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サバゲー 後藤 1話

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サトコ

「‥ここ、どこだろう?」

木の陰に隠れながら、辺りの様子をうかがう。

(どうしよう、せっかく後藤さんとペアになれたのに‥)

颯馬

フフ‥サトコさん、逃がしませんよ

サトコ

『っ‥』

追いかけてくる颯馬教官から、全速力で逃げる。

(山道のせいか、思うように逃げられな‥っ)

後藤

こっちだ‥!

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サトコ

『後藤教官!』

(私のペアは、後藤教官だったんだ‥!)

手を差し伸べられるも、掴もうとする寸前のところで空を切ってしまう。

後藤

くっ‥そのままついてこい。見失うなよ

サトコ

『はいっ!』

颯馬

私たちから逃げられるとでも?

黒澤

黒澤

はい!‥って、わわっ!

後藤さんはすかさず、黒澤さんに向けて銃を撃つ。

後藤

今のうちに行くぞ!

サトコ

『はい!』

後藤さんは草むらに入り、身を隠すように進んでいく。

そして、私は後藤さんの背中を必死に追いかけて‥

(まさか、開始早々見失っちゃうなんて‥)

サトコ

「と、とにかく!まずは後藤さんと合流しなきゃだよね」

気を取り直し、警戒しながら捜索を開始する。

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サトコ

「‥‥‥」

(気配はない、かな‥)

銃を構えながら、草むらの陰から顔を出す。

(後藤さん、どこにいるんだろう‥)

ガサガサッ

サトコ

「!」

(誰かいる!?後藤さん?それとも‥)

逸る鼓動を抑えながら、銃を構える。

(落ち着いて‥出てきたところを狙って‥)

ガサッ!

(今だ!)

サトコ

「‥きゃっ!」

(じ、銃を弾き飛ばされ‥‥)

???

「アンタ、相棒を撃つつもりか?」

サトコ

「へ‥?」

「って、後藤さん!?」

後藤

そうだ。気が付かなかったのか?

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サトコ

「す、すみません‥」

「でも、後藤さんが無事で良かったです」

後藤

アンタな‥

後藤さんは呆れたようにため息をつくと、眉を顰めながら私を見る。

後藤

公安たる者、バディの姿を見失うなんて言語道断だ

訓練だと思って、舐めてかかるな。チームワークの乱れに繋がる

サトコ

「っ‥」

鋭い言葉が、胸に突き刺さる。

(後藤さんとペアになれて、喜んで‥)

(ちゃんとした訓練なのに、心のどこかで甘く見ていたのかもしれない)

サトコ

「はい!申し訳ありませんでした」

後藤

分かったなら、いい

後藤さんはフッと微笑み、落ちていた私の銃を掴みとる。

後藤

気合を入れて行くぞ

サトコ

「はい!」

銃を受け取り、深く頷く。

後藤

今度こそ俺の傍を離れるな。アンタのことは、俺が守るから

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サトコ

「後藤さん‥」

力強い笑みを浮かべる後藤さんに、鼓動が高鳴る。

<選択してください>

A: かっこいいな‥

サトコ

「かっこいいな‥」

後藤

は?

(やばっ、心の声が漏れた‥!?)

サトコ

「え、えっと、今のはですね‥」

後藤

‥行くぞ

後藤さんはいつもより低い声で、そう告げる。

(注意されたばかりなのに‥呆れられちゃったかな‥)

恐る恐る、顔を上げると‥

後藤

‥‥‥

(あっ、後藤さんの耳が赤くなって‥)

後藤

‥置いてくぞ

サトコ

「あっ、はい!」

私は慌てて立ち上がった。

B: 私も後藤さんを守る

サトコ

「私も後藤さんを守ります!」

後藤

は?

サトコ

「後藤さんのバディは私ですよ?守られるだけじゃなくて、後藤さんの事も守りたいんです」

後藤

アンタらしいといえば、らしいが‥

後藤さんは苦笑しながら、私の頭にポンッと手を乗せる。

後藤

俺はバディとしてじゃなくて、アンタを‥

サトコ

「後藤さん‥?」

後藤

‥いや、なんでもない

後藤さんは顔を隠すように、サッと背中を向けた。

サトコ

「はい!絶対に離れません」

C: 絶対に離れない

後藤さんの言葉が嬉しくて、頬が緩む。

後藤

何、ニヤニヤしてるんだ。ここは戦場だぞ

サトコ

「‥ハッ!す、すみません‥」

(そうだ、ここは戦場なんだ。気を引き締めなきゃ、だよね)

サトコ

「‥もう大丈夫です。後藤さん、行きましょう!」

後藤

ああ

私たちは顔を見合わせ頷くと、立ち上がった。

後藤

あそこに2組いるな‥

木の陰に身を隠しながら、様子をうかがう。

後藤

俺が合図したら、一気に仕留めるぞ

サトコ

「はい」

すぐに撃てるように、セーフティーを外して銃を構える。

後藤

3、2、1‥GO!

男子訓練生A

「ご、後藤教官!?それに、氷川も‥」

男子訓練生B

「うわあぁっ!!」

後藤教官は訓練生の前に出るなり、容赦なく銃弾を浴びせていく。

男子訓練生C

「くそっ!」

サトコ

「あっ‥!」

(あそこは、後藤さんから死角になって‥‥)

後藤

遅い

男子訓練生C

「うぉっ!?」

男子訓練生A

「ウソだろ‥完全に死角だったのに‥」

後藤

氷川、ついてこい!

サトコ

「は、はい!」

走り出す後藤さんの背中を、今度は見失わないようについて行く。

後藤

‥‥‥

そのまま山奥に進み、辺りを見回す。

後藤

‥囲まれてるな

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サトコ

「えっ!?」

後藤

大丈夫だ。問題ない

私を安心させるかのように、後藤さんは笑みを向ける。

男子訓練生D

「っ、ここだ!」

後藤

っ‥

後藤さんは身をひるがえすと、すかさず銃弾を撃ち込む。

(すごい!また命中した‥‥)

男子訓練生E

「隙あり!」

サトコ

「あっ‥」

慌てて振り返るも、銃口は私に定められていて‥‥

後藤

氷川!

サトコ

「きゃっ!」

後藤さんに腕を引かれ、弾は私を掠めることなく木に被弾した。

サトコ

「あ、ありがとうございます」

慌てて体勢を立て直すと、後藤さんと背中合わせになる。

(私も、もっと頑張らなきゃ‥!)

後藤

3人、4人‥隠れてるのを含めて、6人はいるな

男子訓練生たち

「‥‥‥」

訓練生たちは、じりじりと距離を詰めてくる。

後藤

いけるか?

サトコ

「もちろんです!」

後藤

そうか‥

背中で、後藤さんが笑う気配がした。

男子訓練生たち

「うおおっ!!」

静かな森に、複数の発砲音が鳴り響く。

そして‥

サトコ

「はぁ~‥」

飲み物を口に含むだけで、全身に染み渡るように感じる。

(ずっと動きっぱなしだったせいか、生き返るなぁ‥)

後藤

‥‥‥

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ふと視線を感じ、隣を見る。

サトコ

「あの‥どうかしましたか?」

後藤

いや‥先ほどの動きは、なかなか良かった

サトコ

「本当ですか!?」

後藤

ああ。あの場を切り抜けられたのも、アンタのお陰だ

最初よりも動きが俊敏になってるし、周りを見れるようになってる

この調子だ

サトコ

「はい。ありがとうございます!後藤さんを上手くアシスト出来るように、頑張りますね!」

ガッツポーズをすると、後藤さんはフッと微笑む。

後藤

頼もしいな。アンタとペアになれて良かった

後藤さんは頬杖をつきながら、そっと私の頬に触れる。

(ど、どうしよう、顔が熱いよ‥)

サトコ

「ご、後藤さん‥」

後藤

‥‥‥

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(へっ‥!?)

後藤さんは真剣な表情になり、人差し指を唇につける。

(こ、この流れって、もしかして‥)

期待に胸が膨らみ、ゆっくりと瞼を閉じた瞬間。

サトコ

「きゃっ!」

腕を引かれ、後藤さんに抱きしめられた。

(き、今日の後藤さん、強引だなぁ‥)

(まだ訓練中なのに‥)

パンッ!

サトコ

「えっ‥!?」

後藤

‥‥

耳元で銃声が聞こえて目を開けると、後藤さんが私の背後に向けて銃を撃っていた。

後藤

‥今日は上司だろうと容赦しませんよ。石神さん

石神

気づいていたとは‥さすがだな

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サトコ

「あっ‥」

木の陰から石神教官と、疲れ切った様子の千葉さんが出てくる。

(後藤さんは石神教官たちの気配に気づいていたんだ)

(なのに私ったら、勘違いして‥)

恥ずかしさが込み上げるも、ぐっと堪える。

石神

部下だからといって、手は抜かないぞ

メガネがキラリと光ると同時に、石神教官の銃が火を噴く。

後藤

氷川!

サトコ

「は、はい!」

私たちはギリギリのところで避けると、気の陰に身を隠した。

サトコ

「‥‥‥」

後藤さんと視線を交わし、素早く木の陰から蔭へと移動する。

そして‥

パンッ、パンッ!

後藤

くっ‥

石神

っ‥

発砲音が鳴り響くも、どちらの弾も外れてしまう。

サトコ

「後藤教官!援護しま‥」

千葉

「氷川」

サトコ

「!」

千葉さんが立ちはだかり、足を止める。

サトコ

「千葉さん‥」

千葉

「‥‥」

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千葉さんは私に銃を向けると、その瞳にはどこか迷いがあった。

(撃つなら今しかない!)

(だけど‥)

すでにボロボロの状態の千葉さんを前に、トリガーに掛ける指が僅かに震える。

サトコ

「くっ‥」

千葉

「っ‥」

私たちはお互いに銃を撃つも、明後日の方向に飛んでいき‥

石神

千葉、氷川!何をしている!

後藤

これは勝負だぞ!

サトコ

「は、はい!」

千葉

「すみません‥!」

(そうだよね‥負けるわけにはいかないんだ‥)

サトコ

「千葉さん、覚悟っ!」

心の中で千葉さんに謝りながら、銃口を向ける。

サトコ

「あっ‥」

千葉さんは素早く草むらに身を隠してしまい、姿を見失ってしまう。

パンッ、パンッ!

サトコ

「!」

草むらから弾がはなたれ、私は慌てて後退した。

後藤

氷川、こっちだ!

サトコ

「はい!」

私たちは草原を一度離れ、山道へと戦場を移動する。

後藤

‥‥‥

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それぞれ身を隠し、相手側の様子をうかがう。

(このままじゃ、いつまで経っても決着がつかない‥)

頬を伝う汗にすら、焦らされているように感じてしまう。

(後藤さんの相棒として、認められたい‥)

(後藤さん‥)

後藤

‥‥‥

心の中で名前を呼ぶと、視線が合った。

頷き合うと、後藤さんは勢いよく気の陰から躍り出る。

パンッ、パンッ!

後藤

くっ‥

石神教官と千葉さんから集中砲火を浴びるも、すんでのところでかわしていく。

(今のうちに‥!)

私を音を立てないように、草むらを移動する。

石神

千葉、ここでカタをつけるぞ!

千葉

「はい!」

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草むらから木の陰に移動して、顔をのぞかせる。

(ここだっ!)

私は銃を構えると、狙いを定めてトリガーを引く。

パンッ!

千葉

「あっ‥」

サトコ

「やった‥当たりましたっ!」

石神

‥‥‥

千葉さんはがくりと肩を落とし、石神教官は短くため息をついて銃を下ろす。

石神

まさか氷川に決められるとはな

千葉

「す、すみません!俺‥」

石神

負けたものはしょうがない。今回の課題は次に活かせ

千葉

「っ、はい!」

サトコ

「後藤教官!」

駆け寄ると、後藤さんはフッと笑みを浮かべる。

後藤

よくやったな

<選択してください>

A: 後藤に抱きつく

サトコ

「はいっ、頑張りました!」

後藤

っ‥

後藤さんに褒められ、嬉しさのあまり抱きつく。

石神

お前ら‥

千葉

「氷川‥」

サトコ

「あっ‥」

(い、石神教官たちがいるんだった‥!)

サトコ

「す、すみません!勢い余って、つい‥」

後藤

あ、ああ‥

慌てて離れるも、後藤さんの顔は薄らと赤く染まっている。

(うぅ、気をつけなきゃ‥)

B: ハイタッチする

サトコ

「後藤教官」

片手をあげると、後藤さんはキョトンとした顔をする。

サトコ

「ハイタッチですよ。ハイタッチ!」

後藤

‥ああ、そうだな

後藤さんはくすっと笑み。ハイタッチをする。

サトコ

「ふふっ」

後藤

この調子でいくぞ

サトコ

「はい!」

私たちは科を見合わせて、力強く頷き合った。

C: 周囲の様子をうかがう

(‥いけない、まだ敵がいるかもしれないのに)

私はすかさず、周囲の様子をうかがう。

後藤

何をしているんだ?

サトコ

「もしかしたら、まだ敵が潜んでいるかもしれません」

後藤

フッ‥そうだな

サトコ

「わわっ」

後藤さんは微笑みながら、私の頭をポンッと撫でる。

後藤

一時の勝利に気を抜かないのはいいことだ

このまま、一気に攻め込むぞ

サトコ

「はいっ!」

私たちは戦場を後にすると、さらに森の奥へと入っていく。

後藤

足場が悪いな‥気を付けて歩けよ

サトコ

「はい‥」

(この辺りは傾斜も多いから、転ばないようにゆっくり‥)

恐る恐る、歩みを進めていると‥

(‥あれ?今、何か踏んだような‥)

パァンッ!

サトコ

「きゃあっ!」

突然足元で何か弾け、驚きのあまりバランスを崩してしまう。

サトコ

「あっ‥」

後藤

サトコっ!

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後藤さんに腕を掴まれるも‥私たちは斜面から落ちて行った。

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2話

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