さんと一緒にいたことには気づいているらしい。

 

(でも、個別教官室での “あのこと” は‥!?)

(やっぱり、声‥聞かれてた!?)

 

その後、室長からそれについて語られることはなく‥

私と鳴子を見て、ふと思い出したように煙草を消した。

 

難波

悪ぃな。女の子なのに

 

鳴子

「え?」

 

難波

匂い、ついてねーか?

 

鳴子

「あ、大丈夫ですよ~」

「むしろ、お気遣い頂きありがとうございます‥」

「この学校で私たちを女の子扱いしてくれるの、室長だけです」

 

(確かに‥颯馬教官もしてくれるけど、たまに目が怖いし)

 

室長を見送ると、私たちも空になったお弁当箱を持って屋上をあとにした。

 

 


 

 

 

【車】

その夜、一度寮に戻ると加賀さんと待ち合わせをして車に乗り込んだ。

 

サトコ

「遅くなってすみません。課題が片付かなくて」

 

加賀

ああ

‥‥‥

 

助手席に座ってシートベルトを締める私を、加賀さんがジッと見つめてくる。

あまりにも鋭い視線に、身震いするほどだった。

 

サトコ

「‥加賀さん?」

 

<選択してください>

A: すみませんでした

サトコ

「す、すみませんでした‥」

 

加賀

なんのことか分かってんのか

 

サトコ

「いえ‥実は、さっぱり」

 

加賀

‥‥‥

 

(しまった‥なおさら怒らせた!)

B: 仕事で何かあった?

サトコ

「もしかして、仕事で何かありましたか?

 

加賀

別にねぇ

 

サトコ

「でも、なんだかご機嫌ナナメ‥」

 

加賀

‥‥‥

 

(ダメだ、これ以上聞くとなおさら機嫌が悪くなる‥!)

C: 今日都合悪い?

サトコ

「もしかして今日、都合悪いですか?」

 

加賀

そんなこと言ってねぇ

 

サトコ

「でも、なんとなく表情が険しい‥」

 

(‥のは、いつものことか‥)

 

サトコ

「あの‥私、何かしましたか?」

 

恐る恐る尋ねると、加賀さんが私から目を逸らした。

そして、盛大に『チッ!』と舌打ちして車を出す。

 

(な、何‥!?想像以上に怒ってる!?)

(でも今日の演習ではミスしてないし、講義もちゃんと集中して聞いてたし)

 

サトコ

「えーと‥きょ、今日はこのまま、加賀さんのおうちにお邪魔していいんですよね‥?」

 

加賀

ああ

 

サトコ

「ごはん食べましたか?もしまだなら、何か作りますよ」

 

加賀

必要ねぇ

 

最低限の返事はしてくれるものの、それ以上の会話が広がらない。

不機嫌の理由もわからず、戦々恐々としながら加賀さんのマンションに着いた。

 

 

 

【加賀マンション バスルーム】

部屋に入るなり腕を掴まれ、バスルームへと引きずり込まれた。

 

サトコ

「かっ、加賀さん!まだ服着たまま‥!」

 

加賀

喚くな

 

加賀さんがシャワーをひねると、一気に冷たい水が頭上から降り注ぐ。

 

サトコ

「ぎゃー!冷たい!」

 

加賀

うるせぇ

 

サトコ

「いや、だって‥せめてお湯にしてください!」

 

加賀

じきになる

 

サトコ

「そういう問題じゃな‥」

 

さすがに抗議しようと思ったけど、本当にすぐお湯になったのでホッとため息をついた。

 

サトコ

「はあ、生き返る‥」

 

加賀

‥‥‥

 

サトコ

「でも、なんでいきなり水攻め‥」

 

加賀

これでもわからねぇとは、駄犬から野良犬に格下げだな

 

サトコ

「野良!?」

 

(す、捨てられる‥!?なんで!?)

(理由が分からないから、なおさら怖い‥!)

 

ビクビクしながら、加賀さんの様子をうかがう。

しばらくは、私が服のままシャワーを浴びているのを腕組みして眺めていた。

 

(止めてください、って言えない雰囲気‥)

(でも、服が肌に張り付いて気持ち悪い)

 

理由を尋ねようとする前に、少し乱暴に腕を引っ張られた。

髪や首筋に鼻を近づけて、なぜか加賀さんが私の匂いを嗅ぐ。

 

サトコ

「!?」

「い、犬‥!?」

 

加賀

あぁ゛?

 

サトコ

「いえ!なんでもないです!」

 

(加賀さんが犬化‥?ってことは、私が飼い主?)

(‥いや、さすがにそれはあり得ない)

 

黙って立ち尽くしていると、加賀さんはまだ何か気になるのかさらに私の肌に鼻をつけた。

身体を押さえつけられて、頬、耳、胸元‥と、吐息がかかるほど近くで何度も匂いを嗅がれる。

 

(鼻が肌に触れてくすぐったい‥は、恥ずかしすぎる)

(こんなの初めてで、どうしたらいいか‥)

 

肌を攻め立てるでもなくひたすら鼻を寄せる加賀さんを上から眺めるのは、妙に新鮮だ。

 

(それに、伏し目がちに見えるのが、なんだか色っぽい‥)

 

加賀

‥まあ、こんなもんか

 

満足げにうなずくと、ようやく加賀さんが私から身体を離した。

ホッとため息をつきながら、恐る恐る加賀さんの顔を覗く。

 

サトコ

「あの‥なんだったんですか?」

 

加賀

‥‥‥

気づいてなかったのか

 

サトコ

「気づく‥?何がですか?」

 

グイッと乱暴に私の首根っこを引っ張ると、シャワーが降り注ぐ中、加賀さんが乱暴に口づけた。

 

サトコ

「か、加賀さんまで濡れちゃいます!」

 

加賀

今さらだろ

 

サトコ

「も、もしかして私、変な匂いしてました?」

 

これまでの加賀さんの行動を見る限り、それしか考えられない。

 

(でも今日は講義ばかりだったから、汗かいてないし‥)

 

加賀さんの嫌いな匂い‥と考えると、一番に思いつくのが野菜だ。

 

(だけど、お弁当にはサラダしか入っていなかったはず)

(そこまで匂いはしてないよね‥だとしたら、なんで)

 

加賀

‥他の男にマーキングされやがって

 

サトコ

「マーキング!?」

 

(なんで犬用語‥!?)

 

サトコ

「っていうか、他の人の匂いなんてついてるはずないですよ」

「電車にも乗ってないし、香水もつけてないし」

 

加賀

‥難波さんだろ

 

サトコ

「室長?」

 

意味が分からず、首を傾げて加賀さんを見つめる。

室長とくっついた覚えもないし、匂いが移った記憶もない。

 

サトコ

「すみません、何がなんだか‥」

 

加賀

駄犬は記憶力も悪ぃのか

犬は家より飼い主につくってのは、うそだな

 

(飼い主‥匂い‥室長‥)

(‥あっ!)

 

サトコ

「もしかして、煙草の匂いですか!?」

 

加賀

遅ぇ

 

サトコ

「すみません‥完全に忘れてました」

「だって、お弁当の時間にちょっと話しただけですから」

 

加賀

『ちょっと』でずいぶん匂いがついたもんだな

 

サトコ

「し、室長がちょうど煙草吸ってたんですよ」

「鳴子にも匂いがついてましたから!たぶん!」

 

加賀

焦ってんじゃねぇ

 

呆れたように言われてようやく、別に疑われているわけではないと気づいた。

 

(疑われてる‥っていうより、もしかしてヤキモチ?)

 

その考えが顔に出ていたのか、加賀さんが不機嫌そうに私のブラウスのボタンに手をかける。

 

サトコ

「じ、自分で脱げますから‥」

 

加賀

飼い主の言うことが聞けねぇのか

 

そういわれると、まるで本当に飼い犬のようにおとなしくなってしまう。

 

(加賀さんに『おすわり』とか『お手』って言われたら、反射的にしちゃいそう‥)

 

肌に張り付いたブラウスを脱がされると、一瞬、加賀さんと視線が交差する。

その瞬間、どちらからともなく深く唇が重なった。

 

(こないだの電話の時のあの言葉も‥)

(加賀さんが、室長に嫉妬‥なんて、嬉しすぎる)

(シャワーを頭からかけられたのには、びっくりしたけど)

 

でも、それが加賀さんなりの愛情だというのはよくわかっている。

素直に言葉にしてくれない分、行動で表すのはいつものことだった。

 

(わかりにくいけど、分かった時には、愛されてるんだなって実感できる‥)

(だからこうして、どんどん離れられなくなっていくんだ)

 

キスの合間に下着を外され、加賀さんの大きな手が露わになった肌を包み込む。

吐息がこぼれると、加賀さんから少しだけ、さっきの不機嫌さが消えた気がした。

 

加賀

テメェはそうやって、俺にだけ啼いてりゃいい

そうすりゃ、テメェが欲しいもんを与えてやる

 

シャワーの雫が、肌を流れていく感覚。

それと同時に加賀さんの指が的確に私の弱いところを攻めて、立っていられなくなりそうだ。

 

サトコ

「っーーー‥‥!」

「加賀、さっ‥も、もうっ‥」

 

加賀

‥‥‥

 

切ない声をこぼす私を、加賀さんが射抜くように見つめる。

そのまま私が果てるまで、激しく攻められ続けた。

 

 

 

バスルームで散々もてあそばれたあと、一緒に湯船に浸かる。

加賀さんに後ろから抱きしめられるようにされて、背中に感じる温もりがくすぐったい。

 

サトコ

「あの‥もう、匂いしてないですよね?」

 

加賀

してたら捨ててる

 

(恐ろしい言葉を、サラッと言うな‥)

 

サトコ

「室長の煙草の匂い、加賀さんのとは違うなって思ってたんです」

「最近、加賀さんの煙草の匂いだけはわかるようになったんですよ」

 

加賀

嗅覚だけは犬並みか

 

クッと、加賀さんが笑う声が耳元で聞こえた。

後ろから回ってきた手がウエストに添えられて、いつものように私の肌の感触を愉しむ。

 

サトコ

「せめて、おなかは触らないでもらえると‥」

 

加賀

犬は服従するとき、腹見せるだろ

 

<選択してください>

A: もうとっくに服従してます

サトコ

「おなか見せなくても、もうとっくに服従してますから」

 

加賀

だろうな

躾の甲斐があったってもんだ

 

(本当に‥いつの間に躾けられてたんだろう)

B: 咬みつきますよ

サトコ

「飼い犬だって、たまにはご主人様に咬みつくんですよ」

 

加賀

やれるもんならやってみろ

 

ドスの効いた声に、慌てて首を振る。

 

(甘噛みすら許してもらえなそう‥!)

C: 犬扱いはやめてください

サトコ

「もう‥犬扱いはやめてください!」

 

加賀

犬じゃなかったらなんだってんだ

 

サトコ

「え‥!?か、加賀さんの恋人ですよね!?」

 

加賀

‥‥‥

 

(その意味深な笑顔は‥!?)

 

加賀

今度他の男の匂いをさせてきたら、ただじゃおかねぇ

 

サトコ

「何するつもりですか‥?」

 

加賀

二度とそんな気起こさねぇように、躾のし直しだ

 

サトコ

「ぜ、絶対しません‥!煙草吸ってる人のところには近づきませんから!」

 

お湯を波打たせて首を振る私を、加賀さんは黙って眺めている。

その手は無意識なのか、私の二の腕や胸の辺りを行き来して柔らかさを確かめていた。

 

サトコ

「‥加賀さんの匂い、移らないかな」

 

思わずぽつりとつぶやくと、その手の動きが止まった。

不思議に思って振り返ろうとする前に、肩を強く引かれる。

 

サトコ

「ひゃっ!?なんですか?」

 

加賀

動くな

 

まるで被疑者に言うような鋭い声に、背筋が伸びて身体が固まる。

嫌な汗が背中を伝う私の背筋に、加賀さんが頬を寄せた。

 

(‥ん?)

 

今度は肩に顔を埋められ、また頬を寄せられた。

そして、まるで私に自分の肌を擦りつけるような仕草をみせる。

 

(もしかして‥匂い、移されてる!?)

 

サトコ

「か、加賀さ‥」

 

加賀

じっとしてろ

 

耳や鎖骨にも鼻をくっつけられ、くすぐったさに肩が震えてお湯が跳ねる。

私の身体を持ち上げると、今度は胸元に鼻を寄せた。

 

サトコ

「そ、そこは匂いを付けなくても!」

 

加賀

うるせぇ

 

両手で胸を包み込むと、まるで堪能するかのようにその手がうごめく。

小さな嬌声がバスルームに響き、必死の声を我慢した。

 

(‥加賀さんの顔が、胸元にある)

(なんか‥頭、撫でたくなってきた)

 

甘えているようにも見える加賀さんの行動が可愛くて、そっと髪に触れる。

撫でようとしていることに気付いたのか、突然、少し強めに肌に吸い付かれた。

 

サトコ

「ひゃっ‥」

 

加賀

テメェには、こっちがお似合いだ

 

(‥キスマーク!)

 

サトコ

「み、見えるところはダメです‥!」

 

加賀

知るか

 

サトコ

「加賀さっ‥」

 

私の腰を抱きしめると、加賀さんが肌を貪る。

水音がバスルームを満たし、お互いの熱を高めるのに充分だった‥

 

to  be  continued

 

 

 

 

愛でとろける3日間 1話


 

DAY1 :通話中の秘め事

 

最近忙しかった加賀さんとの久しぶりのデート、その場所は‥

 

【ホテル】

(‥ホテル!)

 

サトコ

「いや、確かに『加賀さんがゆっくりできるところがいいです』って言いましたけど」

 

加賀

あ?

 

サトコ

「な、なんでもないです‥」

 

(でも、まさか昼間っからこんな‥)

(なんていうか、背徳感みたいなものが‥)

 

加賀

なに突っ立ってやがる

 

サトコ

「いえ、その‥」

「えーと、け、刑事たる者、真っ昼間からこのような施設にですね‥」

 

しどろもどろになりながら、妙に恥ずかしくてベッドから目を逸らす。

でも加賀さんはそれすら許してくれず、私の腕をつかんで自分の方へ引き寄せた。

 

加賀

今日はオフだ。刑事じゃねぇ

 

サトコ

「そうですけど、でも‥」

 

加賀

何週間ぶりだと思ってんだ

‥堪能させろ

 

サトコ

「‥‥!」

 

普段弱みを見せない加賀さんにそんなふうに言われると、抵抗する気もなくなってしまう。

返事に困っている間にベッドに押し倒され、少し性急な様子で口を塞がれた。

 

サトコ

「も、もう少し、ゆっくり‥!」

 

加賀

そんな余裕ねぇ

 

(余裕がない‥!?加賀さんに!?)

 

それ以上私に抵抗させないように、加賀さんが濡れた舌を潜り込ませてくる。

巧みに舌を絡め取られ吸い付かれると、ぴくりと身体が震えた。

 

(こんなの、ずるい‥)

(余裕がない、なんて‥そんなキスじゃない)

 

私の反応を見ながら、加賀さんが服の裾を押し上げる。

指で肌をなぞられ、腰が跳ねる‥

 

加賀

いい反応だな

 

サトコ

「っ‥‥」

 

加賀

テメェも発情してたのか

 

久しぶりにもたらされる快感に、言葉も返せない。

必死に加賀さんのキスに応えていると、

まるで私たちを嘲笑うかのように携帯が鳴った。

 

加賀

‥‥‥

 

サトコ

「‥か、加賀さんの携帯ですよ」

 

加賀

‥‥‥

 

サトコ

「加賀さん‥あの、電話‥」

 

加賀

‥チッ

 

不機嫌そうに舌打ちすると、私から身体を離して加賀さんが起き上がる。

肌に指と唇の温もりと感覚を残されて、なんだか妙に体の芯が熱い。

 

(仕事の電話かな‥?もしかして、これから仕事だったりして‥)

(いや、久しぶりのオフなんだから、いくらなんでも、そんな)

 

乱された服を直しながら、携帯を持ち上げる加賀さんを眺める。

でもその画面を見て、なぜか加賀さんが一瞬、眉をひそめた。

 

サトコ

「ど、どうしたんですか?」

 

加賀

‥難波さんからだ

 

サトコ

「えっ‥」

 

(ってことは、まさか本当に‥)

 

 


 

 

 

【学校 個別教官室】

予想は的中して、加賀さんはオフを切り上げて仕事のため公安学校へやってきた。

学校に入る以上は、加賀さんも私も制服に着替えて教官室へ入る。

 

(今日の常任教官が体調不良で休みだから、急ぎの仕事を変わって欲しい、って)

(室長から頼まれたら、いくら加賀さんでも断れないよね)

 

サトコ

「えーと‥送られてくる資料を確認して、室長に送信するんでしたっけ」

 

加賀

ああ

 

簡単な仕事ではあるけど、きっと機密事項で他の人には頼めないのだろう。

だから室長もわざわざ、加賀さんに連絡してきたのかもしれない。

 

(ついてきたのはいいけど、何もすることないな‥)

(でも、ここでこうしてるのももったいないし)

 

<選択してください>

A: 手伝うことないですか

サトコ

「何か、手伝うことないですか?」

 

加賀

ねぇ

 

サトコ

「一蹴‥」

 

加賀

テメェには、あとで仕事が待ってる

 

(仕事‥?なんのことだろ?)

B: マッサージします

サトコ

「加賀さん、オフが返上になって疲れてますよね?マッサージしますよ」

 

加賀

いらねぇ

 

サトコ

「でも、せっかくの休みだったのに‥」

 

加賀

あとで、別の方法で疲れを取る

 

(別の方法‥?お風呂とかかな‥?)

C: 応援を呼びましょうか

サトコ

「あ!応援を呼んで、早く終わらせるようにしましょうか」

 

加賀

応援?

 

サトコ

「はい。石神教官とか、東雲教官とか」

 

加賀

‥堂々と他の男の名前を出すとは、偉くなったもんだな

 

(他の男!?教官の名前すら呼んじゃダメなの‥!?)

 

結局、送られてきた書類に目を通すと加賀さんはさっさとそれを室長へと送った。

それで仕事は終わりで、なんとなく拍子抜けしてしまう。

 

サトコ

「私、何の役にも立てなくてすみません‥」

 

加賀

テメェが今日の仕事の役に立つなんざ思ってねぇ

 

サトコ

「ハイ‥」

 

加賀

仕事以外に、他に出来ることがあんだろうが

 

問い返す間もなく、加賀さんが顎に手を添える。

上を向かされて、鋭い視線に射抜かれた。

 

サトコ

「出来ることって、まさか‥」

 

加賀

さっきの続きに決まってんだろ

 

(やっぱり‥!でも続きって)

 

サトコ

「こ、ここで‥ですか‥?」

 

その言葉に、キスで返事を返される。

さっきよりも性急さは消えていたけど、何度も貪るように口づけられて気持ちが追いつかない。

 

(ここ、教官室‥!)

(いくら他の教官たちがいないからって、いつ誰が入ってくるか)

 

加賀

集中しろ

 

ドアの外が気になる私に気付いたのか、加賀さんが耳元で低く囁いた。

その手を腰に添えて、わざと自分の身体と密着させる。

 

サトコ

「っ‥‥だって‥」

 

加賀

他の奴らも、今日は休みだ

無断で入ってくる奴なんざ、いねぇ

 

 

いつも肌をまさぐる大きな手が、私の制服のボタンを外す。

恥ずかしくて押さえようとすると手首を掴まれて、そうさせてもらえない。

 

サトコ

「ま、待ってください‥」

 

加賀

聞こえねぇな

 

 

 

シャツを腰まで下ろすと、加賀さんが口の端を持ち上げながら肩にキスをする。

 

サトコ

「あの、続きならせめて他の場所でっ‥」

 

加賀

それまで待てるか

 

さっき途中で邪魔されたせいか、加賀さんの瞳にはまだ熱が残っている気がする。

肌を噛むような肩へのキスに、思わずのけぞって加賀さんにしがみついた。

 

加賀

珍しく積極的だな

 

サトコ

「ち、ちが‥」

 

 

この状況を愉しむかのように、加賀さんの手が太ももの内側をなぞる。

首筋、鎖骨、胸元へと唇が下りてきて、その指が私を酔わせる‥

 

(ダメ‥わかってるのに、抗えない)

(加賀さんにこんなふうに触られたら、もう‥)

 

嬌声がこぼれそうになるのを、必死に堪える。

でもその態度が加賀さんに火をつけたのか、さらに奥を求められた。

 

サトコ

「っ‥‥ーーーー!」

「か、がさっ‥」

 

揺さぶられて涙があふれたとき、

再び加賀さんの携帯が鳴った。

でも、さっきのように『電話ですよ』なんて知らせる余裕はない。

 

(声がっ‥堪えられな‥っ)

 

涙を浮かべて、必死に首を振る。

私の身体に熱を移しながら、加賀さんは手を伸ばしてデスクの上の携帯を取った。

 

(えっ‥)

 

加賀さんの行動を認識する余裕すらない。

その間に、加賀さんは通話ボタンを押した。

 

加賀

加賀です

 

サトコ

「!?」

 

加賀

ああ‥難波さん。お疲れ様です

 

(しっ、室長!?)

(いや、っていうかその前に‥何でこの状況で電話に出るの‥!?)

 

室長と電話している間にも、加賀さんの動きは止まらない。

わざと私に電話越しの声が聞こえるように、耳元に携帯を近づけた。

 

難波

いやー、休みの日に悪かったな

ファイル、無事に届いたからその連絡だ

 

加賀

そうですか

 

難波

今日は土曜でたまたまみんな休みだし、どうしようかと思ってたんだよ

 

(加賀さん‥!わかりました、もうわかりましたから)

(とりあえずいったん、ブレイクダウンで‥)

 

加賀

他に必要なファイルはないですか

‥ええ。そうですか

 

いつもの声音で話す加賀さんは、電話しながら平然と私を攻め立てる。

 

サトコ

「っ‥‥!っ‥‥!」

 

加賀

わかりました。ああ、そういえばこの間の報告書ですが

 

(電話、切って‥!)

 

必死に懇願したけど、加賀さんはそのつもりはないらしい。

波のように押し寄せる快感に甘い声がこぼれそうになり、咄嗟に手で口を押える。

 

加賀

‥‥‥

 

でもそれをみた加賀さんは意地悪に笑い、空いている方の手で私の手首をつかんだ。

 

サトコ

「---!」

 

首を振っても、加賀さんは口の端を持ち上げるばかりでやめてくれない。

 

(なんで、こんな意地悪っ‥)

(もし、室長に気付かれたら‥!)

 

加賀

ああ、大丈夫です

そうですね。今後の捜査で必要になりますから

 

サトコ

「っ‥‥ぁっ」

 

電話の合間に、加賀さんが私の肌に舌を這わせた。

指が敏感なところをなぞって、私を喘がせようとする。

 

(き、鬼畜‥!ドS!)

(なんでこんなに、愉しそうなの‥!?)

 

サトコ

「んっ‥や、ぁ‥」

 

堪えても堪えても与えられる快感に、ついに声がこぼれる。

それを聞いた加賀さんは気を良くしたように、攻め立てる手を止めた。

 

加賀

ずいぶんと堪えたな

 

サトコ

「‥え?」

 

その言葉は、どうやら電話の向こうの室長ではなく、私に向けられた言葉らしい。

ぼんやりしながら加賀さんを見ると、携帯を耳にあてられた。

 

(な、なんで‥!?この状況で、室長と話すなんて)

 

電話から逃げようとした時、向こうの音が聞こえて来た。

そう‥声ではなく、音が。

 

サトコ

「‥切れてる!?」

 

加賀

クズが。この程度も見抜けねぇとはな

だからテメェは、落ちこぼれだって言ってんだ

 

<選択してください>

A: そんな余裕なかった

サトコ

「そんな余裕なんてなかったですよ‥!」

 

加賀

ずいぶんとよさそうだったしな

 

サトコ

「よさそっ‥!?」

「そ、それは、加賀さんが‥!」

 

加賀

室長に聞かれてるかもしれねぇと思って、興奮したか

 

(そういうことじゃないのに‥!)

B: いつから切れてたの?

サトコ

「い、いつから切れてたんですか‥!?」

 

加賀

さあな

 

サトコ

「大事なことですよ‥!」

 

(声がこぼれた時、もう切れてた‥?それとも、まだつながってた!?)

C: 鬼ですか?

サトコ

「鬼ですか‥!?それとも悪魔ですか!?」

 

加賀

両方かもな

おかげで、いいもん見せてもらった

 

(いいものって、私が我慢してるところ!?)

 

サトコ

「本当につながってると思って、必死だったのに‥!」

 

加賀

他の男に、テメェの声を聞かせるわけねぇだろ

 

サトコ

「‥え?」

 

(それって、他の男には “聞かせたくない” ってこと‥?)

 

いつも私を辱める加賀さんの独占欲を垣間見た気がして、思わず頬が緩む。

 

加賀

マヌケな面してんじゃねぇ

‥ずいぶん余裕あるみてぇだな

 

ゾクリとする笑みを浮かべて、加賀さんがゆっくりと手を伸ばす。

すでも壁際に追い詰められているので、もう逃げ場がない。

 

加賀

次にかかってきても、もう出ねぇ

 

サトコ

「し、仕事の電話だったら‥?」

 

加賀

休みの日にここまで来たんだ。もう充分だろ

俺が出なきゃ、他の奴に連絡が行く

 

乱れたままのシャツを着ている私の腕をつかみ、加賀さんが自分の方へと引き寄せた。

 

加賀

これでもう、邪魔は入らねぇ

存分に聞かせてもらおうじゃねぇか

 

サトコ

「それって‥」

 

艶の乗った声でささやかれて、再び加賀さんの唇と指が奥を攻め立てる‥

 

サトコ

「こ、今度室長に会ったら、どんな顔すれば‥」

 

加賀

どこまで聞こえてましたかって、聞きゃいいじゃねぇか

 

サトコ

「そんなことできません‥!」

 

加賀

‥俺といるときに、他の男のことなんざ考えんじゃねぇ

躾のし直しだな

 

サトコ

「ぁ、あっ‥」

 

自分の声が、驚くほど甘いことに気付く。

さっきまで激しく攻められていた身体はすぐに反応を始めて、とろけてしまう。

 

加賀

いい声だ

 

サトコ

「んっ‥ん、っ‥!」

 

加賀

我慢すんなって言ってんだろ

 

肩に顔を埋めて必死に堪える私の顔を上げさせて、加賀さんが至近距離で見つめてくる。

すべてをさらけ出させようとする視線に射抜かれて、逃げることができない‥

 

(こんなひどい教官も、恋人も、どこを探してもいない‥)

(なのに、怒るどころか‥どんどん好きになっていく)

 

限界まで声を我慢する私に、加賀さんが不服そうに眉をひそめた。

熱が残る肌を執拗にもてあそばれ、制服が乱れていく。

 

サトコ

「んっ‥ぁ、あっ」

 

加賀

できるじゃねぇか

今は、我慢する時間じゃねぇ

‥‥俺に聞かせる時間だ

 

サトコ

「加賀、さっ‥」

 

快感の涙と一緒に、甘えるような声が教官室を満たす。

何度かお預けを食ったせいか、加賀さんは飽きることなく、私の熱を貪った。

 

to  be  continued

 

 

ハニートラップ 【東雲】


 

【デパート】

(か、買っちゃった‥!)

 

デパートを出た私はコスメブランドの紙袋を握りしめた。

中には新商品のグロスが入っている。

 

(『キスで見返せ』っていうCMのコピーがカッコイイんだよね)

(人気の色にしたし、これで間違いない‥はず!)

 

普段は化粧品をあまり買い足さない私が、なぜこんな物を購入したかというと‥

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