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脱出ゲームご褒美ミニストーリー ~難波~

【難波 マンション】

無事に家へ帰ってくると、室長が私にシャワーを勧めてくれた。

難波

疲れただろ?先に入ってこい

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サトコ

「いえ、私よりも室長の方が」

難波

俺はあとでいい。今日はお前に助けられたしな

背中を押されて、つい恐縮してしまう。

サトコ

「すみません‥じゃあ、お言葉に甘えて」

難波

ああ。ゆっくり入ってこい

優しい室長の言葉に見送られ、脱衣所のドアを開けた。

【脱衣所】

脱衣所で服を脱ぎながら、今日の出来事を思い出す。

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(大変な一日だった‥でも、きっと室長の方が大変だったんだろうな)

(‥大変?いや、寝てたみたいだけど)

サトコ

「でもむしろ、あんな状況でも余裕に構えていられるのがすごい‥」

「やっぱり、修羅場をくぐってきた人は違うな‥」

改めて、室長のすごさを感じた一日だった。

【リビング】

急いでシャワーを浴びて戻ると、室長はソファでテレビを見ているところだった。

サトコ

「先にありがとうございました!室長、どうぞ」

難波

ん?もういいのか?

振り返った室長が、私の姿を見て少し驚いた顔になる。

待たせてはいけないと思って急いで入ったので、タオルを髪にかぶせたまま出てきてしまった。

サトコ

「はい!すっきりしました!」

難波

これじゃ、カラス‥いや、ひよっこの行水だな

もっとゆっくり入ってきてもよかったんだぞ?

立ち上がり私の前まで歩いて来ると、室長がタオルで髪をわしゃわしゃと拭いてくれた。

バサッと大きなバスタオルに勢いよく包まれて、息苦しいほどだった。

サトコ

「うっ‥しつちょっ‥く、苦し‥」

難波

おお、悪い悪い。かわいくて、つい‥

サトコ

「え!?」

難波

シャワーじゃなくて、風呂にすればよかったな

そうしたら、お前も気を遣わずもうちょっとのんびり入れただろ

サトコ

「い、いえ‥そんな」

(っていうかその前に、今‥『かわいい』って言った!?)

(も、もう一回聞きたい‥!けど、何て言えば‥)

難波

さて、それじゃ俺も入ってくるか

サトコ

「あ‥あう‥」

難波

ん?どうした?

サトコ

「な、なんでもないです‥」

室長のシャワーを邪魔してはいけないと思い、泣く泣く諦めた。

脱衣所に向かいながら、室長が思い出したように振り返る。

難波

俺が出てくるまでに、髪乾かしながら礼考えとけ

サトコ

「あ、はい‥」

(‥礼?)

思わず首を傾げると、室長がまるで私の真似をするように小首を傾げた。

難波

鍵開けてくれた礼、なんでもしてやるってことだ

サトコ

「あ‥」

難波

でも、できればおっさんが無理しないでいいようなのを頼むな

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笑いながら、室長が脱衣所へ消えていく。

ドライヤーを借りながら、今の室長の言葉を思い出していた。

(お礼なんて、そんなのいいのに‥私が助けたかったからやったことだし)

髪を乾かし終えて少しすると、室長が脱衣所から出てきた。

難波

おっ、ちゃんと乾かしたな

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お風呂上りの少し火照った手で、頬や髪を触れられる。

室長の髪は少し濡れていて、それがなんだか色っぽい。

(なんか、ドキドキする‥)

難波

いつも思ってたけど、お前の髪は柔らけぇな

サトコ

「そ、そうですか‥?」

難波

そういえば、何にするか決めたか?礼

私の髪に触れながら、室長が尋ねる。

髪を乾かしながら思いついたことを口にすると、室長が微かに目を見張った。

難波

マッサージ?

サトコ

「今日、結構ハードだったので‥肩から腰にかけて、重くなっちゃって」

「あ!でも強いて言うならです!室長も疲れてると思うので、無理にとは‥」

難波

そんなんでいいのか

サトコ

「は、はい!でも室長、大丈夫ですか?」

難波

ま、俺は寝てただけだからな~全然疲れてないぞ

よし、じゃあそこにうつ伏せになれ

促されるまま、ソファに寝転がる。

私の隣に来ると、室長が大きな手を腰に添えた。

サトコ

「っ‥‥‥」

難波

おい、身体の力抜け

サトコ

「は、はい‥すみません」

緊張のあまり、少し力が入っていたらしい。

でもこういう状況で腰を触られることはないので、変に固くなってしまう。

難波

よし、じゃあいくぞ~

サトコ

「ぎゃっ!いだだだだだだだ!」

「室長、痛いです!力入れすぎです!」

難波

あ、悪ぃ

(ほ、骨折れるかと思った‥)

難波

お前の腰、細いな~力入れてるつもりはなかったんだが、あれでも強いか

サトコ

「強いです‥腰砕けます」

難波

‥お前、それ、使い方違うだろ

サトコ

「え?」

難波

いや、これ以上言うとセクハラになるか‥?

‥いや相撲でも使うしな‥なんでもない

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サトコ

「?」

難波

よし、じゃあもっと弱めにいくぞ

そっと手を置き、室長が力を加えてくれる。

まだ少し痛かったけど、控えめにそれを訴えると、少しずつほどよい力加減になっていった。

(最初は痛かったけど、これは極楽だ‥今日の疲れのせいか、眠たくなってきた‥)

(でも、室長にマッサージさせて寝るなんてとんでもない‥我慢我慢‥)

サトコ

「‥‥‥」

難波

おい、サトコ

サトコ

「‥‥‥」

難波

おーい、寝るなよ

呼びかけと同時に、室長の手が腰やウエストの辺りをくすぐり始めた。

サトコ

「わあ!?」

難波

目、覚めたか?

サトコ

「か、覚醒しました‥から、もうやめてください!くすぐったい‥!」

必死に室長を止めて身を起こすと、ずいぶんと身体が軽くなっている。

サトコ

「ありがとうございました。すごく気持ちよかったです」

難波

ならよかった

満足げな室長の片腕が、肩に回ってくる。

そのまま引き寄せられて、唇が重なった。

サトコ

「しつ、ちょ‥」

難波

‥‥‥

吐息のような声をこぼすと、室長が少し目を細める。

空いている方の手がうごめき、太ももをなぞりながらスカートの裾から中へと入って来た。

サトコ

「室長‥!つ、疲れが取れたばかりなのに」

難波

大丈夫だ。マッサージくらいならいくらでもしてやるから

サトコ

「でも、それじゃ室長のほうが疲れちゃいますよ‥」

難波

んー、どっちかって言うと、お前に触れない方が疲れが増すな

肩に添えられていた手が、頭の後ろへと回る。

引き寄せられ、さらに深く唇が重なった。

難波

待ってる間に、寝たのはよかったんだけどなあ‥

抱き枕なしじゃ、逆に疲れちまった

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サトコ

「抱き枕って‥私のことですか?」

難波

やっぱり、慣れた感触がねぇとな

話している間にも、室長は何度もキスを繰り返す。

身体の力が抜けて、ぐったりと室長に寄り掛かった。

難波

やっぱり、お前がいねぇとダメだ

サトコ

「し、室長‥」

難波

それと、そういう顔な

頬に手を添えて、室長が大きな手で私の肌を撫でる。

まるでなだめるようなキスが降ってきて、いつの間にかそのキスに応える自分がいる。

難波

うんうん。癒されるにはお前が一番だな

サトコ

「ま、マッサージしましょうか‥」

難波

‥それ、誘ってるってわかってんのか?

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サトコ

「誘っ‥」

ついばむように唇を食まれて、その甘さに言葉がかき消される。

かわいがるような優しいキスに、そのままソファに押し倒され室長に身を任せた‥

Happy   End

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