【会議室】
ある日の昼下がり···それは突然の呼び出しだった。
サトコ
「失礼します」
石神
「来たか」
颯馬
「来ましたね」
黒澤
「お疲れさまでーす」
後藤
「黒澤、緊張感が薄れる」
会議室に入ると、そこには石神班の面々が揃っている。
(あらためて見ると、壮観···)
(でも、このメンバーが揃ってるってことは···)
サトコ
「事件、ですか?」
石神
「ああ。まずは、そこに座れ」
サトコ
「はい」
私が座ると、石神教官が皆を見渡せる位置に立った。
石神
「今回の任務は拳銃などの武器を密輸している犯罪組織を捕えることだ」
「ターゲットとなる組織は国外から武器のパーツを持ち込み···」
「国内で武器を組み立て、テログループなどに流している可能性が高い」
「これが主犯とされる男の顔だ」
石神教官が一枚の写真を会議室のテーブルに置く。
そこにはごく普通の中年男性が写っていた。
サトコ
「この人が着てるのって···有名家電量販店の制服ですよね」
黒澤
「 “他店より高いものは許さない!” っていう有名な煽り文句の」
石神
「容疑者は三田村浩二、35歳。家電量販店ミツバチカメラで働く男だ」
颯馬
「一見、無害そうな男に見えますね」
石神
「ああ。いかにも···というタイプの容疑者ではない」
「現在上がってきている情報は、ごく普通の会社員と大差ない状態だ」
「従って、この男が事件に関与している物証、動機、仲間の有無について調べていく」
そこまで説明した石神教官が私に視線を移した。
石神
「訓練生である氷川を呼んだのは、今回の容疑者の行動圏が一般人に近いためだ」
「不審がられずターゲットと接触するために、カップルを装い捜査にあたってほしい」
サトコ
「わかりました。それで、私は誰と捜査に···」
黒澤
「ここはやっぱりオレですよね~」
颯馬
「先輩を差し置いて?」
黒澤
「足での捜査は若い者に任せておいてください」
後藤
「お前の捜査じゃ、氷川の勉強にならないだろ」
颯馬
「訓練生にとって、実際の捜査に関わるのは実習にもあたりますからね」
サトコ
「あの···もしかして私が誰と組むか、まだ決まってないんですか?」
石神教官がその眼鏡を直しながら小さく頷く。
石神
「わざわざ話して決める必要もない」
「潜入捜査となれば、担当教官と組めばいいだけのことだ」
後藤
「確かに」
黒澤
「くっ···!そうやってまた教官の権威をかざして!」
颯馬
「透も頑張ってください」
黒澤
「オレの方は準備バッチリなんですけどね···」
石神
「無駄話はそれくらいにしろ。氷川、準備はいいな?」
サトコ
「はい!さっそく捜査に向かいます!」
アナタが共に捜査に向かう教官はーーー
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