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BANG!BANG!!BANG!!! プロローグ1

【教場】

千葉

「サバイバル訓練?」

それはある日の講義後、東雲教官から知らされた。

東雲

そう。キミたちの野外訓練が決まったから

まあ、サバイバルって言っても、無人島でやるとかそういうのじゃないらしいけど‥

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男子訓練生A

「もしかして、サバゲーの方ですか?」

鳴子

「サバゲー?」

東雲

サバイバルな状況を想定した、疑似訓練みたいなものだよ

最近は、個人的にそういうのを楽しむサバイバルゲームが流行ってるらしいしね

(サバイバルゲーム‥なるほど、それで『サバゲー』なんだ)

(ゲーム形式なら、普段の野外訓練よりは楽しめるのかな)

男子訓練生B

「俺、サバゲーってやってみたかったんだよな」

男子訓練生C

「俺も!でもあれって、準備とか場所とか考えると、なかなか手が出せないんだよな」

東雲

なんか勘違いしてるみたいだけど、あくまで “訓練” だから

ゲームみたいに楽しめる、なんて甘いこと考えないようにね

『訓練』の部分を強調して、東雲教官がニヤリと笑う。

全員が、その黒い笑みにゾクリと嫌な予感を覚えた。

東雲

今回は、どうやってキミたちをいびろうかな‥

ただでさえ行きたくないのに、オレたちまで強制参加なんだから‥そのくらいは許されるよね?

鳴子

「東雲教官、相当イラついてるみたいだね‥」

千葉

「強制参加って言ってたからね‥」

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サトコ

「うん‥普段からこういうの、『怠‥』って敬遠してるもんね‥」

東雲

とにかく、そういうことだから

詳しいことは、あとでほかの教官から話があると思うよ

そう言って、東雲教官が教場をあとにする。

でも出て行く直前、振り返って満面の笑みを浮かべた。

東雲

じゃあ、キミたちも楽しんでね

(キミたち『も』って言った‥!東雲教官、私たちに嫌がらせして楽しむつもりだ‥!)

鳴子

「ねえ、サトコ‥今回の訓練って、私たちも行かなきゃいけないのかな」

サトコ

「どうかな‥サバイバルって言われると、ちょっと不安だよね」

(女子は免除‥なんて、甘い学校じゃないことはわかってるけど)

(あとで教官室に行ったとき、念のために聞いてみようかな)

その日の放課後、全ての講義が終わると同時に黒澤さんが教場に入ってきた。

黒澤

みなさーん、今日もお疲れ様でした★

今日一日頑張ったみなさんに、オレから朗報です!

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(朗報‥?黒澤さんのこういうのは、今まであんまりいい思い出がないからなぁ‥)

不安を感じていると、案の定ホワイトボードに “サバイバル野外訓練” と書いた。

黒澤

僭越ながら、この黒澤がみなさんにご説明します!

あ、もちろん女子訓練生も強制参加ですからね~

鳴子

「やっぱり‥」

サトコ

「でも、なんとなくそんな気はしてたよね‥」

黒澤

はいはーい、いいですかー

今回の訓練は、射撃能力や瞬発力、洞察力を身につけることが目的です

訓練は、必ずふたり一組、ペアで行ってもらいます

ペアで、という言葉に教場がざわつく。

男子訓練生A

「じゃあ、身体能力が高いヤツと組んだ方が有利ってことだよな」

黒澤

もちろん、勝手にペアを組むことは許されませんよ~。ペア決定はクジで行います!

その瞬間、一気にがっかりムードが漂う。

黒澤

それぞれのチームには、サバゲー用のエアソフトガンと普段訓練で使う拳銃が支給されます

どっちを使うかは、個人の自由です。もちろん、両方使ってもOKです

どちらも、中はカラーボール仕様になったBB弾ですからね~。実弾の使用はなしですよ

(実弾の使用はなし‥当たり前のことをサラッと言う辺りが、なんか怖い‥)

黒澤

カラーボールなので、BB弾が直撃したら身体にペンキが付着します

その時点で、その人はアウトです。ついでに言うと、ペアの人もアウトです

どっちかだけが生き残ればいいわけじゃないので、連係プレーも大事ですよ★

千葉

「連係プレーか‥確かに、サバイバルの中で生き残るには大切なことだね」

鳴子

「うん‥でも普段からの信頼関係もあるし、誰とペアになるかが大事だよね」

黒澤

今回は、どこかにお宝が隠されています。それを見つけたペアが優勝です!

ちなみに、お宝が何かは最後まで秘密ですからね~

楽しそうな黒澤さんとは裏腹に、訓練生のテンションは下がりっぱなしだ。

(サバイバル訓練か‥将来のことを考えたら、きっと大事なんだろうけど)

(でも、教官たちも参加するなんて‥無事に済む気がしない)

黒澤

どんなつらい罠、卑怯な戦略にあったとしても、みなさん協力しあって乗り越えてくださいね★

黒澤さんの笑顔にうすら寒さを覚え、全員が息を呑んだ。

男子訓練生A

「なあ‥もしかして、教官対訓練生じゃないよな?」

男子訓練生B

「教官たちがペアを組んだら、太刀打ちできないだろ‥」

黒澤

ご安心を!この黒澤を含め、誰と組むかはクジ次第!

もちろん教官同士もあるかもしれませんが、可能性は限りなく低いですから

サトコ

「って‥黒澤さんも参加するんですか!?」

黒澤

もちろん!

いつでもアナタのそばに‥黒澤透でっす★

(黒澤さん、最近は学校にいる時間の方が長いんじゃ‥!?)

(今までいろんな野外訓練してきたけど、こんなに先が見えない恐ろしい訓練、初めてだよ‥)

【訓練場】

そしてあっという間に、訓練当日。

石神

全員揃ったな。ではこれより、ペアを決めるため、クジ引きを行う

まずは大きく、グーチーム、パーチームに分かれてもらう

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鳴子

「どっちのチームに行くかは、最初から決められてるみたいだね」

サトコ

「うん‥鳴子、同じチームになれるといいね」

後藤

ちなみに、グーチームは俺と加賀教官、難波室長

パーチームは石神教官、颯馬教官、東雲教官だ

サトコ

「室長も参加するんですか?」

颯馬

ええ、人数が足りないので

加賀

テメェら‥分かってるだろうが、足を引っ張るゴミは土に埋める

二度とシャバには帰れねぇ覚悟で挑め

加賀教官の言葉に、全員が震えあがった。

鳴子

「加賀教官とだけは、ペアになりませんように‥」

千葉

「石神教官も厳しいからな‥」

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男子訓練生A

「ああ‥訓練終了の前に命を落としてる可能性が高い‥」

男子訓練生B

「なあ‥もし俺が加賀教官とペアになったら、定期的に探しに来てくれないか‥?」

東雲

あーあ、楽しみだな。どんな罠仕掛けようか

加賀

歩、即死系はNGだ

東雲

やだな兵吾さん、わかってますよ

じわじわ体力を奪う系にしておきますから

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(今の会話、何‥!?これ、本当に訓練なの!?)

(まさか、出来の悪い訓練生を間引くための闇の訓練なんじゃ‥!?)

鳴子

「あのふたりの教官は例外として‥」

「後藤教官も素敵だけどちょっとストイックだし、やっぱり颯馬教官が良いな~」

千葉

「難波室長とペアになっても、色々と勉強になりそうだよね」

なんだかんだ言って楽しそうなみんなを眺めながら、教官たちを振り返る。

(誰とペアになるんだろう‥訓練生同士って可能性もあるし)

(でも、できれば‥やっぱり、カレと一緒がいいな‥)

その時、チーム分けを発表していた石神教官から名前を呼ばれた。

グーチーム

パーチーム

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