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テーマパーク プロローグ2



【カフェ】

サトコ
「はー、カレーおいしいー」

(なんて···)

後藤
······

加賀
······

石神
······

東雲
怠···

颯馬
······

(うーん···)
(『皆で行きましょう』って声をかけたの、失敗だったかな)

石神
エビフライカレーか

サトコ
「はい!」
「お腹が空いていたので、ガッツリ食べようと思って」
「石神教官は何を食べているんですか?」

石神
俺は···

加賀
おい、クズ。こっちを向け

サトコ
「はい、なにか···」

振り向いた途端、加賀教官に唇を拭われる。

サトコ
「あ、あの···?」

加賀
フライの衣がついてる。ガキが、お前は

サトコ
「す、すみません···」

石神
だったら口頭で注意すればいいだろう

加賀
この方が早いだろうが

石神
お前は言葉が少なすぎる

加賀
テメェこそ、本音を言わなさすぎだ

(な、なんでまた言い合いに···)

東雲
あれ?そのエビフライ、食べないの?

サトコ
「えっ」

東雲
じゃあ···

(ああっ···私のエビフライが···っ!)

後藤
歩、行儀が悪いぞ

東雲
でも彼女、残すって言うんで

サトコ
「そ、そんなのひと言も言ってません!」
「最後に食べるつもりだったのに···」
「楽しみにとっておいたのに···」

後藤
···俺のヒレカツでも食べるか

サトコ
「え、いいんですか?」

東雲
変わり身早っ
やめなよ。太るって

颯馬
歩の言う通りですよ
それよりワインはいかがです?

サトコ
「その前に、今、さりげなく酷いことを言われた気が···」

後藤
周さん···まだ日が高いですよ

颯馬
大丈夫ですよ。1杯だけですから
ところで次のアトラクションですが···
こちらはいかがでしょうか?

颯馬教官が、チラシを1枚広げる。

後藤
脱出ゲームですか

サトコ
「『TOKYOポリス in ワンダーランド』···?」

颯馬
黒澤からチケットを受け取る時に渡されたんです
せっかくだから皆で行ってみませんか?


【アトラクション前】

昼食を終えた私は、脱出ゲームの前に来ていた。

石神
なるほど、問題を解きながら先に進むのか

後藤
脱出成功率8%···
いずれも5人以上のグループがうまくいっているようですね

加賀
ったく、くだらねぇ

石神
おい、加賀!

東雲
仕方ないなぁ
じゃあ、オレも兵吾さんについていきますんで

颯馬
「···結局、4人になりましたね

石神
では我々4人で進むとしよう

【アトラクション内】

後藤
これは···『殺人事件が起きた』という設定のようですね

石神
我々は『刑事』として謎を解くというわけか

サトコ
「問題は全部で15問···制限時間60分···」

石神
あまり時間がないな

後藤
石神さん、指示を

石神
では、謎解きは俺と後藤で行う
颯馬と氷川は情報収集をしてくれ

颯馬
いえ、情報収集なら私1人で十分です
むしろ彼女は、謎解きに回した方が良いかと

石神
では、そうしよう。行くぞ、後藤、氷川

2人
「はい!」

1問目は被害者が残したダイイングメッセージの解読だった。

サトコ
「血文字のメッセージ···推理小説っぽいですね」
「こういうの、教官たちは見たことがあるんですか?」

後藤
実際の現場で?
あるわけないだろう

石神
現実的な話をするなら
被害者がダイイングメッセージを残すのは、ほぼありえないと言われている

(そっか···推理小説と現実は違うよね)

石神
解読できそうか、後藤

後藤
こういうのは、歩や黒澤が得意なんですけどね

それでも順調に謎を解き続け、私たちはどんどん先へと進んでいく。

石神
次は6問目か。時間は···

後藤
あと40分です

(ほとんどの人たちは3問目でつまずいてる···)
(やっぱり、教官たちってすごいんだな)

6問目も解き、7問目に向かうところで道が2つに分かれていた。

石神
これは···二手に分かれろ、ということか

後藤
恐らくそうでしょう

颯馬
その必要はありませんよ
ひとまず右のAコースに進んでください
そうすれば問題ないかと

石神
何を企んでいる?

颯馬
人聞きが悪いですね。企んではいませんよ

石神
···わかった。Aに進むことにしよう

ここからは颯馬教官も加わって、4人で問題を解いていく。

石神
問7···『壁ドンをしろ』···
なんだ、『壁ドン』というのは

後藤
隣人が煩い時、ドンッと壁を殴ることじゃないですか?
それで警察が出動するケースも増えてますから

颯馬
フフ、それも間違いではありませんが···
今回は恐らく違います
加賀さんがよくやっているアレのことです。こんな風に···

ドンッ!

(ああっ、颯馬教官が石神教官に壁ドンを···!)

石神
ああ···いわゆる恐喝の手段だな

颯馬
そうです。ですが、私たちでは様になりませんから···
後藤、サトコさんにやりなさい

サトコ
「ええっ!?」

後藤
いや、俺は···

颯馬
後藤

石神
よくわからんが、後藤、任せた

後藤
···わかりました
じゃあ、氷川···そこに立ってくれ

サトコ
「は、はい···」

ドンッ!

後藤
······

サトコ
「······」

(か···顔が近い···っ)

後藤
これは···ヘンな気持ちになるな···

サトコ
「そ、そうですね···」

スタッフ
「問7、クリアです」

(よ、よかった···)

石神
···なぜあの2人は照れているんだ?

颯馬
男女でやると、恐喝じゃなくなるからじゃないですか?

石神
そうなのか?

その後も、少しずつ難しくなっていく問題を何とか解き‥


サトコ
「次は14問目ですね」

後藤
Aコース8問目と12問目···Bコース7問目と10問目の答えの頭文字をつなげろ

サトコ
「えっ、でも私たち、Aコースの答えしかわからないですよ」

石神
仕方がない。Bコースを進んだ者を探して···

東雲
その必要はないですよ

(えっ···)

東雲
Bコースはオレと兵吾さんで解きましたから

加賀
解いたのはほとんど俺だろうが、このガキが

東雲
だってオレが本気出したら、瞬殺過ぎてつまらないじゃないですか

颯馬
フフ、やっぱり思っていた通りでしたね

後藤
周さん、知っていたんですか?

颯馬
ええ、参加者の女性たちがウワサしてましたから
ライオンと女豹が、Bコースでお姫様抱っこをしていたと

サトコ
「ええっ」

(そ、それは2人が他の女性参加者を···ってこと?)
(それとも、まさかライオンwith女豹で···)

石神
3人とも来い。14問目が解けたぞ

加賀
あと1問だな

東雲
制限時間も残り3分ですけどね

(最後の問題は···)

サトコ
「問15···『君は犯人の〇〇に噛み付いた』···」
「『〇〇に当てはまる文字を答えよ』···」
「ヒント···『三鼓外3』···」

後藤
これは···暗号なのか?

颯馬
なぞなぞのような気もしますけどね

加賀

東雲
なぞなぞなら、姪っ子さんがいる兵吾さんの方が得意なんじゃないですか?

石神
『3』が二種類あるな。漢数字と英数字か···

颯馬
そのあたりが謎を解く鍵かもしれませんね
たとえば指···『3』なら中指とか···

石神
それだと『鼓』と『外』の謎が解けないだろう

後藤
『ミコゲ』···『サンツヅミソト』···

東雲
残り1分···

(せっかくここまで来たんだから、なんとかクリアしたいよ)
(教官たちと一緒に···)

サトコ
「あ···!」

(三)

(鼓)

(外)

(3‥)

(だから···)

サトコ
「『耳』!『耳』です、きっと!」

石神
根拠は?

サトコ
「このヒント、耳の作りを示してるんだと思うんです」
「奥から三半規管・鼓膜・外耳···で、数字の『3』は耳の形とか」

加賀
···あり得るな

石神
氷川、答えてこい

サトコ
「はい!」

私はマイクを手に取ると、答えを叫んだ。

サトコ
「15問目は『耳』!『犯人の「耳」に噛み付いた』です!」

スタッフ
「······」
「··正解。全問クリアです」

サトコ
「やったー!」


【アトラクション外】

外に出たとたん、くす玉が割られて紙吹雪が舞い散る。

後藤
ずいぶんと派手なお出迎えだな

颯馬
それだけ珍しいのでしょう

東雲
余裕でしたけどね···お姫さま抱っこ以外は

石神
目立つのは不本意なのだが···

加賀
たまにはいいだろ。今日は休日だ

(よかった。教官たち、やっと笑顔になってくれた)
(頑張ったかいがあったな)

後藤
それにしても、最後の答え···氷川はよく気が付いたな

加賀
クズのわりに健闘したじゃねぇか

サトコ
「あ、それはただの偶然っていうか···」
「教官たちの『キャラ耳』を見ていたらピンときて···」

そこに、パークのスタッフさんがやってきた。

スタッフ
「皆様、おつかれさまでした」
「こちら、クリア記念のメダルと···」
「勝者の証『ドラゴンのキャラ耳』です」

(また『キャラ耳』···)

後藤
···誰がつけるんですか

加賀
サイボーグでいいだろ

石神
俺はこれで十分だ

颯馬
貴女はいかがですか?

サトコ
「いえ、私には『ゾウ』がありますし」

東雲
だったら、いっそ···

???
「ほら、見てください!やっぱりクリアしましたよ!」

???
「おー、さすがは俺の部下だな」

(この声は···)

サトコ
「黒澤さん!?それに室長も···」

黒澤
どーもどーも、皆さんお疲れさまでした~

石神
どういうことだ、黒澤

黒澤
ははっ、実はですねー
難波室長が『ドラゴンのキャラ耳』が欲しいというので
みなさんに頑張ってもらったといいますか···
5人が力を合わせれば、きっとクリアできるだろうと···

颯馬
それで、私たちを騙して集めた、と?

東雲
いい度胸してるね、透

教官たちは、黒澤さんを囲むようにして詰め寄っていく。

黒澤
えっ、でも、あの···
元はといえば難波室長が···

難波
俺が声をかけたのは、あくまで黒澤1人だけどな

黒澤
室長~~~っ!

サトコ
「あの···じゃあ、私が呼び出されたのは···」

難波
オマケみたいなものだろ
さすがに男5人でテーマパークはキツイからな

サトコ
「はぁ···」

(なんだ、そういうこと···)

難波
まぁ、お前も災難だったな。黒澤の策略に巻き込まれちまって

サトコ
「いえ、そんなことは···」
「むしろ、来てよかったです」

難波
ん?

サトコ
「教官たちと過ごせて楽しかったですし」
「こんな機会、なかなかないですから」

難波
···そうか

(でも、できれば···)
(少しだけでも『あの人』と2人きりで過ごしたかったな)

そのとき、黒澤さんを囲む輪からはずれて「あの人」がやってきた。

「あの人」は······

<選択してください>

A: 後藤

B: 加賀

C: 石神

D: 颯馬

E: 東雲



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