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カレらが執事になったら 1話

我が家に執事たちが来て、数日が経ったーー

相変わらず、癒されているのか癒されていないのか分からないまま執事たちが待つ家に帰宅する‥

【玄関】

後藤

おかえりなさいませ、お嬢様

サトコ

「は、はい‥ただいま帰りました」

颯馬

失礼いたします、お嬢様

私の足元にしゃがみ込み、颯馬さんが靴を脱がせてくれる。

サトコ

「じ、自分で出来ますから!」

颯馬

お嬢様は、どうかそのままで

サトコ

「いや、あの‥」

颯馬さんは私の言葉を聞かず、仕事をまっとうする。

(こうして毎日、みんな私に尽くしてくれるけど)

(自分でもできることをやってもらうのって、なんか申し訳ないな)

東雲

お食事とお風呂、どちらを先になさいますか?お嬢様

サトコ

「えーっと‥」

加賀

さっさと決めろ、グズ

(今聞かれたばかりなのに‥!)

サトコ

「じゃあ、今日は忙しくてお昼から何も食べていないので、ご飯でお願いいたします!」

相変わらずの扱いにガッカリしながらも、色んなことが準備されていることに感謝をする。

【リビング】

コートや鞄を執事に預け、いつものようにリビングに行くと、石神さんがクッションを準備してくれた。

サトコ

「ありがとうございます」

石神

礼を言われるほどのことではない

今日のメニューは颯馬さんが作ってくれた手打ちそばだった。

後藤

‥今日はあーんは‥必要か?

サトコ

「じ、自分で食べれますから‥!」

後藤

‥分かった

後藤さんに見守られながらあっという間にそばを食べ終える。

加賀さんが嫌々ながらも淹れてくれた紅茶を飲んでいると、目の前に美味しそうなスイーツが置かれた。

(プリンと大福‥?)

颯馬

今日のデザートです

(そういえばこの間は0時になって食べれずじまいだったっけ)

(どっちも美味しそうだけど、どっちから食べよう‥)

加賀

食後は、大福に決まってるよな?お嬢様

石神

いや、口直しにはプリンだ。‥お嬢様

サトコ

「え、えっ‥!?」

東雲

両方食べたら太るし、どっちかしか選べないよ?

(ど、どうしよう‥!威圧感がすごすぎる!)

(どっちかを選んだら、残るどっちかに殺られる気さえする‥!)

ふと見ると、すぐ近くに美味しそうなパンケーキを見つけた。

サトコ

「私、今日はこれにします!」

東雲

は?それはオレの‥

サトコ

「んー!ふわっふわで美味しい!」

颯馬

フフ、よかったですね?歩

東雲

‥そりゃそうでしょ。オレが作ったんだから

サトコ

「東雲さん、オムライスも完璧だったしすごいですよね!」

加賀

チッ‥

石神

プリンのよさがわからないとは‥呆れたな

サトコ

「おいし~食後のデザートって幸せですね」

もう一口食べようとすると、横からお皿ごと取り上げられてしまう。

サトコ

「あっ!何するんですか!」

東雲

ていうか、そば食べた後にパンケーキとか‥

後藤

夜遅くに食べ過ぎはよくないな‥お嬢様

サトコ

「そんなぁ‥」

東雲

それ以上太ってもいいんですか?‥お嬢サマ

後藤

トレーニングなら、いつでも付き合うぞ?お嬢様

サトコ

「うっ‥」

(なんか‥みんな、わざと最後に『お嬢様』って付けてるよね!?)

(確かに、この時間からのパンケーキはマズイ気がする‥)

渋々諦め、今日も厳しい執事たちに鍛えられる私だった‥

神様‥いつになったら私は、執事に癒してもらえる日が来るのでしょうか‥?

夜空を見上げながら、必死に祈る私でした‥

End

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