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エピローグ 後藤3話



【懇親会会場】

柿沼大臣の怒りを鎮めるために、後藤さんは黙々とワインを飲み続けている。

(こんなに一気に飲んだりしたら···倒れちゃうよ···)

柿沼
「はっはっは。万が一にでも飲みきったら校内にスパ施設でも作ってやろう!」

黒澤
柿沼大臣は太っ腹でいらっしゃる!
もちろん、ポケットマネーからですよね?

柿沼
「当然だ。お前たちが希望するものは何でも作ってやる」

黒澤
さすがでございます!
となれば···私たちもよりよい施設を作っていただきたいですし···
そのためには、もっと強い酒で挑戦した方がお願いしやすいのですが

サトコ
「ちょ、黒澤さん!もっと強いお酒なんてダメです!」

黒澤
いえ、勝負の世界は厳しく行かないと。オレは先輩とはいえ甘やかしたりしません!

颯馬
その考えには私も賛成です
もっと強いワインと日本酒に交換してもいいですか?

サトコ
「颯馬教官!?」

柿沼
「面白い考えをするようだな。好きにしろ」

颯馬
では、お言葉に甘えて

颯馬教官がテーブルのお酒を別のお酒と入れ替える。

サトコ
「颯馬教官まで···石神教官、このままじゃ後藤教官が···!」

最後の助けを求めるように石神教官を見ても、石神教官も動いてはくれなかった。

石神
後藤が自分で責任を取ると言ったんだ。外野が口をはさむことではない

サトコ
「そんな···」

より強いワインと日本酒になっても、後藤さんの表情は変わらない。

(あんまり顔には出ないタイプなのかな。少し目が赤くなってる気がするけど···)

黒澤
そーれ!一気に行きましょうー!

サトコ
「黒澤さん、煽らないでください!」

加賀
喚くな、黙って見てろ

東雲
ただ見てるのも暇だよね

颯馬
飲む後藤を肴に私たちも飲もうか

(どうして皆さん、平気な顔してられるの?)
(後藤さんはこれくらい飲めるようになってるとか···?)

私だけが焦って心配する中、後藤さんはついにワインボトルを1本カラにする。
そしてーー

後藤
···これで全部です。今回のことは不問にしていただけますね?

(うそ···ぜ、全部飲みきっちゃった···)

柿沼
「な、何を···まさか、本当に全部飲むとは···!」

黒澤
これで予算ウハウハですね!スパ施設の他にフードコートも作ってもらいましょうよ

颯馬
私はマッサージルームがいいかな

加賀
予算が増えたら、武器の備品拡大に充てるに決まってんだろ

石神
ヘリポートの設置が先だ

後藤
俺の成果なんですから、俺に決定権があってもいいんじゃないですか?

サトコ
「あの、後藤教官···本当に大丈夫なんですか?」

後藤
問題ない。腹いっぱいだけどな

柿沼
「ぐぬぬ···こんなこと認められるか!お前たち公安のクズ共は礼儀すら知らないようだな!」

激高した柿沼大臣がバンッとテーブルを叩いて上がる。

石神
後藤に飲むように命じたのは大臣のはずですが、お忘れですか?

柿沼
「そんな話を鵜呑みにする方が馬鹿だ!酒の席で本気になるなど···」
「本当に使えない奴らばかりだ。特に石神と加賀?お前たちの班の無謀さと勝手さは···」

東雲
使えないのはアンタの毛根でしょ

柿沼
「何か言ったか!?」

東雲
いえ、なにも

柿沼
「···っ!警察内で厄介者扱いされているお前らに金をかけてやっているんだ!」
「日陰者は日陰者らしく黙っていろ!」

石神
···柿沼大臣はかなり酔っていらっしゃるようだ

加賀
倒れる前にご退席いただいた方がよさそうだな

石神教官と加賀教官が視線をかわすと、控えている柿沼大臣の秘書を呼び寄せる。

柿沼
「私は酔ってなどおらん!」

秘書A
「大臣、大きな声を出されては会場の皆さんが驚かれます···」

秘書B
「奥さまから早く帰るようにとの連絡もありましたし、本日はこれで失礼しましょう···」

柿沼
「なに?妙子から?」
「うぬぬ···」

恐妻家なのか、奥さんの話で大人しくなった柿沼大臣は秘書に連れられて帰って行く。

加賀
あいつが帰ったなら、俺がいる必要ねぇな
歩、行くぞ

東雲
りょうかーい

石神
黒澤、お前も随分と柿沼大臣を煽ったものだな

黒澤
あはは···だって本当にスパ施設とか建ったら儲けものかなって

石神
···ったく
俺たちも行くぞ

黒澤
今日って、もう上がりだったんじゃないんですか?

颯馬
一仕事増えたんだろう。行こうか

後藤
俺も行きます

石神
お前は待機だ。それだけ飲んだなら、まともに仕事はできないだろう
 “酒” を飲んでいるなら···な

意味深な口調で石神教官が後藤さんを見ると、後藤さんは苦笑する。

後藤
周さん、黒澤、今回は助けられました

黒澤
いいんですよ。お礼は満腹軒のランチで

颯馬
杏仁豆腐付きでね

石神教官と共に颯馬教官と黒澤さんもホールから出て行ってしまう。

サトコ
「あの、今のって···」

後藤
······

後藤さんは私の手を掴むと、引き寄せて顔を近づけてきた。

サトコ
「ご、後藤さん!?」

(突然なに!?よ、酔ってるの!?)

後藤
酒の匂いするか?

サトコ
「え?」

小さな声で問われ、私は首を振る。

サトコ
「いえ、ほとんどしません。こんなに飲んだのに、どうして···」

後藤
俺が飲んだのはジュースとスポーツドリンクだ

サトコ
「え!」

後藤
強い酒にすると言って、黒澤と周さんが入れ替えてくれた

サトコ
「なるほど···!そういうことだったんですね!」

(顔を寄せたのは匂いを確認させるためだったんだ···勘違いしちゃって恥ずかしい)

皆さんが落ち着いていた理由も後藤さんが飲み干せた理由も解明される。

後藤
本気で飲むつもりだったけどな
倒れる可能性もあったから助かった

サトコ
「よかったです。後藤さんが無理をしなくて···」

胸をなでおろして、私たちも懇親会から寮に帰ることにした。



【学校 校門】

学校に戻ったのは夜の10時近くだった。
今日の報告書を作成し終わる頃には、日付が変わりそうになっている。

(無事とは言えないけど、とにかく視察が終わってよかった···)

サトコ
「今日は本当に申し訳ありませんでした。私のせいで迷惑をかけてしまって」

後藤
大したことじゃない
それに悪いのはアンタじゃなくて柿沼だ

サトコ
「今後大丈夫ですか?柿沼大臣に目を付けられたりしたら···」

後藤
今日の話を聞けば、自分の失態もあったと気が付くんじゃないか?
そうなれば、わざわざ今日のことを持ち出すこともないはずだ

サトコ
「そうだといいんですけど···」

後藤
どんなことになろうが、個室に連れ込まれたアンタを放っておけるわけがないだろう
これが原因で処分されたとしても後悔はない

サトコ
「後藤さん···」

後藤
それに、アンタを一番に応援してるって言ったろ

嬉しくて隣を歩く後藤さんを見つめる。
優しく微笑まれて、手とつなぎたい気持ちを抑える。

(視察は終わったけど、恋愛禁止令はまだあるんだから···我慢、我慢)

後藤
曇ってきたな

後藤さんの視線を追って外を見ると、空は厚い雲に覆われていて月も見えなかった。

サトコ
「降りそうですね。そういえば、明日は雨だって天気予報で言ってました」

後藤
降り出す前に急ぐか

サトコ
「はい」



【中庭】

寮への近道に中庭を通っていると、聞き覚えのある声がどこからか聞こえてくる。

ブサ猫
「ぶみゃ、ぶみゃー!」

サトコ
「後藤さん、あの鳴き声ってもしかして···」

後藤
あの猫か

声のする方に探しに行くと、ブサ猫が中庭の小さな噴水に落ちて暴れている。

サトコ
「だ、大丈夫!?」

後藤
ったく···お前は···

溜息をつきながら後藤さんがブサ猫を抱えようとすると、さらに派手に暴れ始めた。

後藤
こら、大人しくしろ···!

サトコ
「あ、そんなに暴れちゃ···!」

後藤
おとなしくしろ···っ

ブサ猫
「ぶみゃー!」

後藤
···っ

ブサ猫は後藤さんの腕から抜け出すと、すぐに庭の奥の方に逃げていく。

後藤
はぁ···恩知らずな猫だ

サトコ
「びしょ濡れになっちゃいましたね」

後藤
···雨も降り出してきた。どのみち濡れる運命だったんだな

降り出した雨はすぐに本降りになって私たちを濡らしていく。

サトコ
「今日はそういう日みたいですね」

後藤
寮の前でよかった。すぐに風呂に入れば風邪もひかないだろう

サトコ
「はい。帰ったら、シャワーを···」

言いかけて、寮の断水の回覧板が頭をよぎる。

サトコ
「寮の断水···今日だった···」

後藤
断水?
そういえば、そんな回覧板がきてたな。今日だったのか

サトコ
「仕方ないです」
「とりあえずタオルで拭いて、朝まで我慢して今日は床で寝ることにします」

後藤
風邪ひくぞ

サトコ
「大丈夫ですよ。冬じゃないですし」

後藤
······

後藤さんは私の手をつかむと、来た道を戻り始める。

サトコ
「ご、後藤さん?どこへ···!」

後藤
いいから、来い


【後藤マンション】

学校を出てタクシーをつかまえた後藤さんが向かった先は後藤さんのマンションだった。
リビングのドアの前で後藤さんが真剣な顔で振り返る。

後藤
···今から何があっても引くなよ

サトコ
「は、はい···」

(よく考えたら、夜に付き合ってる人の部屋に入るわけだし、私もそれなりの覚悟を···)
(でも、わざわざ引くなっていうことは特殊な何かが?)
(いやいや、後藤さんに限ってそんな···!)

サトコ
「わ···」

1人でいろいろ考えたものの、部屋に入って、さっきの言葉の意味を理解する。
後藤さんの部屋は前回来たときにも増して散らかっていた。

(あれより散らかすことってできるんだ···)

後藤
だから呼びたくなかったんだ···

サトコ
「ふふっ、後藤さんの部屋が散らかってるのにも慣れてきました」
「片付け手伝いますよ」

後藤
···とりあえず、座るスペースだけでも作るか
ろくに生活はしてないから、ゴミの類はないと思う。安心してくれ

サトコ
「はい。テーブルとソファの周りから始めますね」

ある程度本をまとめて積むと、それだけでスッキリ見えてくる。

後藤
こんなに早く片付くとは···アンタは凄いな

サトコ
「端に寄せただけで、まだ片づけたとは言えないと思いますけど」

後藤
そうなのか?
十分片付いてると思うが···

(だから、後藤さんの部屋は片付かないんだろうな···)

後藤
来てさっそく片付けさせて悪かった。シャワー浴びてきてくれ。そのために呼んだんだ

サトコ
「すみません。それじゃ、お借りします」

(そっか···私が風邪をひかないようにって思って、片付いてない部屋なのに呼んでくれたんだ)
(後藤さんなりに葛藤もあっただろうに、嬉しい···)

気恥ずかしい気もしたけれど、濡れた身体に熱いシャワーを浴びられるのは有り難かった。

お風呂から上がって、着替えとして用意されていたのは後藤さんのワイシャツだった。

(嬉し恥ずかしいって、こういう気持ちなんだろうな)

交代で上がってきた後藤さんが髪を拭きながらリビングに戻ってくる。

(後藤さんっ、せめて何か服着てください···!)

後藤
何か飲むか?ミネラルウォーターか炭酸水くらいしかないが···

サトコ
「それじゃあ、お水でお願いします」

ペットボトルを受け取ると、なぜか後藤さんは視線を逸らせている。

サトコ
「後藤さん?」

後藤
腹は減ってるか?

サトコ
「いえ、懇親会でちょこちょこつまんだので大丈夫です。後藤さんは···」

後藤
水分で腹一杯だ
それなら、もう寝るか。明日も学校はあるしな

サトコ
「え、泊まって行っていいんですか?」

後藤
今から帰るつもりなのか?

サトコ
「シャワー浴びさせてもらったので、帰った方がいいのかなって···」

後藤
もう夜中だ。今日は泊まって行け。朝、学校の近くで先に車から降ろしてやる

サトコ
「それじゃ、お言葉に甘えて···実はもう眠かったんです。ソファお借りします」

後藤
アンタはベッドで寝ろ。シーツ変えたまま一度も寝てないから使ってくれ

サトコ
「後藤さんの部屋なんですから、後藤さんがベッドで寝てください」
「私はどこでも寝られる質なので···」

後藤
いいから、ベッドを使え

後藤さんは私の肩に手を置くと、寝室の方を向かせる。

(さっきから目を合わせてくれない気がするんだけど···どうして···?)

サトコ
「待ってください。あの···どうして私の顔見ようとしないんですか?」

後藤さんの手を外して、向かい合うとその顔を見上げる。
すると、ぎこちなく後藤さんは視線を戻してきた。

(やっぱり私のこと見てなかった···)

サトコ
「もしかして···怒ってますか?今日一日迷惑をかけたから···」

後藤
いや···違うんだ···

後藤さんは結局目を逸らせ、何か言いづらそうに唇をためらわせる。

サトコ
「言ってください!悪いところは直すようにしますから···!」

後藤
···その格好

サトコ
「え?恰好?あ!もしかして、シャツ着たらいけなかったですか!?」
「タオルと一緒に置いてあったので、てっきりお借りしてもいいものかと···」

後藤
ああ、そのために置いておいたんだが···
自分で用意しておいて···その···
そんな恰好で歩かれたら、まともに見られなかった
···俺も男だ。我慢の限界もある

サトコ
「!」
「それって···その···」

後藤
アンタを見てたら自分が抑えられなくなりそうで避けてた
気を悪くしたなら謝る

サトコ
「そ、そんなことないです!」
「私だって教官のことが好きなんですから!私だって···」

後藤
······
サトコ

後藤教官の腕に手をかけると、焦れたように名前を呼ばれ抱き寄せられた。

後藤
教官···じゃないだろ?

サトコ
「あ···後藤···さん···」

後藤
それでいい

サトコ
「んっ」

唇を塞がれ、私は目を閉じる。

サトコ
「あ···」

感触を確かめるような優しいキス。

サトコ
「っ···」

温もりを感じ合っているうちに灯された熱に口づけは深くなっていったーー

【寝室】

そのまま後藤さんに導かれ、寝室へ入る。

息を継ぐ間もわからない口づけに息が上がる。
後藤さんの手が紙に差し込まれ、そのままゆっくりとベッドに押し倒された。

サトコ
「後藤さん···」

後藤
サトコ···

初めて見る後藤さんの熱っぽい目と掠れた声。
その手がシャツのボタンにかかって、反射的に身を固くすると···
ふっと笑った後藤さんが額にキスを落とした。

後藤
酔い過ぎだな

サトコ
「酔ってるんですか···?」

後藤
そういうことにしておけ
今日はここまでだ。サトコのことは大事にしたい

私の隣に横になって、後藤さんが腕枕をしてくれる。

後藤
こんなんじゃ恋愛禁止令が正式に決まったら、すぐに引っかかるな

サトコ
「やっぱり、そうでしょうか?東雲教官には、もうバレてる気がして···」

後藤
石神班も加賀班も勘が冴える人たちばかりだ。概ねバレているだろう

(そうだよね···特別教官の方々の目は誤魔化せないか)

後藤
恋愛禁止令はともかく、アンタの本分は訓練だ
せめてサトコが試験で1位でも取ってから···だな

サトコ
「それは卒業まで実現しないかも···」

後藤
その時は···まぁ、また考える

私たちは顔を見合わせて笑い合う。

後藤
俺たちのペースでいこう

サトコ
「はい」

後藤さんが優しく髪を梳いてくれているうちに···私はそのまま眠りに落ちてしまったようだった。


【教官室】

数日後、世間は柿沼大臣の不倫と汚職のスキャンダルでもちきりになっていた。
教官室にレポートを届けに行くと、教官室のテレビにも柿沼大臣の顔が映っている。

サトコ
「この間、顔を合わせたばかりの人がこうなると驚きますね」

東雲
兵吾さんがあんな小物を釣るなんて珍しいですよね

加賀教官は書類を見ながら火の点いていない煙草を噛んでいる。

加賀
気分転換にはちょうどいい

サトコ
「この件、東雲教官と加賀教官が捜査したんですか?」

東雲
汚職の方を調べたのはオレたち。愛人問題を口滑らせたのは石神さんたち

石神
口を滑らせたわけではない。颯馬が汚職の報道を一時止めるために出した情報だ

加賀
止める必要なかっただろ

石神
外国の要人が来日しているときにスキャンダルが出ると
警護課から苦情が来ると何度言えばわかる

加賀
お前はそんなくだらねぇこと気にしてるから、俺に手柄をとられるんだよ

石神
柿沼の汚職事件など、訓練生でも暴けるレベルだ。大きな顔をするな

加賀
負け惜しみはみっともねぇな

颯馬
ふふ、部下思いの班長を持って幸せです

にっこりと颯馬教官が微笑むと、石神教官と加賀教官はそろって顔をしかめて口論を止めた。

(この2人の間に入れるのって颯馬教官くらいだよね)

東雲
でも、柿沼がカツラを脱いでる写真を撮ったのは石神班の手柄だよね

サトコ
「そんな写真があるんですか!?」

東雲
今日発表の週刊誌に出てるよ
黒澤あたりが流したんじゃないかな

加賀
そういう意味では、石神班は優秀だな

石神
ったく、あの馬鹿は余計なことをするなと言ったのに···

(柿沼大臣の件は、懇親会での出来事がきっかけなのかな)
(たった数日で、ここまで追いつめるなんて、さすが···)

公安課の実力を見せられたようで、私はこっそり小さく息を呑む。

東雲
それはそうとして、例の校内で逢い引きしてるって2人、誰だか分かったらしいよ

サトコ
「え!だ、誰なんですか?」

(わ、私と後藤さんのことじゃないよね···?)

後藤
食堂のおばちゃんと清掃員のおじさんだ

サトコ
「ええ!?」

加賀
ったく、人騒がせな年寄どもだ

颯馬
いいじゃないですか。いつまでも青春で

東雲
これなら校内恋愛でも問題ないし、恋愛禁止令も解除されるんじゃない?
よかったね、サトコちゃん、後藤さん

サトコ
「え···はは···そうですかね···」

後藤
······

薄い笑みを浮かべた皆さんの視線が私たちに注がれる。

(これ···絶対バレてる···)

そっと後藤さんを見ると優しい微笑みをしていて、私も自然と笑みを浮かべた。
このあと校内の恋愛禁止令は解除されたけれど、私たちの関係に大きな変化はなく。
お互いの想いを温めながら、気持ちを育てて行こうと決めた。
日々の気持ちを折り重ねていく···
いつか前に進むその時までーー

Happy End



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