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黒澤 出逢い編 シークレット2



Eposode6.5
「合コンNightフィーバー@トイレ」

【居酒屋】

黒澤さんに誘われてやってきた「ヒミツの課外訓練」
私は、東雲教官のふりをして参加したわけだけど···

(さすがに、そろそろ疲れてきたなぁ)
(サラシも、ちょっとズレてきている気がするし···)

真壁
「あれ、どうかしましたか?」

サトコ
「あ、その···ちょっとトイレに···」

看護師3
「あゆむんも?だったら私もー」

真壁
「そうですか。いってらっしゃい」



(はぁ···やっと抜け出せた。少し時間潰ししようかな)
(ってダメダメ!今は訓練中なんだから)
(サボらないで頑張らないと···)

看護師3
「ねぇ、あゆむーん」
「このあと、ふたりで抜け出さない?」

(えっ!?)

看護師3
「ねぇ、いいでしょ、あゆむーん」

サトコ
「え、ええと···それよりトイレ···」

看護師3
「じゃあ、トイレのあと。ね、ふたりきりで···」

(ムリムリ!訓練中だし!)
(ていうか、私、本当は東雲教官じゃないし!)

サトコ
「ごめん、抜け出すのはちょっと···」

曖昧に言葉を濁しながら、私はトイレのドアに手を掛けた。

看護師3
「······えっ」

サトコ
「??」

看護師3
「あゆむん、そこ···女子トイレ···」

サトコ
「うん、それが···」
「!!!」

(しまった、ついーー!!)

サトコ
「違っ···これは、その···あの···」

看護師3
「···いいよ、トイレでも」

サトコ
「えっ」

看護師3
「抜け出すより『トイレで』···ってことだよね」

(違ーーうっ!!)

サトコ
「いや、だからそうじゃなくて···」

看護師3
「あゆむーん···」

サトコ
「違っ、だから、その···」

???
「もう~またですか、歩さん」

(えっ···)

黒澤
酔っ払うと、すぐにトイレを間違うんだから
いくらジェンダーレス男子でも、ダメですよ、女子トイレに入るのは

(神様ーー!!)

黒澤
というわけで、歩さんはこっち
ごめんなさい、びっくりさせてしまって

看護師3
「···うーん、いいけどぉ···」

何か言いたげな顔をしながら、彼女は女子トイレに入っていく。
それを見届けてから、私はすぐさま黒澤さんに頭を下げた。

サトコ
「すみません。ありがとうございます!」

黒澤
いえいえ
それより、ひとりで男子トイレに入るのは勇気がいるでしょ
誰も入らないように、オレがここで見張ってますから
安心してどうぞ

サトコ
「···っ、ありがとうございます」

さて、数分後ーー

(サラシも直したし、カツラも大丈夫だよね)
(···よし!)

サトコ
「すみません、ありがとうございました」

黒澤
いえいえ、ゆっくりできましたか?

サトコ
「はい。おかげさまで、いろいろ解決できました」

黒澤
ああ、主に胸まわりですか

サトコ
「!!」

黒澤
あれ、違いました?
トイレに向かうとき、サラシを気にしていましたよね?

サトコ
「は、はい、まぁ···」

黒澤
やっぱり
男性が女装するときは、喉仏や手を隠すのが大変って言いますけど···
女性は、やっぱり胸ですよねー

サトコ
「そ、そうですね」
「私の場合、そんな大層なものじゃないですけど···」

黒澤
そうですか?そんなことないでしょ

(えっ?)

黒澤
たぶん、人並み···いや、それ以上···

サトコ
「!?」

黒澤
ああ、でも、割とスルンとした印象も···

サトコ
「く、黒澤さん、それ以上は···」

黒澤
うそうそ、冗談ですよ
サトコさんの胸のサイズ、オレ知らないですし
ただ、ちょっと思っただけです
『大層なものじゃない』なんて言う必要はないんじゃないかなーって
そんなの気にならないくらい、サトコさんは魅力的な人ですから
ねっ?

(黒澤さん···)

黒澤
それじゃ、そろそろ戻りましょうか
いつまでもここにいるわけにもいかないですし

サトコ
「そうですね」
「また東雲教官になりきらないと」

黒澤
そういえば、あのモノマネ、結構似てましたよ
『キミみたいなエッチな子、キライじゃないよ』っていう···

サトコ
「ほんとですか?」
「あれ、初対面のときに東雲教官に言われたんですよね」

黒澤
えっ、どういうシチュエーションでそんなこと···
うわっ

サトコ
「危ないっ!」

松葉杖を滑らせた黒澤さんに、私はとっさに手を伸ばした。

(よ、よかった···)
(なんとか、ギリギリで支え···)

サトコ
「!!!」

黒澤
あ、すみません···助けてもらっちゃって

サトコ
「い、いえ···その···」
「それより足は···」

黒澤
おかげさまで大丈夫だったみたいです

サトコ
「そ、そうですか···それなら良かっ···」

ゴトン、と大きな音がした。
振り返ると、床にキラキララメラメの化粧ポーチが落ちていて···
さらに、さっきの看護師さんが目を丸くして立っていて···

看護師3
「ト···ト···」

黒澤
どうかしましたか?

看護師3
「トールくんと···あゆむんって···まさか······」

サトコ
「···っ」

(しまった、この態勢···!)

サトコ
「違っ···これはただの偶然で···」

看護師3

「やーーーーーっ」

(だから違うってばーー!)

こうして、一部誤解を招きながらも「ヒミツの課外訓練」は終了。
私は、一次会だけで離脱することができて···


【街】

サトコ
「はぁぁ···」

(今日は疲れた)
(帰ったら、速攻でサラシを取ろうっと)
(それで、ゆっくりお風呂に浸かって···)

ガラガラガラ···

(あ···いつもの花屋さん、もう閉店なんだ)
(そっか···今日は土曜日だし、いい時間だもんね)

上京したばかりの日。
久しぶりの満員電車で困っている私を、ある男性が助けてくれた。
そのとき、もらったペットボトルに飾る花を、いつもこの店で買っているのだ。

サトコ
「こんばんは」

店員
「ああ···すみません、今日はもう閉店で···」

サトコ
「いいんです。買うのは明日にしますんで」

店員
「ありがとうございます。ぜひいらしてください」
「今日『ラナンキュラス』を入荷しましたので」

サトコ
「『ラナンキュラス』?」

店員
「バラと似ている素敵な花なんです」
「花言葉が『とても魅力的』というんですよ」

サトコ
「そうですか、『とても魅力的』···」

それって、まるで···

(ま、待って···!)
(どうして今、黒澤さんの顔が···)

店員
「どうかされましたか?」

サトコ
「い、いえ···」
「それじゃ、また明日来ます!」

店員
「はい。お待ちしています」

逃げるようにその場を去りながら、私は頭の中を整理する。

(落ち着け···冷静になろう、私!)
(黒澤さんは、優しくて、仕事ができて、面白くて···)
(頭の回転が速くて、アドバイスが的確で、懐が深い···)

サトコ
「尊敬する先輩だから!」

(···よし!納得)

大きく頷いて、私は再び歩き出した。
「ラナンキュラス」がどういう花なのか、いろいろ想像を巡らせながら。

Secret End



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コメント

  1. pon より:

    初めまして。
    はじめてで本当に申し訳ないのですが、シークレットのレポをされているということはシークレットの選択肢がうまくいったとおもいます。1個目はあけれたのですが、2個目以降がどうしてもうまくいきません。ハピエンはとれたのですが、シークレットがあけれなくて、できましたら、攻略教えていただけないでしょうか?ことばとかも入力面倒だと思いますのでabcで教えていただけないでしょうか?本当に困っていてよろしくお願いします。本当にお手数かけて申し訳ありません。

    • sato より:

      pon様

      閲覧ありがとうございます。サトコです。
      シークレット攻略の件、シークレット出ないとイライラしますよね(笑)
      攻略を教えて欲しいとのことでしたが、私の場合、レポを書くために何度もやり直したりしてるうちに、
      気付いたらシークレットが出てることがほとんどで(汗)
      正直、どの選択肢を取ったからシークレットが出た!という記録も記憶もないんです···
      申し訳ないです···

      • pon より:

        そうですよね!サトコさんもがんばったのにらくしようとしてすみません。本当にでないんですよね(~_~;)今まで何回もしているうちにあいたというサトコさんと同じなんですが、今回はあかなくて泣きついてしまいました。わがままなお願いなのに丁寧に返信ありがとうございました。もう少しがんばって無理ならあきらめます(´Д` )本当にありがとうございます。これからもお互い楽しみましょうね^o^