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放課後 加賀2話

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【武器庫】

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私は薄暗い武器庫の中にいた。

(うう、暗いし怖いし、ちょっと不気味‥)

(こんなところの点検を、一人でやらされるハメになるなんて)

でも、他でもない加賀さんからの命令なので、やるしかない。

サトコ

「えーと、この保管状況表と実際の数が合ってればいいんだよね」

「よし、こっちの端からやっていこう」

ずらりと並んだ大量の武器に圧倒されつつ、気を引き締めて点検を開始した。

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ひとつひとつ慎重に点検を進めていると、奥の方に保管されているバズーカが見えた。

サトコ

「うわあ、本物。初めて見た‥」

「なんか‥武器っていうよりも、天体望遠鏡みたい」

加賀

能天気な野郎だな

サトコ

「ヒッ!?」

突然背後から聞こえて来た声に、飛び上るほど驚いた。

サトコ

「かっ、加賀教官!?」

加賀

遅ぇ

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サトコ

「え?」

加賀

点検に何時間かかってやがる

サトコ

「何時間、って‥」

(あれ!?もうこんな時間!?)

(見落としがあったら大変だと思って、集中してたから‥時計を見るの、忘れてた)

サトコ

「すみません、まさかこんな時間に」

なってるなんて、と言おうとした瞬間、ダン!と壁に手をつかれて追い詰められた。

サトコ

「あ、あのっ‥」

加賀

ちんたらしやがって

俺を待たせるとは偉くなったもんだな。あ゛?

サトコ

「す、すみません‥!」

(本気で怒ってる‥!?そういえば、1時間以内に終わらせろって言われてたんだ)

(なのに、もう30分もオーバーしてる‥やばい、補佐官失格!)

必死に謝罪の言葉を考えていると、不意に加賀さんの顔が近づいた。

サトコ

「か、加賀さ‥近っ‥」

加賀

喚くな

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(このパターンは、まさか‥顎クイされて、キス‥!?)

恐る恐る加賀さんを見上げると、その眉間には深いシワが刻まれていた。

加賀

チッ

(舌打ち!?)

次の瞬間、ガッと顔をわしづかみにされる!

サトコ

「も、申し訳ございません‥!」

加賀

こんなところで発情してんじゃねぇ

サトコ

「は、発情なんて‥」

加賀

テメェの脳みそは能天気な上に年中お花畑か

くいっと、加賀さんが顎で天井を指す。

追いかけるように見上げると、そこには監視カメラが薄暗い部屋を映し出していた。

(あ‥そっか、危険物を保管してるんだから、あって当たり前だよね)

(カメラに映ったら大変だし、今日のお仕置きはなしか‥)

少し残念に思う自分に気付き、慌てて首を振った。

(いやいやいや!お仕置きされなくてがっかりするとか、それって本当に‥)

加賀

マゾが

サトコ

「!?」

加賀

仕置きがなくてがっかりするとは、テメェはどんだけだ

(バレてる‥!)

ようやく、顔から加賀さんの手が離れた。

加賀

さっさと終わらせろ

サトコ

「はい!たぶん、あと30分もあれば‥」

加賀

3分後には鍵を掛ける

サトコ

「3分!?」

(30分かかるのに、3分後には置いて行かれる!?)

(‥いや、でもこれは仕事だし、加賀さんだってまさかそんな非常なことは‥)

サトコ

「‥やる‥!加賀さんは本気だ‥!」

加賀

当然だ

サトコ

「い、急ぎますから、お願いです。もうちょっと待ってください!」

加賀

それは、テメェの仕事次第だ

急いで保管現状表と、残りの武器の保管数を照らし合わせていく。

(でも、急ぎ過ぎてミスしちゃ大変だし‥)

(慎重に素早く、迅速に的確に‥!)

加賀

‥不用意に、あんな顔すんじゃねぇ

低い声が聞こえて振り返ると、加賀さんがドアにもたれかかり腕組みをしながらこちらを見ていた。

サトコ

「あんな顔って‥?」

加賀

駄犬が、男を誘うことだけ覚えやがって

あれがカメラに映ってたら、イチから躾し直してやる

(男を誘う‥!?一体なんのこと!?)

(あ‥もしかして、キスされるかもって思った時‥?)

サトコ

「ち、違うんです‥あれは、その‥そういうつもりじゃなくて!」

加賀

ほう‥なら、いらねぇんだな

サトコ

「え?」

加賀

あとで、望みのもんをくれてやろうと思ったが

褒美もなくせっせと働くとは、ご苦労なことだ

(褒美‥望みのもの?)

(そ、それってもしかして)

サトコ

「いります!ご褒美、欲しいです!」

加賀

‥バカが

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クッと笑うと、加賀さんが私に背を向けた。

加賀

3分経過だ

サトコ

「え!?」

加賀

鍵、かけるぞ

サトコ

「あーっ!もうすぐ終わりますから!」

必死に点検を進めながら、胸の高鳴りを覚える。

(あとで、ご褒美‥望みのもの、か‥)

(‥どんなお仕置きが待ってるんだろう)

そう考えると、怖いような、少し楽しみなような、複雑な気持ちだった。

緩む頬を引き締めて、急いで点検を終わらせる私だった。

Happy  End

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