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サバゲー 加賀 2話

【バスルーム】

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宿泊所のお風呂で、持ってきたシャンプーを使って髪を洗う。

でもいくら流しても、べったりついたペンキは取れそうになかった。

(ジャージは洗濯して‥どうしても取れなければ、新しいのを買えばいいけど)

(髪は、切るわけにいかないし‥)

サトコ

「どんだけ強力なペンキなの‥!」

何度か洗ってみたけど、やっぱり少しだけペンキが残ってしまう。

(加賀さんは、掃除や布団の準備は各自にやらせるって言ったけど‥)

(そういうわけにもいかないよね)

(食事の支度もあるし、ペンキは落ち切ってないけど、とりあえず出よう)

濡れた髪をまとめ、できるだけペンキが見えないようにしてお風呂を出た。

【キッチン】

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お風呂から上がると、全員の部屋の簡単に掃除して布団を敷き、食事を作る。

後片付けは、鳴子が手伝ってくれた。

鳴子

「まさか、サトコが一番最初にリタイアになるなんてね」

サトコ

「今思えば、東雲教官にしてやられた気がするよ‥」

「加賀教官を狙えば、私が庇うって分かってたんじゃないかとすら思う」

鳴子

「東雲教官、策士だからね‥あり得るね」

「今日は疲れたでしょ?ゆっくり休みなよ」

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サトコ

「うん。鳴子、手伝ってくれてありがとう」

片づけを終わらせると、鳴子と別れて加賀さんを探しに宿泊所を出た。

【外】

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宿泊所の周辺を探していると、裏の方でタバコを吸っている加賀さんを見つけた。

(はあ‥加賀さんのこの姿)

(ほんとかっこいいよね‥絵になるっていうか、様になってるっていうか)

加賀

気持ち悪ぃ

サトコ

「ひぇっ」

加賀

ニヤニヤ見てねぇで、さっさと声かけろ

サトコ

「す、すみません‥」

(私がここにいること、いつからバレてたんだろう‥)

恥ずかしさを抑えて、今日の報告をするため加賀さんの方へ向かった。

サトコ

「食事の片づけ、部屋の掃除、布団の準備、全て終わりました」

加賀

‥手抜きを覚えやがって

サトコ

「えっ?」

どうやら、鳴子に食事の支度と後片付けを手伝ってもらったことを言っているらしい。

サトコ

「すみません‥鳴子が来てくれたので、つい甘えてしまって」

加賀

反復横跳び

サトコ

「へ?」

加賀

100回だ

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サトコ

「100回!?」

加賀

そもそも、今日はテメェの動きが遅いから狙われた

反射神経が足りねぇ

(た、確かにそうかも‥銃の気配は感じ取ってたんだから、もっと機敏に動ければかわせたはず‥)

言われるまま、加賀さんの目の前で反復横跳びを始める。

サトコ

「に、25、26‥」

加賀

遅ぇ

サトコ

「は、はい!」

必死にスピードアップしたけど、脚がついていかない。

(今日、ずっと立ち通し、動き通しだったから‥)

(でもここでやめたら、とんでもないお仕置きが待ってる‥!)

疲れた体に鞭打って、なんとか反復横跳びを終わらせた。

サトコ

「か、加賀さん‥終わり‥ました‥」

加賀

‥‥‥

(ダメだ‥もう動けない‥)

(今、何時だろう‥?とっくに消灯時間、過ぎてる‥)

言葉もなくその場に崩れ落ちる私に、加賀さんの舌打ちが降ってくる。

加賀

この程度で、だらしねぇな

サトコ

「す、すみませ‥」

加賀

‥駄犬が

小さくそう言うと、加賀さんが私の身体を抱き上げてくれる。

そのまま、宿泊所に戻り‥‥

【脱衣所】

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連行されたのは、なんと‥お風呂だった。

サトコ

「えええええ!?」

加賀

喚くな

サトコ

「そんな、だっ‥」

「いやいやいや!さすがにここで一緒に入るのはまずいですよ‥!」

加賀

反抗するつもりか?

<選択してください>

A: するはずがありません

サトコ

「ま、まさか!するはずありません!」

加賀

だろうな

(しまった‥!恐怖のあまり、とんでもないこと言っちゃった)

(でもここは宿泊所だし、他の訓練生や教官たちもいるのに‥!)

B: 拒否権なしですか?

サトコ

「ま、まさか‥私に拒否権はなしですか!?」

加賀

今まであったことがあるか?

サトコ

「ないです‥」

「でも、場所的にここは本当にまずいです!」

C: 別々に入りましょう

サトコ

「そうだ!別々に入りましょう!」

加賀

‥‥‥

(こ、この、心底嫌そうな顔‥)

サトコ

「だって、もし誰かに見られたら」

加賀

何時だと思ってる

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サトコ

「え?」

加賀

とっくに消灯時間は過ぎてる

消灯後に起きてた奴は、その場で‥

サトコ

「ま、まさか、射殺‥!?」

「‥なわけないですよね。すみません」

加賀

消灯後に起きてるのが見つからなかった奴は、その場で晒しもんだ

サトコ

「晒し者‥」

加賀

歩の手でな

(東雲教官の手によって、晒し者にされる‥)

(それはつまり、今後の人生がお先真っ暗になることを意味している‥!)

震える私のジャージのファスナーを、加賀さんが迷いもなく下まで下げた。

サトコ

「!!!」

加賀

黙って脱ぎやがれ

サトコ

「うっ‥」

(確かに、もう消灯時間は過ぎてるし‥)

(みんな、ペナルティがあるのに危険を冒すようなことをするはずがない)

覚悟を決めてジャージを脱ぎ、タオルで身体を隠す。

(でも教官たちに消灯時間なんてないし、万が一誰かがお風呂に入りに来たら‥)

(いや‥もう考えても仕方ない。誰も来ないことを祈ろう‥)

【風呂場】

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加賀さんのあとに続いてお風呂に入ると、シャンプーを投げられた。

サトコ

「わっ」

加賀

あんなガキにマーキングされやがって

サトコ

「マーキング?」

加賀

とっとと落としやがれ

(もしかして、ペンキのこと‥?)

(‥だから加賀さん、リタイアになった時、あんなに怒ってたの?)

サトコ

「私、てっきりリタイアになったのが悔しいんだと思ってました」

加賀

あんなもんにムキになる奴なんざいねぇ

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確かに加賀さんの性格を考えたら、課外授業でムキになるはずがない。

加賀さんに渡されたシャンプーで何度か髪を洗ったけど、やっぱり落ちなかった。

サトコ

「うーん、この際、切るしかないかな‥」

加賀

トリートメント先につけろ

サトコ

「え?」

加賀

先にトリートメントだ

(そうすると落ちるのかな‥?)

加賀さんに言われた通り、ペンキがついている部分に先にトリートメントをつけてみる。

それからシャンプーをして泡を洗い流すと‥

(す、すごい!本当に落ちた!)

サトコ

「ありがとうございます!切らずに済みました!」

加賀

ようやく元の毛並みに戻ったか

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満足そうに笑いながら、加賀さんが私の手を引いて浴槽に身を沈める。

その脚の間に収まるように、私も一緒にお湯に浸かった。

(今まさに誰かが来るかもしれないと思うと、不安で仕方ない‥!)

ドアの方を気にする私の肌に、加賀さんの指が伸びてきた。

サトコ

「か、加賀さん‥!」

加賀

‥柔らかさは、キープしてるな

満足げな声が、耳をくすぐる。

甘い吐息が漏れそうになって、必死に口を押えた。

加賀

何してやがる

サトコ

「っ‥‥‥!」

加賀

テメェは、黙って啼いてりゃいい

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<選択してください>

A: さすがにまずい

サトコ

「ままま、まずいですよ‥これはさすがに!」

加賀

テメェが声を出さなきゃ済む話だ

サトコ

「だって‥!」

反論しようとした時、加賀さんがわざと甘い声がこぼれるような撫で方をした。

B: 加賀の手を押さえる

サトコ

「加賀さん‥ストップ!」

慌てて加賀さんの手を押さえようとすると、逆に手首を掴まれた。

サトコ

「!」

加賀

舐めた真似してんじゃねぇ

C: 気づかれたらどうするの?

サトコ

「ききき、気づかれたらどうするんですか‥!?」

加賀

どうとでもなるだろ

サトコ

「なりませんよ!私よりも、加賀さんの立場がっ‥」

加賀

テメェに心配されるとはな

私の肌に触れる加賀さんの指が、さらに熱を帯びて行く。

サトコ

「んっ‥」

声が大きくなりそうで焦る私に、加賀さんがクッと笑った。

加賀

もっと啼け

サトコ

「ダメっ‥む、無理‥」

加賀

無理じゃねぇ

だんだん何も考えられなくなり、お湯の揺らめく音のみが耳に響く。

(こんなの、誰かに聞かれたら‥!)

涙目で加賀さんに訴えると、私の身体を抱き上げて自分と向き合い合わせになるように座らせた。

加賀

言っとくが

サトコ

「え‥」

加賀

テメェに守られるほど、落ちぶれちゃいねぇ

(それって‥さっきのサバゲーの話‥?)

加賀

テメェは、黙って俺の後ろにいろ

サトコ

「そんなの、嫌です‥」

加賀

飼い主に歯向かうのか

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サトコ

「そうじゃ、ないですけど‥」

甘く唇を食まれて、うっとりと加賀さんに身を任せる。

柔らかい唇が、頬から首筋、胸元へと這っていく‥。

サトコ

「私だって、加賀さんの役に立ちたいんです‥」

加賀

‥‥‥

サトコ

「守られてるだけなんて、そんなの‥」

加賀

‥‥‥

今後は、俺の前に出ようとするな

お風呂に、加賀さんの低い声が響き渡った。

加賀

テメェが俺の的になりたくなきゃな

サトコ

「あ‥」

(確かに、加賀さんの前に私がいたら、邪魔になるかもしれない)

少し落ち込む私の肌に、加賀さんが味わうように濡れた舌を這わせた。

加賀

テメェより弱い奴に守ってもらうつもりはねぇ

サトコ

「加賀さん‥」

加賀

だが‥飼い主を守ったんだとしたら

‥上出来だ

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ご褒美、とでも言うように、加賀さんが甘い甘い口づけをくれる。

キスに夢中になり、知らずのうちに、その背中に手を回した。

加賀

ほう‥テメェからせがむことを覚えたか

サトコ

「え‥」

加賀

‥そういやテメェは、スリルがある方が好みだったな

慌てて身体を離そうとしたけど、腰を押さえられてままならない。

サトコ

「す、スリルって‥!」

加賀

誰かに見られるかもしれねぇ方が、興奮するんだったな

サトコ

「そんなことないです‥!加賀さんが勝手に」

加賀

だが、いつもよりいい反応だ

肌をなぞられて、ピクリと身体が震える。

我慢できず、押し殺していた甘い声がお風呂に響いた。

(このまま、のぼせちゃう‥頭がぼんやりする)

(加賀さんの唇に、とろけさせられる‥)

でも、大好きな人の手を抗うなんてできるはずもない。

加賀さんに翻弄されるまま、ひっそりと、その熱を貪った。

Happy  End

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