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B: 嘘ついちゃえ!『いいえ』

(確かにハジメが全部『初めての人』だったけど···この際、嘘ついちゃえ!)

サトコ
「た、確かにファーストキスとかはそうですけど」
「全部が初めてだなんて、まさかそんな···」

加賀
···チッ

東雲
手を繋いだのも、キスも、エッチも、ぜーんぶ初めて、ね

サトコ
「エッ···」

(ななな、なんてこと言うの!?)
(もうやだ!お母さん、私、帰りたい!)

その時、私を救ってくれるかのようにスマホのバイブが鳴った。

(知らない番号?誰からだろう···?)

東雲
出たら?

サトコ
「で、でも···」

東雲
急ぎの用だったら、相手の人が可哀そうだと思うけど?

サトコ
「はい···」

教官室で電話に出るのは気が引けるけど、教官たちの圧迫感にいたたまれなくなり、
電話に出るしかなかった···

サトコ
「も、もしもし···?」

???
『サトコか?俺だけど···』

サトコ
「ハ、ハジメ···!?」

思わず名前を叫んでしまい、ハッとなる。
直後、全員がパソコンや電話などで『はじめ』という名前の私の元カレを調べ始めた。

(職権乱用···!)

ハジメ
『サトコ?何かあったのか?』

サトコ
「な、なんでもないよ!ちょっと待っててね、廊下に出るから!」

教官たちがこっちを見ていないのをいいことに、私は急いで廊下に出た。

【廊下】

サトコ
「もしもし、ハジメ?ごめんね、ちょっと立て込んでて」
「でも、どうして私の番号がわかったの?」

ハジメ
『昨日、佐々木さんからメールが来て、その時に教えてもらったんだ』

(もう、鳴子ったら勝手に···!教官たち、きっと私がハジメに教えたと思ってる!)

ハジメ
『昨日、LIDEしただろ?都合のいい日に、飯でも食いに行かないか?』

サトコ
「う、うん···でも実は、学校が忙しくて···たまに捜査のお手伝いもあるし」

(もしハジメと食事に行くなんて言ったら、何を言われるか···いや、何されるか···)

なんとか食事の約束をうやむやにして電話を切ると、背後に人の気配を感じて振り返った。
そこには···
<選択してください>

A: 加賀

B: 東雲

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