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ボーイズトーク⑤ 颯馬

「颯馬VS黒の刺客」

【教官室】

颯馬と東雲のふたりが、教官室で仕事をしていたある日。
バタバタと廊下を走ってくる音が聞こえて、東雲がため息をついた。

東雲
またうるさいのが来た···

颯馬
フフ、足音を聞いただけで誰なのかわかりますね

黒澤
歩さーん、周介さん、ここにいるのはわかっ···

東雲
透、うるさい

黒澤
そんな、かぶせ気味に!

颯馬
黒澤は本当にここが好きですね

東雲
すっごい迷惑なんだけど

黒澤
好きなのは教官室じゃなくて、歩さんとか周介さんとか後藤さんとかですよ!

東雲
キモ

黒澤
あと、石神さんとか難波さんも

東雲
兵吾さんは違うんだ

黒澤
あ!た、たまたま言い忘れてただけで···!

颯馬
まあ、黒澤はしょっちゅう加賀さんから喝を入れられてますからね

黒澤
あれは、喝ってレベルじゃないですよ···ヤキです···もしくは制裁、しごき···
それはそれとして、聞いてくださいよ。さっき、ここに来る前に···

そのとき、3人の視界の片隅で何かがうごめく気配があった。
素早くそちらを振り向いた全員が、そこに現れた姿に固まる。

黒澤
ゴッ···

東雲
言うなよ。おぞましい

黒澤
うわあ、最悪···こんなところで目撃するなんて

東雲
家に出たらもっと嫌だけどね

黒澤
はあ···びっくりしすぎて一瞬硬直しましたよ
とりあえず、どうします?なんとかしないと···

颯馬
失礼

ふたりが話している間に、颯馬が窓を開けた。
近くにあった新聞紙を掴んで丸めると、“奴” が飛び立とうとする前にさっと薙ぎ払う。

東雲
えっ、なに今の、剣道の素振り?

黒澤
速すぎて見えなかった···
あ! “奴” はどこに行ったんですか!?

颯馬
窓から逃がしましたよ
後処理するのも嫌ですからね

あまりにも素早い動きとスマートな行動に、東雲と黒澤が呆然となる。

颯馬
おや···驚かせてしまいましたね
すみません、手が勝手に動いてしまって。美しくないものは見ているのも嫌なんです

黒澤
周介さん···!かっこよすぎません!?
男のオレでも惚れそうなんですけど!ねえ、歩さん!

東雲
···ヤバい

颯馬
······

黒澤だけでなく、あろうことか東雲まで羨望の眼差しで自分を見ている。
そのことに気付いた颯馬は、深いため息をついた。

颯馬
私は、男には興味ありません

黒澤
そう言わず!周介さん、抱いて!

颯馬
迷惑です

黒澤
周介さんになら抱かれてもいい!ねえ歩さん、そう思いません!?

東雲
キモ···

黒澤
えーっ、さっきまで歩さんだって頬染めてたじゃないですか!

東雲
ウザ···

黒澤
歩さん!単語以外も喋って!

颯馬
ふたりは相変わらず仲が良いですね

今日も平和な教官室だった。

Happy End

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