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彼氏力チェック 颯馬

お題:落ち込む彼女の慰め方

【スーパー】

仕事が終わり、颯馬さんとスーパーで食材の買い出しをする。

颯馬
今日は久しぶりに、チーズフォンデュにしようかと思ったのですが、いかがですか?

サトコ
「いいですね。じゃあ、チーズ売場に遊びに行きましょう」

カートを押しながら歩いていると、鞄に入っている携帯が鳴る。

颯馬
私が選んでおくので、電話をしてきてもいいですよ

サトコ
「いえ。LIDEみたいなので大丈夫です」

颯馬さんに断りながら念のためスマホを確認すると、やっぱり地元の友だちからのLIDEだった。

しかし、ホーム画面から見えたLIDEには、友だちが彼氏と別れたという報告が書かれている。

(えっ···!嘘でしょ!?)

(どうして急に···)

サトコ
「すみません。やっぱり、ちょっと電話をしてきてもいいですか?」

颯馬
?···
大丈夫です。こっちは私に任せてください

サトコ
「ごめんなさい。すぐに戻ります!」

申し訳ないと思いつつ、私は急いでスーパーの外に出る。

【店外】

スーパーから出て、地元の友だちに電話を掛けるが留守番電話になってしまう。

(あれ?出ないな···)

不安は募るが、繋がらないとどうすることも出来ない。

ひとまずLIDEだけ入れて、颯馬さんの元に戻ることにした。

【颯馬マンション】

あれから何度かスマホを確認するも、友だちからは何の連絡もない。

夕食を終え、二人で後片付けをしていると、颯馬さんが心配そうな顔で私の顔を覗く。

颯馬
お友だちから連絡ありましたか?

サトコ
「それが···全然反応なくて···」

颯馬
タイミングが悪かっただけかもしれません
もう一度電話をしてみてはどうですか?

サトコ
「そうですね···」

廊下に出て、私は再び電話をかけてみる。

しかし、さっきと同じく留守番電話に繋がってしまい、諦めてリビングに戻った。

颯馬
どうでしたか?

サトコ
「出ませんでした」

颯馬
そうですか···
今は先方からの連絡を待つしかないですね

優しく微笑み、私を安心させてくれる颯馬さん。

心配してくれる颯馬さんにも申し訳ないと思い、友だちのことを相談してみることにした。

サトコ
「あんなに仲の良いカップルだったんです···」
「今、誰とも連絡が取りたくないぐらいに傷ついているのかもしれません」

話している間も、颯馬さんは真剣な表情で聞いてくれる。

(折角のデートなのに···こんなテンションでいちゃ、ダメだよね···)

しかし、友だちのことを思うとどうしても気持ちが晴れない。

颯馬
サトコさんは、友だち思いですね

サトコ
「···?」

そう言いながら、颯馬さんは私の髪を手ですくい耳にかける。

颯馬
こうやって自分のことのように心配してくれる人がいるって、嬉しいことですよ

サトコ
「でも、何もしてあげられないのが悔しいです···」

颯馬
そうでしょうか?まだできることはあります
確かに、カップルの問題はどうにかしてあげられるわけではありません
でも、お友だちは話を聞いてもらえるだけでも嬉しいんじゃないでしょうか?

颯馬さんは優しい声で、私の心に問いかける。

颯馬
だから、サトコさんに連絡してきたのでは?

サトコ
「颯馬さん···」

話しているうちに、不安に囚われていた心が不思議とほぐれてゆく。

颯馬
電話よりも、きっと傍にいて欲しいはずです
明日はお友だちのところに行って来てあげてください

サトコ
「えっ···!でも、明日は前から約束をしていたのに···」

前々から約束をしていたデートを、颯馬さんは延期してもいいと言ってくれた。

颯馬
サトコ···

サトコ
「っ···」

申し訳ない気持ちになり、返事に困っていると、颯馬さんに抱き寄せられる。

颯馬
デートはいつだってできる。お友だちは今、貴女を必要としているんです
サトコの大事な人は、俺にとっても大事な人だから···

サトコ
「!」
「颯馬さん、ありがとうごさいます···」
「明日、地元に帰って友だちに会ってきます!」

颯馬
フフ、やっと笑顔が戻りましたね

私が笑顔を向けると、颯馬さんも嬉しそうに笑って言う。

颯馬さんの言う通り、いつの間にか私に笑顔が戻っていた。

颯馬
また今度、貴女の時間をたっぷり頂きます

サトコ
「···!」

颯馬
···そのときは、俺のことだけを考えて?

妖艶に微笑んだ颯馬さんは、私の耳たぶにチュッと優しいキスを落とした。

Happy  End

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