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マリアージュ プロローグ

【カフェテラス】

鳴子

「今日頑張ったら、明日はお休みだね」

昼食を食べ終わると、鳴子がため息交じりに漏らす。

サトコ

「どうしたの?」

鳴子

「実はさあ‥週末から来月にかけて、親戚や友達の結婚式が立て続けにあるんだよね」

「みんな同世代だし、なーんか私も焦っちゃって」

サトコ

「確かに、私たちってそういう年頃だもんね」

鳴子

「でしょ?」

「あーあ、どっかにいい男いないかなー!」

鳴子はキョロキョロと辺りを見回し、「あっ!」と声を上げる。

鳴子

「千葉さんって、いい旦那さんになりそうだと思わない?」

サトコ

「千葉さんか‥」

【改札】(妄想)

(仕事が長引いちゃった‥)

改札を抜けて、大輔くんの姿を探す。

千葉

「サトコ!」

大輔くんは満面の笑顔で、私を出迎えてくれる。

サトコ

「ごめんね、遅くなっちゃって」

千葉

「大丈夫。今日も仕事お疲れ様」

「さ、帰ろう?」

私たちは自然な流れで手を繋ぎ、帰路に着いた。

【家】

家に着いてしばらくすると、熱々の料理が並べられる。

サトコ

「ん~、美味しい!」

千葉

「ははっ、よかった。たくさん作ったから、遠慮なく食べろよ?」

サトコ

「うん!」

美味しいご飯は、身も心も満たしてくれる。

(ご飯だけじゃなくて、掃除も完璧にこなしてくれるし‥)

辛い時は何も言わずに傍にいてくれる。

愚痴だって、いつも笑顔で頷いて聞いてくれていた。

サトコ

「大輔くん、いつもありがとう」

千葉

「どうしたんだよ、改まって」

サトコ

「ふふっ、私って幸せ者だなって思って」

千葉

「‥オレだって、サトコと一緒になれて幸せだよ」

【カフェテラス】(現実)

鳴子

「‥そういや千葉さんって大輔って名前だったね」

サトコ

「鳴子ひどいよそれは~」

鳴子

「ごめんごめん。下の名前で呼ぶことないからさ」

「それはそうと千葉さんは尽くすタイプだから、絶対主夫が似合うと思うんだよね」

サトコ

「確かに、似合いそう‥」

鳴子

「でしょ?あとは‥」

鳴子の視線を追うと、廊下に黒澤さんの姿が見えた。

鳴子

「黒澤さんと結婚したら、毎日楽しそうだよね」

サトコ

「あ、分かるかも。記念日とかしっかり覚えててくれそうだし」

【改札】(妄想)

(ふふっ、久しぶりのデート楽しみだな)

透さんからのお誘いで、仕事終わりに駅前で待ち合わせしていた。

(透さん、まだかな‥)

時間を確認していると、後ろから肩を叩かれる。

(誰だろう?)

黒澤

サトコさん!

サトコ

「わぁ!」

振り返ると目の前には花束があり、透さんが顔を覗かせていた。

黒澤

ビックリしました?

サトコ

「はい‥」

黒澤

ははっ、サプライズ成功ですね!

透さんは満面の笑みを浮かべると、私に花束を差し出す。

黒澤

覚えてました?今日はオレたちが出会った日なんですよ

【カフェテラス】(現実)

鳴子

「記念日に花束くれるってよくない!?」

「黒澤さんってサプライズとか好きそうなイメージだし!」

「実際に2人と付き合いたいとかって話じゃないけど、そういう旦那さんがいいよね」

サトコ

「うん、なんかちょっと分かるかも」

鳴子

「やっぱ、分かる!?ねぇ、サトコも何かない?」

鳴子

「理想の旦那さんとか、理想のプロポーズとかさ」

サトコ

「そうだなぁ‥」

理想を描くため、愛しい彼の姿を思い浮かべる。

私が思い浮かべたのは‥‥

<選択してください>

A:後藤

B:加賀

C:石神

D:颯馬

E:東雲

F:難波

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