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ボーイズトーク 加賀

~袖のボタンの行方~

【教官室】

加賀
颯馬‥

颯馬
お疲れ様です。加賀さん

加賀
ああ
これ、借りてた教材だ。助かった

颯馬
それはよかったです

借りていた教科書を颯馬のデスクの上に置く加賀。
笑顔で受け答えする颯馬の視線が、加賀の腕にいく。

颯馬
あれ?袖のボタン、どうしたんですか?
取れてますよ

加賀
あ゛?

颯馬に言われ、袖を見るとYシャツのボタンがないことに気が付く。

(あの時か‥?)

加賀はお昼休みの資料保管室での出来事を思い出す。

【資料室】

サトコ
「っ‥加賀さん!ま、待ってください」

加賀
黙れ‥

サトコ
「でも、誰か来たら‥」

加賀
テメェが声を殺せば済むことだ

サトコ
「んっ‥‥」

サトコ
「加賀さんっ、もう限界で‥す‥っ」

加賀
ほぅ‥昨日の言葉を忘れた訳じゃねぇよな?

必死に抵抗しようと、加賀の腕を掴むサトコ。

(駄犬が‥無駄な抵抗しやがって)

加賀
止めて欲しいなら、どうしたらいいかわかるよな?

サトコ
「っ‥意地悪です」

加賀
上等だ、クズが‥

サトコの頭部に手を回し、目線を合わせる。

【教官室】

(少し虐めすぎたか‥)

ボタンが付いていない袖に触れ、フッと笑う。

加賀
ああ‥どっかに落としたらしい

加賀は何事もなかったかのように、颯馬の質問をかわす。
すると‥

颯馬
フフ‥

加賀
‥なんだ

不気味な笑みを浮かばせた颯馬に、加賀は不機嫌な声色になる。

颯馬
いえ‥コレ、先ほど資料保管室で拾ったんです

そう言いながら、手のひらを広げる颯馬。
颯馬の手の中からYシャツのボタンらしきものが出て来る。

颯馬
加賀さんのボタンだったんですね

加賀
‥‥‥

加賀にボタンを手渡した颯馬は、どこか楽しそうな顔をしている。

(難波さんとこいつだけは何を考えてるのかわからねぇ‥)

???
「あれれ?加賀さん、ボタン取れちゃったんですか?」

いつの間に現れたのか、加賀の後ろからヒョイッと黒澤が顔を覗かせる。

加賀
チッ‥

黒澤
オレ、ソーイングセット持っているので縫いますよ★
何故、オレが常にソーイングセットを持っているかって?
それは‥いつでもどこでも、みなさんのお役に立てる黒澤でありたいからですっ!

加賀
‥‥‥

黒澤
って、加賀さん!聞いてくださいよ~

ひとりで勝手に話し始めた黒澤を無視し、デスクに戻る加賀。

(後でクズに責任取らせて縫わせるか‥)

告げた時のサトコの反応を思い浮かべ、仕事を始める。

黒澤
なぜでしょう‥
加賀さんに無視されると、こう‥なんだかゾクゾクきますぅ~!

颯馬
‥‥‥

加賀
‥‥‥

黒澤
‥ほんとに無視ですね

加賀
‥‥‥

颯馬
‥‥‥

黒澤
‥ッ

黒澤
ごっ、後藤さんを探してきま~~~~~~~す!!!

Happy  End

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