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アナタの誕生日 プロローグ

【廊下】

成田

「氷川サトコ」

じっとりとした声に呼び止められる。

(げっ、この声は‥)

サトコ

「成田教官‥」

成田

「随分と浮かれているようだな」

サトコ

「そんな!全然!平常心ですが‥」

成田

「お前の頬が緩んでいるのは、いつものことか」

サトコ

「‥‥‥」

(成田教官、相変わらず嫌味だな‥)

サトコ

「あの、何か‥?」

成田

「今日、先日の小テストの返却がある」

「お前の成績はまたひどいものだったな」

サトコ

「‥申し訳ありません」

(ちょうど任務と重なってて、自分でも揮わなかったのはわかってるけど)

成田

「常日頃から浮かれているから、こんな点しかとれないのではないのかね」

サトコ

「はい‥」

ネチネチと続く成田教官のお説教。

成田

「気を抜かずに、しっかりやるんだな」

サトコ

「はい!」

やっと解放され、私はほっと一息つく。

(まさか今日の始まりが、こんなことになるとは‥)

誕生日の始まりとしては好ましくないけれど、反対に考えれば今日はまだ始まったばかり。

(このあとはカレと一緒に過ごす約束もあるし、まだまだこれからだよね!)

気を取り直すと、前を真っ直ぐ向いて歩きはじめる。

私が今日一緒に誕生日を過ごすカレは‥‥‥

<選択してください>

A: 後藤

B: 東雲

C: 難波

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