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総選挙2016公約達成 後藤1話

後藤×奪い合い 「罪な浴衣姿 ~桂木班VS後藤~」

【後藤 マンション】

サトコ

「お待たせしました」

夕食が出来上がり、テーブルに並べる。

学校が終わり、私は後藤さんの家にお邪魔していた。

後藤

いただきます

後藤さんは両手を合わせると、おかずを口に運ぶ。

後藤

美味いな

サトコ

「ほんとですか?お口に合ってよかったです」

そう言いながら、後藤さんから褒められたおかずに箸を伸ばす。

(‥‥ん、我ながらいい出来だな)

後藤さんの家にお邪魔するようになってから、料理の腕が上がったように思う。

後藤

今日は泊まっていくか?

サトコ

「はい、後藤さんさえよければ」

私の返答に、後藤さんが「当たり前だ」と言って微笑む。

(‥ご飯を作ったり、後藤さんの家に泊まることも日常になってきた)

(それだけ距離が縮まってきてるってことかな?)

付き合い始めてからの時間が長くなり、こうした何気ない日常に幸せを感じる。

後藤

サトコ、週末の休みだが‥どこか一緒に出掛けるか?

サトコ

「はい!」

元気よく返事をする私に、後藤さんは笑みを漏らす。

後藤

どこに行きたい?

サトコ

「そうですね‥」

(久しぶりの連休だし、ちょっと遠出するのもいいよね)

(できたばかりのアウトレットモールにも行ってみたいし)

(せっかくだし、ゆっくりできる場所とかも‥)

サトコ

「うーん‥」

後藤

ずいぶん悩んでいるな

サトコ

「行きたいところがありすぎて、迷ってて‥」

「後藤さんは、どこか行きたいところはありますか?」

後藤

‥‥‥

後藤さんは少し考えてから、口を開く。

後藤

気温も下がってきているし、温泉なんかどうだ?

最近は実践訓練も多かったし、ゆっくり休むのもいいだろ

サトコ

「いいですね!」

後藤さんの提案に、パッと顔を明るくする。

後藤

それじゃ、決まりだな

サトコ

「はい!」

(後藤さんと温泉かぁ。楽しみだな)

【車内】

後藤

‥‥‥

週末になり、旅館に向かっているものの‥‥

(車、全然動かないな‥)

渋滞に巻き込まれて、予定よりかなりの時間が過ぎていた。

サトコ

「まだ抜けられそうにないですね」

後藤

ああ

(このままだと、旅館に着く頃には日が暮れちゃうかも)

後藤

まさか、こんなに渋滞するなんてな‥

後藤さんは申し訳なさそうに口にする。

サトコ

「お休みですし、仕方ないですよ」

「それに到着するまでの間、後藤さんとたくさん話が出来るじゃないですか」

後藤

アンタはいつも前向きだな

サトコ

「はい!それだけが取り柄ですから」

後藤

‥‥‥

元気よく答えると、後藤さんはチラリと私を見る。

後藤

‥アンタのいいところは、他にもたくさんあるんだが

サトコ

「え?」

後藤さんが、ぽつりと呟いた。

(声が小さくてよく聞こえなかったけど、なんて言ったんだろう‥?)

後藤

なんでもない

首を傾げていると、後藤さんはフッと微笑む。

それから私たちは旅館に到着するまでの間、色々な話に花を咲かせた。

【旅館】

女将

「こちらのお部屋になります」

旅館に到着して案内されたのは、落ち着いた雰囲気の部屋だった。

サトコ

「素敵なお部屋ですね」

後藤

ああ

女将

「ありがとうございます」

私たちの言葉に、女将さんが嬉しそうに微笑む。

女将

「早速ですが、温泉はいかがでしょうか?浴衣をご用意しております」

サトコ

「わぁ‥!」

(可愛い浴衣!)

女将

「お夕食は18時からになりますので、お好きな時間に大広間へお越しください」

女将さんは頭を下げると、客室を後にした。

サトコ

「後藤さん、温泉に行きませんか?」

後藤

そうだな

ウキウキした気持ちで、浴衣を手にする。

後藤

その浴衣、サトコに似合いそうだ

サトコ

「そうですか?後藤さんの方がきっと似合いますよ!」

後藤

そうか、なら勝負だな

後藤さんの言葉に、私は笑みを返した。

【温泉】

サトコ

「はぁ‥」

湯船に肩までつかり、大きく息を吐く。

サトコ

「気持ちいいなぁ‥」

心地よい温度の温泉が、日頃の疲れを癒してくれる。

(今日は後藤さんと2人きり、なんだよね)

(後藤さんとは何回も温泉に行ってるけど‥)

浴衣姿の後藤さんは、いつにも増してかっこよく見える。

(2人きりだと余計に意識しちゃうし‥緊張するな)

【廊下】

お風呂から上がり、浴衣に袖を通す。

(わ‥この浴衣かわいい!)

(後藤さん、どんな反応するかな?)

【部屋】

サトコ

「お待たせしました」

部屋に着き、後藤さんの元へと駆け寄る。

後藤

‥‥‥

サトコ

「あの‥?」

後藤さんはじっと私を見つめると、口元を緩める。

後藤

‥やっぱり、似合ってる

ふいに、後藤さんの唇が首筋に触れた。

サトコ

「っ‥」

慈しむように触れる唇に、小さく身じろぐ。

(後藤さんって、浴衣の時はなんだか強引‥)

そう思うものの、嫌な気は全然しなくて‥。

後藤

似合いすぎて、困るくらいだ

サトコ

「ん‥」

後藤さんは私の顎に手を掛けると、口づけをした。

段々と深くなっていくキスに、息が絶え絶えになる。

サトコ

「っ、後藤、さん‥」

少しだけ顔が離れ、頬に熱が上がるのを感じながら後藤さんを見つめる。

後藤

目、潤んでる

サトコ

「んっ‥」

甘い声音で囁かれ、もう一度唇が重なった。

後藤さんから注がれる愛情に必死に応え、しばらくして名残惜しそうに唇が離れた。

<選択してください>

A: 後藤の浴衣をギュッと握る

(そろそろ夕飯の時間だけど‥)

離れがたくて、後藤さんの浴衣をギュッと握る。

後藤

サトコ‥

後藤さんは優しい声音で私の名前を呟き、背中を撫でる。

サトコ

「もう少しだけ、こうしていてもいいですか?」

後藤

ああ

薄く微笑むと、もう一度私の唇を塞いだ。

B: そろそろ大広間へ行きますか?

サトコ

「‥そろそろ大広間へ行きますか?」

後藤さんから受けた熱がくすぐったくて、照れ隠しをするように言う。

後藤

ああ‥

サトコ

「‥?」

返事をするも、後藤さんは私を抱きしめたままで。

サトコ

「あの‥」

後藤

‥もう少し、いいか?

サトコ

「ん‥」

私を強く抱きしめると、再びキスが降り注いだ。

C: もう1回、してください

サトコ

「‥もう1回、してください」

気付いたら、そんな言葉が口をついていた。

後藤

お前な‥

後藤さんは苦笑いすると、私の唇をそっと撫でる。

後藤

‥煽ってるのか?

サトコ

「そ、そういうわけじゃ‥」

後藤

なら、どういうわけなんだ?

サトコ

「っ‥」

返事に困り口をつぐむと、後藤さんは口元に笑みを浮かべる。

後藤

‥本当、敵わないな

サトコ

「ん‥」

再び、後藤さんから唇に温もりが贈られた。

(もう少し、こうしていたいけど‥)

サトコ

「‥そろそろ、行きますか?」

後藤

そうだな

私たちは名残惜しそうに離れると、大広間へ向かった。

【廊下】

???

「今日は無礼講だー!」

大広間の前に行くと、扉の向こうからそんな声が聞こえてきた。

サトコ

「賑やかですね」

後藤

ああ

後藤さんは扉に目を向けたまま、眉間にシワを寄せる。

後藤

この声は‥

サトコ

「あの‥?」

後藤

‥‥‥

後藤さんは迷ったように障子に手を掛けた。

後藤

やっぱりな‥

部屋に入るなり、後藤さんはある一点を見て大きなため息をつく。

サトコ

「どうかしましたか?」

視線を追うと、そこには見覚えのある顔があった。

海司

「この刺身、美味いっすね」

桂木

「ああ。酒によく合うな」

そら

「はぁ~毎日慰安旅行が続けばいいのにな~」

瑞貴

「ふふ」

「お風呂も良かったですし、キャサリンたちも連れて来てあげたかったな」

そら

「お前な、リスは温泉に‥」

「って、サトコちゃん?」

サトコ

「ど、どうも」

慰安旅行に来ているらしい広末さんと視線が合い、会釈する。

サトコ

「ご無沙汰してます」

そら

「サトコちゃんも来てたんだね!あと、スパイの手下も」

(す、スパイ‥?)

チラリと後藤さんを見ると、苦い顔をしている。

「なんでお前がいるんだよ」

後藤

それはこっちの台詞だ

サトコ

「あ、一柳教官!えっと今日は捜査で来ていて‥」

「フッ‥わかったわかった」

「そろそろ名前で呼べよ。サトコ」

一柳教官にたしなめられていると、背後から大きなため息が聞こえた。

後藤

こんな所に来てまでお前の顔を見るなんて、最悪だな

「だったら今すぐ帰れよ」

「ああ、サトコは俺たちが面倒見てやるから安心しろよ」

後藤

なんだと?

サトコ

「あ、あの‥おふたりとも、落ち着いて‥」

後藤・昴

「‥‥‥」

声が届いてるのかいないのか、2人は睨み合っている。

桂木

「お前ら、その辺にしておけ。氷川さんが困っているだろ?」

後藤

‥‥‥

「チッ」

そら

「ねぇねぇ、よかったらサトコちゃんたちも一緒に食べない?」

サトコ

「え?」

海司

「ですね。飯は大人数で食った方が美味いですし」

サトコ

「えっと‥」

<選択してください>

A: ぜひ、ご一緒させてください

(断るのもあれだし‥)

サトコ

「ぜひ、ご一緒させてください」

後藤

おい‥

私の返事に、後藤さんは不服そうに声をも漏らす。

サトコ

「せっかくのお誘いですし、ね?」

後藤

‥分かった

後藤さんはそう言いながら、ため息をついた。

B: 後藤さん、どうしますか?

(私だけじゃ決められないし‥)

サトコ

「後藤さん、どうしますか?」

後藤

どうもこうもな‥

(あっ、嫌そう‥)

だけど、桂木さんがいる手前か言葉を濁している。

桂木

「もちろん無理にとは言わないが、よかったらどうだ?」

後藤

‥そうですね。せっかくですし、ご一緒させてもらいます

C: 今回は遠慮します

(断らない方がいいのは分かってるけど‥)

後藤さんと2人きりがいい‥‥そんな思いもあった。

サトコ

「すみませんが‥今回は遠慮します」

そら

「えー、どうしてもダメ?」

「せっかくだからサトコちゃんと一緒がいいな」

瑞貴

「そらさん、あまり無理を言ったらダメですよ」

「ね、サトコさん?」

藤咲さんはチラリと後藤さんを見て、にっこり微笑む。

(うっ、これはもしかして‥)

勘が鋭そうな藤咲さんに、嫌な汗が流れる。

サトコ

「や、やっぱり、ご一緒させてください!」

「いいですよね、後藤さん!?」

後藤

‥ああ

後藤さんは渋々といった様子で、頷いた。

そら

「んじゃ、海司に瑞貴!もうちょいそっち詰めて」

場所を開けてもらい、私と後藤さんは席に着く。

そら

「サトコちゃん、ビールでいい?」

サトコ

「はい、ありがとうございます」

ビールを注いでもらい、皆がグラスを持つ。

そら

「それじゃ、桂木さん。改めて乾杯をお願いします!」

桂木

「ああ」

桂木さんは立ち上がると、皆を見回す。

桂木

「こうして全員が揃うのは久しぶりだな。今回の親睦会を通して、さらに‥‥」

そら

「かんぱーい!」

SPたち

「乾杯!」

サトコ

「え、えっと‥乾杯?」

桂木

「‥‥‥」

桂木さんはがくりと肩を落とし、そのまま腰を下ろす。

サトコ

「あの、良かったんですか?桂木さん、話の途中だったんじゃ‥」

そら

「大丈夫!あれ、毎回恒例だから」

サトコ

「そ、そうなんですね」

(桂木さんって班長だったよね‥?)

いい意味で、皆さんの仲の良さを表しているのかもしれない。

後藤

桂木さん、どうぞ

桂木

「ああ、悪いな」

後藤さんは桂木さんの元へ行き、お酌をしている。

桂木

「後藤たちは、温泉に入ったか?」

後藤

はい。夕飯の前に‥

一緒にお酒を飲みながら、後藤さんはそのまま桂木さんと話し始める。

(一柳教官とは、いつも言い合いしてるけど‥)

(桂木さんとは、比較的相性がいいのかな?)

瑞貴

「サトコさん、隣いいですか?」

サトコ

「あっ、はい」

藤咲さんは微笑みながら、私の隣に座る。

瑞貴

「まさか、こんなところでお会いするなんて思いませんでした」

サトコ

「そうですね。私もビックリしました」

瑞貴

「ふふっ、その浴衣とてもよく似合っていますよ」

サトコ

「!」

アイドルスマイルで言われ、思わず頬が熱くなる。

サトコ

「あ、ありがとうございます」

瑞貴

「でも‥」

「さすがに後藤さんと一緒なら、僕はなにも出来ませんね」

サトコ

「えっ?」

ニコニコと笑顔の藤咲さんに、困惑する。

(どういう意味だろう‥?)

瑞貴

「あ」

藤咲さんが声を漏らし、ふと視線を向けると後藤さんがこちらに戻ろうとしていた。

瑞貴

「それじゃ、僕も戻りますね」

サトコ

「はい。お話してくださってありがとうございます」

瑞貴

「サトコさん」

ふいに藤咲さんの顔が近づき、私だけに聞こえるように囁かれる。

瑞貴

「今日のサトコさん、すごく魅力的ですよ」

サトコ

「!」

(さ、サラッとあんなこと言うなんて‥さすがアイドル‥)

後藤

氷川?

後藤さんは今まで藤咲さんがいた席に座ると、不思議そうに私を見る。

後藤

藤咲と何話してたんだ?

サトコ

「そ、その‥」

「夏祭りの時もあったし、よく会いますねって話してたんです」

後藤

そうか

特に気にする様子もなく、後藤さんはお酒を口にする。

後藤さんの頬は、ほのかに赤くなっていた。

後藤

グラス、空いてるぞ?

サトコ

「あっ、すみません」

後藤さんは近くになる瓶ビールを取り、お酌をしてくれる。

(桂木さんと話してる時も飲んでたし、酔いが回ってるのかな?)

そんなことを思いながらグラスを持ちあげると‥‥

(えっ?)

誰かが私のグラスにコツンと乾杯をして、目の前に座った。

to  be  continued

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