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総選挙2016公約達成 東雲1話

東雲×ほろ酔い肉食 「オレの理性が飛んだ夜」

サトコ

「う‥ん‥」

(あれ‥ここは‥)

【居酒屋】

東雲

バカ。飲み過ぎ

(え‥)

東雲

なに、その顔

そんな、とろけた目をして‥オレのこと誘ってんの?

(え、誘‥?)

東雲

いいよ

だったら誘われてあげる。キミに

そのおいしそうな唇‥

ちょうだい、オレに

(よ‥)

【資料室】

サトコ

「よろこんでーっ」

???

「うわああっ!」

(‥え?)

宮山

「な、なななんですか、いきなり抱きついたりして‥」

(え‥)

サトコ

「うわっ、ごめん!間違えた!」

宮山

「‥『間違えた』って誰とですか?」

「まさか東雲教官じゃないですよね?」

(げ‥)

サトコ

「え、ええと‥その‥」

「そ、そう言えばオリエンテーリングの説明をするんだったよね!」

「ま、まずは資料を‥」

宮山

「下手くそすぎ」

(うっ‥)

宮山

「まぁ、いいですけど」

「それより先輩、おでこに付箋が貼ってありますよ」

サトコ

「付箋?」

宮山

「これです」

サトコ

「ありがと‥」

(なんで、おでこに付箋が‥)

サトコ

「ええと『今日中によろしく』‥」

(ん?この字は‥)

宮山

「へぇ、居酒屋の予約ですか」

「『〇月×日・20時~・完全個室7人・海鮮系』‥」

「『駅近・喰うログ★3.8以上』‥」

「『比較検討するため3件はピックアップすること』‥」

「合コンでもするんですかね、東雲教官」

(なっ‥)

サトコ

「そんなはずないよ!まさか合コンなんて‥」

宮山

「でも『駅近』『完全個室』『海鮮系』なんて合コン仕様でしょう」

「男同士の飲み会なら『飲み放題』が絶対条件に入るでしょうし」

(うっ、鋭い‥)

サトコ

「で、でも、ほら‥予約は『7人』で奇数だよ?」

宮山

「1人で2人『お持ち帰り』の可能性もあるでしょう」

「東雲教官のこれまでの合コンお持ち帰り率は87%だそうですし」

(なに、その生々しい数字)

(ていうか‥)

サトコ

「なんで宮山くんがそんなこと知ってるの?」

宮山

「決まってるでしょう。調べたからですよ」

「これでも公安刑事のタマゴですから」

(ぐっ‥)

(なんというスキルの無駄遣い‥)

宮山

「ところでお店ですけど‥」

「この西洋風居酒屋なんてどうですか?」

サトコ

「えっ、調べてくれたの?」

宮山

「ええ。先輩の負担が少しでも減ればと思って」

(み、宮山くん‥)

(なんてデキた後輩‥)

宮山

「ちなみにこの居酒屋ですが、合コン成功率は98%」

「東雲教官のスキルがあれば、さらに成功率が高まって‥」

サトコ

「だから合コンじゃないってば!」

宮山

「でも、東雲教官のお持ち帰り率は‥」

サトコ

「あーあーあー、聞いてない聞いてない聞いてない‥」

ともあれ、宮山くんのおかげで「居酒屋」のピックアップはすぐに終わり‥

【教官室】

その日の夜。

サトコ

「失礼します」

「頼まれていた資料を持ってきました」

東雲

へぇ、キミにしては早かったね

まずは見せて

サトコ

「どうぞ」

(‥まさかとは思うけど合コンじゃないよね)

(か、仮に「合コン」だったとしても絶対に仕事絡みのはず‥)

(そうだよ、過去がどんなにすごかったとしても、今は「私」という存在が‥)

東雲

‥なにこれ

この3軒目の『オレンジジュース飲み放題』って

サトコ

「ああ、そこ‥四国の名産品に特化したお店らしくて」

「特にオレンジジュースがおいしいって評判なんだそうです」

東雲

‥‥‥

サトコ

「ちなみに、飲み放題メニューにはないんですけど‥」

「このお店イチオシの『俺のオレ★ジュ』っていうオレンジジュースが‥」

「本当にもう絶品らしくて‥」

東雲

却下

サトコ

「えっ」

東雲

ありえないから、3軒目は

サトコ

「‥はぁ‥」

(そっか‥私的には3軒目が一番オススメだったんだけどなぁ)

(「讃岐うどんカルボナーラ」とか「超絶まけまけ丼」とか美味しそうだし)

(あと、カツオの‥)

???

「んー、いいねぇ。『カツオのネギまみれ』‥」

(えっ)

難波

やっぱ、この時期はカツオだよなぁ

(室長‥!)

サトコ

「そうですよね!戻りカツオ、美味しいですし」

東雲

ちょ、キミ‥

難波

はは‥なんだ、氷川もカツオが好きか

サトコ

「はい!」

難波

だったらお前も飲み会に参加だな

(えっ?)

難波

歩、参加者1人追加だ

店は、その3軒目のトコでよろしくな

(え、あれ‥ほんとに?)

東雲

‥だそうだから

予約しておいて。オレの名前で

サトコ

「あの‥本当に私が参加しても‥」

東雲

いいんじゃない。主催者がそう言ってるんだし

もっとも『紅一点』がキミだなんて、ほんと、しょぼすぎるけど

(「紅一点」‥私が‥)

(ってことは、最初から「男の人だけの飲み会」だったわけで‥)

(つまり「合コン」じゃないわけで‥)

サトコ

「よし!」

東雲

‥え、なに

そんなに飲みたかったの?オレンジジュース

サトコ

「い、いえ‥」

「それより、お店を予約しておきますね」

(あーなんか元気が出てきた)

(室長主催の飲み会、楽しみだなぁ)

東雲

‥‥‥

【居酒屋】

そんなわけで‥

黒澤

皆さーん、グラスを持ってくださーい

後藤

‥‥‥

石神

‥‥‥

加賀

‥‥‥

東雲

‥‥‥

颯馬

‥‥‥

難波

よし、持ったぞー

(なんか‥参加者の温度差が‥)

黒澤

それでは、乾杯の音頭をこのたびの主催者である難波‥

難波

よしよーし、みんな、グラスを持ったな

黒澤

ちょ‥難波さん!オレ、まだ途中だったのに‥

難波

まあまあ、気にするな

明日は久しぶりに全員非番だ

ということで今日は無礼講だ!思う存分、飲め!

カンパーイ!

全員

「‥乾杯」

サトコ

「か、乾杯‥」

(すごい‥こんなにテンション低い飲み会、初めてだな)

(まぁ、でも‥)

(石神教官と加賀教官は、アレが通常営業だし)

(「チーム・おっ」‥)

(‥室長と颯馬教官は、割と楽しそうだし)

後藤

おい、よせ

黒澤

そう言わずに‥今日は特別サービスですから

ハイ、あーん‥

(‥うん、あそこもたぶん通常営業‥)

東雲

‥‥‥

(あ、教官‥)

サトコ

「おつかれさまです」

東雲

‥‥‥

サトコ

「‥あの、なにか?」

東雲

アルコールは?飲まないの?

サトコ

「はい、まぁ‥今日は控えようと思って」

東雲

なんで?

<選択してください>

A: 酔うとマズイから

サトコ

「教官たちの前で酔っ払うのはマズイと思いまして」

東雲

ああ‥キミ、ひどかったよね

ハジメテくんと飲んだ時

(うっ‥)

サトコ

「あ、あの時のことは忘れてください!」

東雲

そう言われてもね

データが残ってるし。ほら

(な、なんで酔いつぶれてる写真が‥!)

(しかも、よだれまで‥!)

B: オレ★ジュを飲みたくて

サトコ

「オレ★ジュを飲みたくて」

東雲

オレジュ?

サトコ

「この間話したお店イチオシのオレンジジュースですよ」

「『俺のオレ★ジュ』っていう‥」

東雲

‥‥‥

サトコ

「あ、せっかくだから教官も一緒に‥」

東雲

ピーチフィズ

サトコ

「えっ?」

東雲

ピーチフィズ追加で

(「ピーチフィズ」って‥)

(やっぱり女子力高いなぁ、教官って)

C: お泊りだから

サトコ

「そ、それは、その‥」

「今日はお泊りですし‥」

東雲

‥‥‥

サトコ

「だから、なんていうか‥」

「あまり酔っ払いたくないなぁ、なんて」

東雲

‥‥‥‥バカ

サトコ

「‥っ」

(て、ててて、手‥っ)

(テーブルの下で繋いでくるとか‥)

サトコ

「きょ、教官‥」

東雲

うるさい。いちいち動揺するな

サトコ

「は、はいっ」

(これ、大丈夫だよね?)

(他の教官たちに見られてるなんてことは‥)

難波

おーい、そこのひよっこ!

いきなり、ふらふらと室長が近づいてきた。

難波

なに飲んでるんだ?

オレンジ色のビールか?それともオレンジ色の日本酒か?

サトコ

「いえ、ふつうのオレンジジュースで‥」

難波

おー、そうかそうか

だったらこれも飲まないとな

ドンッ!とテーブルに置かれたのは、見覚えのあるカクテルだ。

サトコ

「こ、これってもしかして‥」

難波

なんだ、知ってるのかー?

かの有名な『電気ブラン』だぞー?

(やっぱり!)

(これのせいで酔っ払って、教官に迎えに来てもらうはめに‥)

難波

さあ、飲め!

サトコ

「いえ、私は‥」

難波

なんだー?オッサンの酒は飲めないってか?

サトコ

「いえ、そういうわけじゃ‥」

ドンッ!

サトコ

「あ、すみま‥」

(ひ‥っ)

加賀

‥なんだ、テメェ

サトコ

「いえ、その‥」

難波

加賀ー、聞いてくれよー

氷川が俺の酒を嫌がるんだよー

『オッサンだから』って、さっきから‥

サトコ

「べ、べつにそんな理由で嫌がってるわけじゃ‥」

加賀

だったら飲め

サトコ

「いえ、さすがにこれは‥」

難波

加賀ー、説得してくれよー

加賀

‥‥‥

‥歩

東雲

冗談でしょう。オレはピーチフィズで十分です

難波

なんだよー。歩まで俺を拒否するのかよー

じゃあ、やっぱり氷川‥

サトコ

「ですから私は‥」

後藤

室長、俺がいただきます

(えっ、後藤教官?)

難波

おお‥後藤ぉ‥

(うわっ、後藤教官に抱きついた!?)

後藤

室長、いったん離れてもらえますか?このままでは飲めません

難波

お、おお‥それもそうだな

サトコ

「あの‥本当にいいんですか?」

「これ、かなり強いお酒ですけど‥」

後藤

知ってる

だからこそ、教え子に飲ませるわけにはいかないだろう

(後藤教官‥)

サトコ

「すみません。じゃあ、お願い‥」

東雲

待って

(えっ)

東雲

それ、オレが飲みます

後藤

だが‥

東雲

ご心配なく。先輩に尻拭いさせるわけにはいきませんし

何より彼女は、オレの補佐官ですから

さり気なく告げられたその言葉に、私は慌てて下を向いた。

(どうしよう、顔がニヤけるんですけど!)

(だって「オレの」って‥「オレの補佐官」って‥)

(あの教官が‥)

全員

「「ああっ!」」

珍しく慌てた様子教官たちの声が、私を現実世界へと引き戻した。

(あれ‥「電気ブラン」のグラスが空っぽ‥)

(‥まさか!)

難波

おお、えらいえらい!見事な飲みっぷりだったぞー。歩!

東雲

‥‥‥

難波

じゃあ、次は‥

黒澤、ウォッカを2杯だ!

黒澤

かしこまりましたー

(ウォッカもかなり強いお酒だよね?)

(これ‥もしかしなくてもマズイんじゃ‥)

果たして30分後‥

東雲

ひょーごしゃーん‥」

加賀

‥‥‥

東雲

ひょーごしゃー‥もう飲めな‥

後藤

おい、歩‥

颯馬

これはなかなか貴重な光景ですね

黒澤

そのとおり!まさにレア中のレアですよ!

今のうちに写真におさめておかないと‥

(まさか、この間の夢とは逆のシチュエーションになるなんて‥)

(でも、これ‥かなりマズイ気が‥)

石神

氷川、ちょっと来てくれ

(石神教官?)

呼ばれるまま、個室の隅に行くと、1通の封筒を渡された。

石神

飲んでいるところ悪いが、東雲を連れて帰ってくれ

サトコ

「えっ、今すぐにですか?」

石神

ああ。これ以上、酔っ払うと手に負えない

タクシー代はこの封筒の中にある

足りなかった場合は後日請求してくれ

サトコ

「‥わかりました」

【店外】

そんなわけで‥

サトコ

「教官!教官、こっちです」

東雲

んー‥

ひょごしゃん‥

サトコ

「加賀教官じゃありません。氷川です」

「とにかく早くタクシーに乗ってください」

東雲

んー

黒澤

いやぁ、ほんとにレアですよね。こんな歩さん

せっかくだからもう1枚‥

石神

いい加減にしろ、黒澤

黒澤

痛っ

サトコ

「それじゃ、お先に失礼します」

東雲

バイバーイ‥とおりゅ、がみぃ‥

石神

!?

黒澤

もう!かーわーいーいー!

こうしてタクシーに乗ること20分‥

サトコ

「よい‥しょ‥」

「よい‥しょ‥っと」

「教官、鍵は‥」

東雲

これ‥

サトコ

「この一番大きな鍵ですよね?」

東雲

んー

(やった‥ようやく‥)

【玄関】

サトコ

「着いたーっ」

東雲

‥‥‥

サトコ

「さ、教官‥靴を脱いでくださいね」

「あとは寝室で着替えて‥」

(ちょ‥)

(ここで倒れ込むなんて!)

サトコ

「ダメです、教官!起きてください!」

東雲

んー

サトコ

「このままだと風邪をひきますから」

「ちゃんと着替えて、ベッドで眠らないと」

東雲

んー‥

サトコ

「ほら、今から手を引っ張りますから、ちゃんと起きてください」

「いいですか、せーの‥」

(えっ‥)

サトコ

「うわっ」

教官を押しつぶさないように、ギリギリのところでなんとか手をついた。

それなのに、教官の手は私の背中にまわされていて‥

東雲

んー‥

サトコ

「あ、あの‥教官‥?」

東雲

足‥‥‥

サトコ

「え‥」

東雲

や‥ら‥‥かい‥‥

(やら‥?えっ?)

(今、なんて‥)

サトコ

「ひゃっ‥」

(だ、だから‥さっきから足がぶつかって‥)

(ダメ、動かさないで‥)

サトコ

「教官‥っ」

東雲

ん‥?

(や‥だからダメ‥)

(ほんとに‥)

サトコ

「足はダメですってばーっ!」

「はぁ‥はぁ‥」

東雲

‥?

サトコ

「な、なんですか、そんなキョトンとして‥」

「まさか、私のこと、さ‥」

「さささ誘ってる‥とか‥」

東雲

んー‥ほし‥

サトコ

「!」

東雲

ちょーだい‥オレに‥

(こ、これって本気で?)

(いや、でも、実は「水を欲しい」みたいなオチとか‥)

東雲

‥‥‥

(‥わかんない!この顔はどっち?)

サトコ

「え、ええと‥」

「とりあえず、その‥ここにいると風邪をひきそうですし‥」

「し、寝室に行きましょうか?」

東雲

うん

サトコ

「!?」

東雲

じゃ、行こ

(そ、そんな、首を傾げてニコッて‥)

サトコ

「夢‥」

(そうだ、きっと夢だ、これ‥)

(たぶん、この後ベッドに連れていかれて‥)

(押し倒されたところで「夢でした」ってオチ‥)

【寝室】

(‥じゃなかったー!)

東雲

うーん‥

うーん‥‥

サトコ

「あ、あの‥」

東雲

外せない‥

ね‥ブラウスのボタン‥

サトコ

「は、はぁ‥」

(‥どうしよう)

(これ現実だ。夢なんかじゃなかった)

東雲

あ‥

外せた‥

サトコ

「そ、そうですね。外せましたね、ボタン‥」

(‥じゃなくて!)

(マズイってば!そろそろ止めないと)

(さすがに、ボタン全部外されたらシャレにならないな‥)

東雲

できた

サトコ

「!!!」

(いつの間に!?)

サトコ

「ま、待ってください、教官!あの‥」

東雲

白‥

サトコ

「え‥」

東雲

白いね‥ここ‥

サトコ

「『ここ』‥?」

「ん‥っ」

キャミソールに隠れていない部分を、ちゅうと強く吸い上げられる。

久しぶりの甘い刺激に、身体は素直に震えてしまって‥

(うわ‥だから‥っ)

(ダメだってば‥これ以上は‥)

東雲

んー

(ほ、ほんとに‥もう‥)

東雲

かわい‥

サトコ

「!」

東雲

かわい‥ね‥キミ‥

(「かわいい」‥)

(今、言ったよね?間違いなく「かわいい」って‥)

(かわいい‥カワイイ‥Kawaii‥)

(ダメだ‥頭の中が混乱して‥)

するん、とキャミソールの肩紐を半分落とされた。

驚いて我に返ると、教官の唇が微妙なラインに吸い付こうとしていた。

サトコ

「ちょ‥待って!ストップ!」

東雲

‥?

サトコ

「あ、あの‥っ」

「教官、私のこと‥」

<選択してください>

A: どうするつもり?

サトコ

「どうするつもりですか?」

東雲

んー

サトコ

「このあと、私のこと、どうしたいと‥」

東雲

んー‥

触りたい‥

サトコ

「え‥」

東雲

触るの‥ここに‥

(なっ‥)

サトコ

「ダメです、そこはさすがに‥」

「ぅ‥っ」

(舌‥!?)

(ず、ズルいよ‥舌で触れてくるなんて‥)

サトコ

「ふ‥ぅ‥っ」

(ああ、もう‥!)

B: 好きって言って

サトコ

「『好き』って言って‥」

東雲

‥‥‥

サトコ

「久しぶりに、その‥『好き』って聞きたいなぁ‥なんて‥」

東雲

‥‥‥

イヤ

サトコ

「‥っ!な、なんで‥」

東雲

はじゅかし‥

(え‥)

東雲

恥ずかし‥の‥

(こ、これは‥)

東雲

‥‥‥

(ど、どうしよう‥)

(こんな教官、初めてすぎて‥)

東雲

‥‥‥

(でも‥でも‥っ)

C: 抱くつもり?

サトコ

「だ、だだだ抱くつもり、とか‥」

東雲

ん‥!

(ちょ‥笑顔!)

東雲

抱くの‥

ほしーの‥

サトコ

「あ‥っ」

(な、なんでそんなところにキス‥っ)

東雲

ぜんぶ‥オレの‥

ここも‥

サトコ

「っ!」

東雲

こっち‥も‥

(ちょ‥や‥っ)

(教官、いろいろ的確すぎて‥)

(ああ、もう‥!)

サトコ

「わかりました!」

私は教官を抱きしめると、自分からベッドに横たわった。

サトコ

「決めました、覚悟できました!」

東雲

‥‥‥

サトコ

「さあ、好きにしてください!」

「氷川サトコ、今日は教官のすべてを受け止めて‥」

東雲

すぅ‥

(え‥?)

東雲

すぅ‥すぅ‥

サトコ

「‥‥‥」

東雲

すぅ‥‥

(‥ですよね)

(こういうオチですよねー)

サトコ

「いいもん、べつに」

(卒業前だし)

(教官、酔っ払ってるし)

ひとまず首に回していた腕を解いて、教官の下から抜け出そうとする。

ところが‥

東雲

んっ

サトコ

「‥っ」

東雲

ふふ‥んー‥

抜け出そうとしたとたん、がっちりホールドされてしまった身体。

無意識にそんなことをされてしまったら、これ以上動けるはずがない。

(ああ、もう‥)

(ズルいよ、こんなの‥)

サトコ

「あ、甘えん坊め‥」

(なんて‥)

起きていたら絶対に言えないことを口にして、私は再び教官を抱え直した。

(ま、いっか‥)

(こんな教官、めったに見られないし)

サラサラの髪の毛を撫でると、甘えるように顔を押し付けてきた。

こんな一面を見られるのも、間違いなく恋人の特権なのだ。

to  be  continued

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