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特捜×公安コラボ 加賀3話

【パーティー会場】

私も、黒崎を追うことを加賀さんに許してもらえた。

少しすると、加賀さんが時計を見る。

加賀

この時間なら、まだ学校にいるな

サトコ

「え?」

加賀

難波さんに報告だ

ついでに、これからどうするかも決めなきゃならねぇ

サトコ

「学校に戻るんですか?」

桐沢

「おい、まだ話は済んでねぇ」

さっさと会場を出ようとする加賀さんに、桐沢さんが声を掛けた。

桐沢

「やはり黒崎を追うなら、俺たちも行かせろ」

立ち止まり、加賀さんが眉をひそめて振り返った。

加賀

‥気は確かか

テロ組織と黒崎確保の合同捜査のためついて来ようとする二課に、加賀さんがそう問いかける。

他人に気を使わない加賀さんが再びそんな確認をとることから、

警視庁刑事課と警察庁公安課が急遽合同捜査を行うことの重大さをひしひしと感じた。

桐沢

「冗談でこんなこと言えねぇだろ」

加賀

首飛ばしてぇらしいな

桐沢

「そんな小せぇこと言ってる場合じゃねぇ」

「殺人犯が野放しになってるのに、上のご機嫌なんて取ってられるか」

(‥なんか、加賀さんが言いそうな言葉かも)

(このふたりって、意外と似てる‥?)

野村

「まあ、今まで上のご機嫌なんて取ったことないけどね」

花井

「副参事官がそれ言っていいんですか」

八千草

「今さらですよね~」

桐沢

「で、どういう方法で行くつもりだ?」

加賀

‥使えねぇ駒はいらねぇ

桐沢

「お前の駒になるつもりはねぇよ」

「ただ、氷川が言ったことも一理あると思っただけだ」

サトコ

「私が言ったこと‥?」

首を傾げる私に、桐沢さんが優しく笑う。

桐沢

「役割は違っても、大きな目的は一緒だ」

「犯人確保のために、くだらねぇ意地を張ってる場合じゃねぇだろ」

割り切ったような桐沢さんに、加賀さんがため息をついた。

加賀

黒崎に、発信器をつけた

外で歩に、黒崎の動きを追わせてる

桐沢

「なるほどな。なら、奴にどこにいるかはわかるってわけか」

野村

「協力するから、まずは根回ししておかないとね」

「でないと加賀が言うように首が飛んじゃうかもしれないし~」

「‥まぁ、そっちは俺に任せてよ。公安の方は加賀に任せるから」

加賀

‥‥‥

(返事がない‥)

でもそれはつまり、桐沢さんたちが来ることに同意したも同じだった。

(よかった‥!二課と協力するなんて、こんなに心強いことはない)

加賀

‥足引っ張んじゃねぇぞ

最後の言葉は、桐沢さんたちに言ったらしい。

桐沢さんたちは、『当然だ』とでも言いたげな笑みを浮かべた。

(二課の人たちと一緒なら、きっとうまくいく‥!)

(黒崎もテロも、必ず止めなきゃ!)

【教官室】

二課の人たちと別れると、その足で学校へ戻った。

今回のことを加賀さんが話すと、室長が驚いたような声を上げる。

難波

ほう、あの二課と協力か

加賀

予定が変わってすみません。黒崎の足取りは、歩に追わせてます

難波

まあ、いいんじゃないか?目的が一緒なら

石神

はあ‥お前はまた、上の指示を無視したのか

室長のかわりに苦い顔をしたのは、石神教官だ。

加賀

黒縁眼鏡は黙ってろ

東雲

石神さんの眼鏡、黒縁じゃないですよ

颯馬

歩、突っ込むところはそこじゃありませんよ

難波

まあそういうことなら、おっさんにもやることがあるな~

石神、今から本庁だ

適当に上の奴らを言いくるめるの、お前得意だろ

石神

‥‥‥

‥わかりました

(今の沈黙、長かった‥)

(室長の命令だから渋々了承したんだろうな、石神教官‥)

後藤

指揮を執るのは、加賀さんですか?

加賀

ああ。ただし現場の指揮は桐沢にやらせる

お前は、黒崎を先回りして追跡しろ

後藤

わかりました

室長と石神教官が無事、警察庁の上層部に根回しを終え‥‥

翌朝になって、居場所を誤魔化すように転々としていた黒崎の動きに、変化があった。

東雲

もう撒いたと思ったんですかね。余計な回り道がなくなりました

加賀

組織の拠点が近いってことか

東雲

「恐らく。前から睨んでいた候補地の一つに向かってるようです

加賀

後藤も追いついてるな。そのまま張り込ませろ

石神

無論だ。お前たちも突入準備をしろ

(いよいよ、テロ組織との対決‥‥!)

【警視庁】

やがて、黒崎の動きが止まり、アジトらしき建物に入っていったと後藤教官から連絡があった。

加賀さんと石神教官で二課の皆さんとの打ち合わせをした後、

石神教官が一足早く現場に向かった。

一方私たちは‥‥

加賀

行くぞ

サトコ

「でも、桐沢さんたちがまだ‥」

テロ組織の拠点に一緒に向かうために、二課の皆さんと待ち合わせをしている。

‥その時。

ザッと足音がして振り返ると、二課の人たちが歩いてくるのが見えた。

加賀

遅ぇ

桐沢

「時間ぴったりだろ」

野村

「久しぶり、東雲クン」

東雲

うわ‥

満面の笑みを浮かべて手を挙げる野村さんを見て、東雲教官があからさまに目を背けた。

東雲

お久しぶりです‥

野村

「その態度、傷ついちゃうなー」

野村さんの優しい笑顔に、東雲教官からはいつもの飄々とした雰囲気が感じられない。

(ど、どうしたんだろう‥?あのふたり、何かあったのかな‥)

(東雲教官、野村さんのことが嫌い‥というよりは、苦手って感じだけど)

桐沢

「黒崎は?」

東雲

アジトと思われる場所に留まったままです

後藤さんたちも突入準備を始めたそうです

敵の数は、今ならそれほど多くないんですけど‥油断はできませんね

桐沢

「まあ、数の問題なら気にしなくていいだろ」

余裕の表情の二課の人たちを見ると、なんとなく納得できる。

(黒崎も、テロ組織Wizardも、絶対に逃がさない‥!)

決意を新たに、加賀さんについて歩き出した。

【アジト】

加賀さん、そして二課の人たちと一緒に、東雲教官の案内でテロ組織の拠点までやって来た。

すでに、石神教官たちが待機している。

石神

ずいぶんと手間取ったな

加賀

‥いちいちうるせぇ、イヤミ眼鏡

石神

こうなった以上は、結果で示すしかない

加賀

当たり前だ

颯馬

Sによると、いくつかの公安がマークしていた思想集団がこのアジトに召集されたようです

ここですぐ取引を行い、ブツを流して証拠を失くそうという魂胆でしょう

後藤

現に待機中、何台かの車がアジトに入って行きましたしね

外から見ると静まり返っているけど、中は軽く混乱しているだろう。

(東雲教官が追った発信機は、もうこの中を指してる‥)

(黒崎はここにいる‥つまり、警察の手入れがあったことは知れ渡ってるはず)

この機を逃すと、後がない。

桐沢

「全体の指揮は、お前に任せる」

加賀

ああ。現場の方は、お前がメインで動け

歩が割り出した敵の人数と配置を元に、人員を決定した

ひとりも逃がすな。そのひとりが、次のテロに繋がる

加賀さんの言葉に、私と二課の人たちが、大きく頷いた。

それに続いて、桐沢さんが口を開く。

桐沢

「こっちは、黒崎の確保が最優先だ」

「黒崎確保後は、加賀と氷川の援護に回れ」

花井

「了解。迅速に確保します」

天王寺

「突撃や!グズグズせんと、はよ行くで」

京橋

「天王寺さん、張り切りすぎてミスしないでくださいね」

野村

「みんな、気を付けて」

野村さんと東雲教官に送り出されて、銃を手に建物へと近づく。

ふたりは車へ戻り、アジトの中の動きを見て私たちに指示をくれる予定だった。

加賀

ふらふらしてると、即お陀仏だ

サトコ

「‥はい」

加賀

細心の注意を払え

私が頷くのを見て、加賀さんが壁にピタリと張り付き、中の様子をうかがう。

(これまで、何度も実地訓練をしてきた‥それに、加賀さんについて、現場も経験してる)

(それを思い出せば、大丈夫‥落ち着いて)

加賀さんが手で合図を出し‥ドアを蹴破り、中へ突入した!

【アジト中】

桐沢

「警察だ!」

加賀さんがドアを蹴破ると同時に、桐沢さんが声で威嚇する。

室内の空気は一気に混乱し、バラバラと各部屋からテロの組織員が飛び出してきた。

組織員

「サツだ!全員、武器を持て!」

桐沢

「動くな!」

天王寺

「黒崎発見!」

東雲

人数に変更なし。予定通りです

加賀

了解

インカムから東雲教官の声が聞こえてきて、加賀さんに指示された通り物陰に隠れる。

一気に銃撃戦になり、二課の人たちは確実な射撃で敵の銃を撃ち落としていった。

(すごい‥!これが、現場の人たちの力なんだ)

(って、驚いてる場合じゃない!私も、足手まといにならないようにしっかりしなきゃ!)

銃を構え直し、隙をついて物陰から顔を出す。

相手の脚を狙い撃つと、数人が床に突っ伏すのが見えた。

(よし!これならいける‥!)

そのとき、視界の隅に銃口が見えた。

咄嗟に振り返るより先に、私を狙っていた男が狙撃されてその場に崩れ落ちる。

加賀

油断してんじゃねぇ、クズが

サトコ

「加賀さん‥!」

桐沢

「ボケッとすんな!」

桐沢さんの声が飛んできて、振り返るとまるで私をかばうように立ちふさがる広い背中が見えた。

直後に数人が倒れ、そのうちのひとりは、素早く身を翻した加賀さん撃った。

サトコ

「あ‥ありがとうございます」

加賀

おい、余計なことすんな

桐沢

「余計でもなんでも、味方が撃たれるのを黙って見過ごせるタチじゃねぇんだ」

「悪ぃな」

加賀

‥‥‥チッ

黒崎は?

桐沢

「浅野が狙撃して確保した」

「あとは、ここの鎮圧だけだ」

加賀

なら行くぞ

ふたりが同時に部屋の奥へと向かう。

(‥息、ぴったり)

ふたつの広い背中に見惚れそうになり、慌てて立ち上がってふたりを追いかけた。

その後、加賀さんの的確な指示と二課の活躍で、テロ組織の幹部を確実に追い詰めていく。

組織員

「くそっ‥なんでこんな、たった数人に‥!」

加賀

数で勝負してんじゃねぇんだ

桐沢

「腕と経験の差だな」

ふたりが、背中を合わせて奥へと進んでいく。

私は物陰に隠れながらも、ひとり、またひとりと確実に敵を確保することに集中した。

野村

『うーん、いい仕事するねサトコちゃん』

サトコ

「あ、ありがとうございます‥!」

後藤

幹部、ふたり確保

石神

こっちもだ

颯馬

外に待機させてる者に引き渡します

ブツの取引も確認できました

東雲

了解です

教官たちの声が聞こえて、やがてアジトが静かになる。

鎮圧できたころ、のんびりと室長が入ってきた。

難波

おー、派手にやったな~

石神

黒崎含め、テロ組織Wizard幹部は全員確保しました

後藤

ブツの取引に来た思想集団も押さえてあります

難波

お疲れさん

その言葉に、ようやくひと息つく。

こうして無事、二課との行動戦線は終了したのだった。

【駐車場】

容疑者全員が連行された後、桐沢さんが加賀さんの方へ歩いて行った。

桐沢

「黒崎は逮捕できたし、犠牲者も出なかった」

「色々と世話になったな、加賀」

加賀

テメェの世話をした覚えはねぇ

サトコ

「また、そういう言い方を‥」

桐沢

「いや、素直な返事を返されたら、その方が不気味だ」

サトコ

「確かに‥」

加賀

‥‥‥

(し、しまった‥今の、聞かれてた?)

私たちのやり取りに苦笑しながら、桐沢さんが加賀さんに右手を差し出す。

桐沢

「お前のおかげで、黒崎を確保できた。恩に着る」

加賀

‥くだらねぇ

俺は俺のやるべきことをしたまでだ

桐沢さんの握手には応えず素っ気なく言い放ち、加賀さんが背を向ける。

(まさか‥握手せずに無視!?)

ハラハラしたけど、歩き出すと同時に、加賀さんは背中を向けたまま手を挙げた。

桐沢

「‥あいつらしいな」

(最初はどうなることかと思ったけど‥無事に解決できてよかった)

(それに‥あれも、加賀さんなりの敬意の払い方なんだよね)

サトコ

「あの‥なんだかすみません」

「でも加賀教官、そういうのが苦手で」

桐沢

「ああ、わかってる」

「お前も大変だな。色々と」

なんとなくすべてを見透かされているような気持ちになりながら、桐沢さんに頭を下げた。

サトコ

「このたびは、ありがとうございました」

桐沢

「いや、お疲れさん。よく頑張ったな」

「訓練生とは思えない、的確な判断だった」

サトコ

「そんな‥」

桐沢

「お前が威勢よく協力を提案したのが、合同捜査のきっかけになったしな」

挨拶していると、建物から二課の人たちが出てくる。

八千草

「どっちも、無事に解決してなによりだね」

「訓練生って言ってたけど、すっかり刑事の顔してたね!」

サトコ

「ありがとうございます。でも、私なんてまだまだです」

京橋

「いえ、いい働きぶりでしたよ」

「今度、一緒にディナーでも行きましょう。ちなみに、水曜日に空きがあります」

サトコ

「ディ、ディナーですか?」

花井

「気を付けろ。飯じゃなくてお前が食われるぞ」

サトコ

「食われる!?」

天王寺

「克之、容赦ないからなぁ」

「まあ、コイツのこういうんは、挨拶やと思っとき」

サトコ

「はあ‥」

(なんか‥捜査の時はあんなにピリピリしたムードなのに)

(それが過ぎると、この緩さ‥ものすごいギャップだな)

浅野

「アンタ、結構やるね」

最後に出てきた浅野さんが、少しだけ笑ってくれた。

八千草

「修介さんに褒められるなんて、サトコちゃん、すごいね」

サトコ

「え?」

八千草

「修介さん、警視庁屈指のスナイパーなんだよ」

サトコ

「警視庁屈指‥!」

サトコ

「ありがとうございます!私も、頑張って訓練に励みます!」

浅野

「‥‥焦らなくていい。結構見込みあると思うから」

野村

「お、浅野が褒めるってことは結構いい腕してるんじゃない?」

「少しずつ積み重ねていくことだよ」

「そうすれば、サトコちゃんは、きっといい刑事になる」

穏やかなその笑みに、つられて笑顔になった。

サトコ

「みなさんの現場での動き、勉強になりました」

「一緒に行動させていただけて、光栄でした」

加賀

おい

遠くから加賀さんのドスの利いた声が響いて、背筋が伸びる。

サトコ

「は、はい!」

加賀

何してやがる。さっさとしろ、クズ

サトコ

「すみません!今行きます!」

花井

「いい感じに調教されてるな」

野村

「俺たちに妬いてるんでしょ」

桐沢

「素直じゃねぇからなぁ、あいつ」

サトコ

「えっ?」

桐沢

「これ以上あいつのご機嫌を損ねねぇうちに、早く行ってやれ」

サトコ

「はい‥ありがとうございます。失礼します」

(加賀さんが嫉妬‥?いやいや、そんなわけない)

(待たされてイライラしてるだけだよね、絶対)

二課の人たちにもう一度頭を下げると、急いで加賀さんを追いかけた。

【加賀マンション】

一度学校に戻って報告を済ませた後、寮には戻らず加賀さんのマンションにお邪魔した。

サトコ

「お疲れさまでした。コーヒー淹れますね」

加賀

いいから座っとけ

サトコ

「え?でも‥」

(加賀さん、事件が解決したあとは、いつもコーヒーを飲みたがるのに)

不思議に思いつつも、ソファに座らせてもらう。

少しすると、キッチンから戻った加賀さんの手にはカップがふたつ、握られていた。

加賀

ほら

サトコ

「‥えっ?」

加賀

いらねぇなら、捨てろ

サトコ

「い、いただきます!」

(加賀さんが、私にコーヒーを淹れてくれた‥!?)

(なぜ!?こんな優しさ、一生に一度あるかどうか‥!)

驚きながらも、温かいコーヒーをすする。

疲れた身体に、程よいほろ苦さが染み渡った。

サトコ

「美味しいです‥」

加賀

‥‥‥

サトコ

「でも、どうして‥」

加賀さんの優しさについていけず振り返ろうとした瞬間、部屋の電気が消えた。

サトコ

「てっ、停電!?」

加賀

そうじゃねぇ

薄暗い中、手からカップを奪い取られる。

わけがわからないままソファに押し倒され、加賀さんの不機嫌そうな顔が間近に迫った。

加賀

二課の奴らに、手懐けられやがって

サトコ

「ええ‥!?」

加賀

チヤホヤされて、いい気分だったか?

チヤホヤされた覚えがないので、言葉に困った。

野村

『俺たちに妬いてるんだよ』

桐沢

『素直じゃねぇからなぁ、あいつ』

(ま、まさか本当に加賀さんが嫉妬‥!?)

(なんて貴重な‥!って、喜んでる場合じゃない!)

サトコ

「確かに、二課の人たちはみなさん優しかったですけど‥」

「‥なんか、みんな優しいので調子狂っちゃいました」

加賀

‥で?

サトコ

「えっと‥それで‥」

「やっぱり私には‥加賀さんだけだなって思いました」

薄暗いから、顔ははっきり見えない。

それでも、まっすぐに目を見つめてそう言い切った。

サトコ

「他の人はいらないんです」

「ご主人は、加賀さんだけですから」

加賀

‥駄犬にしては、合格だ

その表情が和らぎ、唇が触れ合う。

コーヒーの味がするキスに夢中になっていると、加賀さんの大きな手が私の髪を撫でた。

加賀

テメェは、俺だけに忠実な犬でいりゃいい

それなら‥駄犬だろうが、かわいがってやる

サトコ

「ほんとですか?」

加賀

一生、首輪つけられる覚悟でいろ

(加賀さんがつけてくれる首輪なら、絶対に外さない‥)

(なんて思ってる私って、相当な忠犬かも‥)

背中を抱きしめると、加賀さんの腕が私を包み込む。

(‥加賀さん、やっぱり今日は優しい‥)

(もしかして、本当に嫉妬‥?)

私の思考を遮るように、もう一度、加賀さんのキスが落ちてきた。

(いつもは、煙草の匂いがするけど‥コーヒーの香りがする加賀さんもいいな)

(でもやっぱり、加賀さんには煙草が似合う‥)

とりとめのないことを考えている間に、キスは少しずつ、深くなる。

強引なのにどこか優しい加賀さんに、いつも以上に愛された夜だった。

Happy  End

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