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後藤 キス

キス&Kiss 【1】

「不意打ちのキス」

【路地裏】

後藤

このまま戻っていいそうだ

後藤さんは携帯をしまいながら、私にそう告げた。

サトコ

「今日はハードでしたね」

後藤

ああ‥

後藤さんはネクタイの結び目に手を掛けると、少しけだるそうに緩める。

そんな何気ない仕草が、目に留まって‥

(かっこいいな‥)

後藤

‥どうした?

サトコ

「あっ、いえ‥なんでもありません!」

頬に熱が上がるのを感じ、パッと目を逸らす。

後藤

なんでもなさそうには見えないが‥

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‥俺に言えないことか?

サトコ

「そ、そんなんじゃ‥!」

心配そうな声音に観念して、おずおずと口を開く。

サトコ

「ただ、その‥後藤さんがかっこよくて、つい‥」

後藤

は‥?

サトコ

「ね、ネクタイを緩める姿が‥かっこよかったんです!」

後藤

‥‥‥

(ヘンなこと言っちゃったかな‥?)

後藤

‥サトコ

サトコ

「っ!?」

ふいに顔を覗き込まれ、唇に温かいものが触れた。

触れるだけのキスはすぐに終わりを告げ、ゆっくりと顔が離れていく。

サトコ

「ご、後藤さん!こんなところで‥」

(もし、誰かに見られたら‥)

キョロキョロと辺りを見回すも、私たち以外の姿はない。

後藤

アンタが可愛かったから

サトコ

「あっ‥」

後藤さんは私の肩を抱き寄せ、唇をそっと撫でる。

後藤

‥あんな顔されて、我慢できるわけないだろ

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そしてもう一度‥今度は先ほどよりも、長い口づけが贈られた。

to be continued

キス&Kiss 【2】

「小さな我儘にキス」

【車内】

助手席に乗り、シートベルトを締める。

チラリと後藤さんを見ると、先ほどのキスが脳裏を過った。

(なんだか、気恥ずかしいな‥)

ぼーっと後藤さんを見てると、ふと目が合う。

後藤

なんだ?

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サトコ

「あっ、いえ‥今日の捜査は緊張してばかりだったなって」

後藤

長時間張り込んでいたからな

なかなか動きがなくて、どうなることかと思ったが‥

捜査が無事に終わったのも、アンタの機転のおかげだな

後藤さんはフッと笑みを浮かべ、私の頭にポンッと手を乗せる。

後藤

よくやった

サトコ

「っ、はい!」

後藤さんに褒められ、胸がくすぐったくなる。

(我ながら、単純だと思うけど‥)

先ほどまでの疲れが、後藤さんのひと言でどこかに飛んでいくように感じる。

後藤

今日は疲れただろ?寮に戻ったら、すぐに休めよ

サトコ

「っ‥」

後藤さんの言葉に、不意に寂しさが込み上げる。

(帰りたくない‥)

捜査のためとはいえ、一日中一緒にいたせいかもしれない。

(もっと後藤さんと一緒にいたいな‥)

後藤

そろそろ行くか

後藤さんが車のキーを差し込むと‥

サトコ

「あっ‥」

後藤

‥‥‥

思わず声を上げてしまい、後藤さんと視線が絡み合った。

後藤

‥‥‥

私たちの間に、沈黙が降りる。

しばらくの間見つめ合っていると、後藤さんの手が伸ばされて‥‥

サトコ

「ん‥」

頭の後ろに手を添えられ、唇が重なった。

優しいキスに、温かい気持ちが心を満たしていく。

後藤

‥そんな顔されると、帰せなくなる

唇が離れると、後藤さんはわずかに視線を逸らしながら呟く。

そして車のエンジンをかけ、寮とは反対の方へ車を走らせた。

サトコ

「後藤さん‥?」

(どこに向かっているんだろう?)

首を傾げる私に、後藤さんはフッと微笑む。

後藤

言っただろう?帰せなくなる、って

to be continued

キス&Kiss 【3】

「待ちきれないキス」

【後藤 マンション】

サトコ

「お風呂、ありがとうございます」

後藤

ああ

タオルで軽く髪を拭くと、ドライヤーを借りて乾かす。

あの後、車が向かった先は、後藤さんの家だった。

(なかなか乾かないな‥)

ドライヤーに苦戦していると‥

後藤

サトコ

突然、後ろから抱きしめられた。

頭の後ろに、コツンと後藤さんの額が当たった感覚がする。

後藤

‥アンタ、いい匂いだな

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サトコ

「ふふ、後藤さんと同じ匂いですよ」

後藤

同じ匂い、か‥

後藤さんはギュッと腕に力を込め、私の肩に顔を埋める。

(なんだか、甘えているみたい)

(可愛いな‥)

愛しさが込み上げ、気付いたら後藤さんの額にキスを落としていた。

後藤

‥‥‥

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後藤さんは驚いたように顔を上げ、頬を赤らめる。

後藤

そういうのは‥反則だ

サトコ

「っ‥」

今度は正面から私を抱き、鼻や目元、頬へキスを落とされた。

幾度なく唇が触れ、私はゆっくりと瞼を閉じる。

サトコ

「ん‥」

最後に唇が塞がれ、私は後藤さんの服をキュッと掴んだ。

くっついたり離れたり‥時には深く繋がるキスは、まるで子どもがじゃれ合うようで‥

サトコ

「ふふ‥」

キスが終わりを見せると、私たちはおでこを合わせて笑い合った。

後藤

もう、乾いただろ?

サトコ

「あっ‥」

後藤さんはドライヤーの電源を切ると、私を抱きかかえる。

【寝室】

サトコ

「ん‥」

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ベッドに優しく降ろされると、すぐに唇が繋がった。

角度を変え、優しくも激しいキスに翻弄される。

後藤

サトコ‥

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キスの合間に甘い声音で名前を呼ばれ、心臓が早鐘を打つ。

サトコ

「後藤、さ‥」

愛しい名前を呼び返そうとするも、唇で遮られる。

とろけるようなキスは、甘い夜の始まりを告げていた。

Happy  End

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